ねじまき鳥クロニクルのチケット情報

ねじまき鳥
クロニクル

イントロダクション

トップクリエイターが集結し挑む、村上春樹の代表作!

世界中で絶賛される村上春樹の代表的長編小説『ねじまき鳥クロニクル』――。“Haruki Murakami”が、世界で評価されるきっかけとなった作品の舞台化である今作品。この舞台を創り上げるのは、イスラエルの奇才インバル・ピントと気鋭のアミール・クリガー、日本の演劇界に新しい風を送り続ける藤田貴大、そして独自の音楽世界を持つ大友良英。
主演には、演劇モンスターの異名をもつ成河、映像を中心に俳優として目覚ましい活躍をみせる渡辺大知の2人。Wキャストではなく、2人で岡田トオルという人間の多面性を表現していく演出となる。“死”への興味を持つ風変わりな女子高生・笠原メイを演じるのは、ピュアさと色気を併せ持つ門脇麦。さらに強烈な個性を放つ俳優陣が加わる。
芝居、コンテンポラリーダンス、音楽が見事に融合し、既成ジャンルを打ち壊す独創的な空間が立ち現れる。

ストーリー

岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていたが、猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれ、思いもよらない戦いの当事者となっていく――。

トオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き地で、女子高生の笠原メイと出会う。トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。
そんな最中、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。
だが自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会いによって、クミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。そしてトオルは、もっと大きな何かに巻き込まれていることにも気づきはじめる。
何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。暴力とエロスの予感が世界をつつみ、探索の年代記が始まる。

“ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか? トオルはクミコをとり戻すことができるのか―――。

インタビュー

力のあるキャスト、非常に個性的なクリエイター…
才能あふれる人たちが集まり、セッティングは盤石。
描かれる村上作品の世界をぜひ楽しんでください

成河さん
俳優 成河さん

世界中で絶賛される村上春樹氏の代表的長編小説『ねじまき鳥クロニクル』が2020年2月に舞台化されます。この舞台を創り上げるのはイスラエルの奇才インバル・ピント氏を筆頭に、類を見ない才能を持つ俳優やクリエイターたち。芝居、コンテンポラリーダンス、音楽が融合し、既成のジャンルを打ち壊す独創的な空間が生まれます。今回は、この舞台で主役の岡田トオルを渡辺大知さんとともに演じる成河さんに、村上春樹作品への思い、今回のお芝居に賭ける気持ちなどについて、お話を伺いました。

――「ねじまき鳥クロニクル」の出演オファーに対して、どのように思われましたか

4年前、再演の『100万回生きたねこ』に出演して、インバル・ピントさんと初めてご一緒したのですが。インバル・ピントさんはコンテンポラリーダンスや美術などとても幅広い才能をもったアーティストなので、僕個人としては本当に彼女に魅了されましたし、同時にその多彩な表現方法のアイデアをいくつもいただきました。
それに、インバル・ピントさんは日本の題材を使って日本人と一緒にクリエーションするということをご自身もとても楽しんでおられ、また一緒にと言ってくださっていたので、この作品の初演で念願が叶ったのをとてもうれしく思っています。
そんなインバル・ピントさんの手による今回の舞台なので、本当にゴールがどうなるかわからないような創作になると思います。
普通のお芝居だが、ダンスがある、でもミュージカルではない。「何か」と一言では言い切れない、すべての表現を使った、まったく新しいものになるでしょう。
つまり、村上春樹さんの世界を形にするために、最も適した表現を選んでいくというスタイル。あくまでも芝居もダンスも全部が材料、道具でしかない。その作品に最適なものを選んで、村上春樹作品の世界を表現することになると思います。

――今回は村上春樹氏の代表作ともいえる作品ですが、村上ワールドを舞台で描くことについてどのように感じておられますか

村上春樹さんの作品は、舞台表現に非常に向いているのではないかと思います。村上さんの作品では想像力のジャンプがたくさん起こります。そういうイマジネーションを飛躍させていくのが演劇で、今回の作品が舞台で行われるのは素晴らしいことだと思います。インバル・ピントさんもたぶんそのように思っているでしょう。理屈ではなくて突然、時空が変わったり、時間の感覚がグニャっと捻れたり、変わったりしていくのを、身体を使ったり、音楽だったりで表現する感覚です。

成河さん
――村上作品で主役を演じられるということをどのように思われますか

渡辺大知くんと二人で、岡田トオルという一人の人間を表現するということがまず楽しみですね。とても重層的に表現できるというか。一人の役者として、その役に入りきったり、なりきるのではなくて、身体表現などを使って、あくまで自分を材料に、オーケストラの一員になるような感じでしょうか。
そういう流れの中で、役を演じる役者の名前や顔が消えていくのが、いちばんいいのだと思います。最初はもしお客様が“成河”を観に来られたとしても、途中で誰が演じているのか忘れられたらいい。逆に、忘れさせられなかったら僕の負けだと思います。そうでないと、純粋に作品を味わえなくなってしまうでしょう。
そもそもインバル・ピントさんの創り方である、コンテンポラリーダンスを使った、ジャンルレスで作品を仕上げていく方法は、まさに俳優の名前が消えていくような世界の創り方だと思います。
そのようなクリエイションのやり方なので、村上作品の世界がどう表現されていくのか、まだ最終形はわかりません。ただ、インバル・ピントさんは美術家で、衣装をプランニングしたり、絵も描いたり、視覚表現を使ったトリックアート的な舞台美術をよく創るアーティストなので、まるで「ビックリ箱」のような感じになるのではないかと。
僕もですが、今の段階ではまだ誰にも最終形は想像できないでしょう。10月に行われたワークショップでは、いろいろと積み上げていくというか、キャストもスタッフも齟齬がないように、みっちり時間を取っていろいろ試してみました。いくつもの実験をしながら、10個、20個、30個の要素を並べた中で1個選ぶような作業を延々と行って、その中でだんだん完成させていくステップを踏むような。

――共に主演となる渡辺大知さんとは、どのように演じ分けようと思われますか

主役が二人。しかもダブルキャストではなく、二人一役。おそらく、どちらかが何かのパートを担当する、例えば外面と内面を担当するというようなきっぱり分かれた演じ分けではなく、その場に応じて二人それぞれが必要なことをやるというような演じ方になると思います。それから、二人一組の身体表現には、非常にいろいろな可能性があるので、そちらも今、挑戦しています。
例えば、いわゆるダンスというカテゴリーではなく、一瞬シャム双生児のように見えるような身体表現であったり。また、二人が普通に雑談しているように見えていても、一人の人間の中の葛藤だったり。実際、絶えず人間の頭の中はそういう会話が行われています。それをごく普通の何気ない会話で、一人の人物を表現するということにもチャレンジしているので、とてもおもしろいです。そうかと思えば、二人が突然、身体を絡ませあったりする場面もある。

――二人の気持ちが合わないと、うまく組み合えないのでは。それにお互いの解釈が違うと、「こうは思わない」とはならないのではないでしょうか

それがまたおもしろく作用するのではないかと思います。必ずしも「一人の人物がこうだ」という解釈では進めない。日常生活でも解釈しきれないことがあるように、そういうものこそ、二人で演じることで豊かになるのではないでしょうか。
一人の人でも、いろんな面を持っていますね。特に村上春樹さんの描かれた人物像というのは一筋縄ではいかない。そうそう一言で説明できる人間ではないので、その部分は逆に伝えられるのではないかと思います。

――今回、主人公について、お二人の感情的な部分はどうなのでしょうか

俳優としては、いろいろな演じ方があると思いますが、俳優が闇雲に感情を移入して役を表現するべきではないという考え方があります。それはその人の感情を見せることになってしまい、物語を見せることの妨げになってしまうことでもある。実はコンテンポラリーダンスは、その感覚を助けてくれたりします。どうしても役に入り込みすぎてしまうときに、感情ではなくて身体の動きで見せていくというような。
なので、役者として役に入れ込んでいくというより、グループワーク、チームワークを楽しんでいく感覚です。まさにチームプレイだと思います。

――役に同化することと離れることのバランスをうまく取ることは難しいでしょうか

その通りで、自分と役が五分五分のバランスの取れた関係になるためにも長い時間、稽古していくと思います。それが大事で、そのためには1年、2年でもかけても足りないくらい。個人プレイではなくそれをチームプレイでやろうとした場合は特にそうですね。
ただ、役の心の動きや感じ方などについては、普段のお芝居とは違い、今回は小説が基にあり、台本と同時に小説も読みながら稽古していくので。小説は非常に豊かにイメージが書き込まれているので、普段よりももらえるイマジネーションが多く「あ、こういうイメージを持っているのか」とみんなで共有しやすい。自分でまったく違うことを想像しなくていいですね。
ただ、チームプレイでは、自分のイメージだけでなく、他の方のイメージも尊重しながら舞台をつくりあげていくので、本当に時間がかかります。だからこそおもしろい。これからも、チームワークを大事にしながら進めていくことになるでしょう。

――この舞台の見どころや注目してほしい点と、今回の公演を楽しみにされているファンの皆様にメッセージをお願いします

いや、難しいですね。お好きなところを見てください(笑)もちろん、おすすめのポイントはたくさんあります。インバル・ピントさんのつくる作品は一見の価値があると思いますから。インバル・ピントさんの世界観、美術に触れたことのない方は、ぜひ一度触れてみてほしい。
今回は村上春樹作品とインバル・ピントさんの世界がどう絡み合うか、もちろんもうすでにみなさん楽しみにしておられるでしょうし、ドキドキされていると思います。そう、もう準備は万端。長い稽古期間をとって、本当に力のあるキャスト、非常に個性的なクリエイターなど、すべてのセッティングが盤石なので、あとはもうその才能をミックスするだけ。結果はお楽しみに。そこに起こる、いい意味でのカオスを見てほしいと思います(笑)

――ありがとうございました

キャスト&スタッフ

キャスト

ねじまき鳥クロニクルのチケット情報
<演じる・歌う・踊る>
  • 成河
    岡田トオル役
  • 渡辺大知
    岡田トオル役
  • 門脇麦
    笠原メイ役
  • 大貫勇輔
    綿谷ノボル役
  • 徳永えり
    加納クレタ/マルタ役
  • 松岡広大
    赤坂シナモン役
  • 成田亜佑美
    岡田クミコ役
  • さとうこうじ
    牛河役
  • 吹越満
    間宮中尉役
  • 銀粉蝶
    赤坂ナツメグ役
<特に踊る>

大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史
東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむ (50音順)

<演奏>

大友良英、イトケン、江川良子

スタッフ

原作/村上春樹
演出・振付・美術/インバル・ピント
脚本・演出/アミール・クリガー、藤田貴大
音楽/大友良英

公演情報

公演名
ねじまき鳥クロニクル
対象公演日程

2020年2月12日(水)~2020年2月28日(金)

※横スクロールで公演日程が確認できます。

2月 12日
(水)
13日
(木)
14日
(金)
15日
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16日
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19日
(水)
20日
(木)
21日
(金)
22日
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23日
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24日
(月・祝)
27日
(木)
28日
(金)
13:00
13:30 ⬤★ ⬤★ ⬤★
18:00
18:30

★ = 舞台見学会付:終演後には舞台スタッフの案内で幻想的な舞台美術を間近でご覧いただける見学会にご参加いただけます。

会場
【東京】東京芸術劇場 プレイハウス
料金
S席:定価11,000円 ⇒ ご優待価格 平日8,250円(税込)/ 土日祝9,350円(税込)
備考
  • ※本公演のチケット購入代金のお支払いにはVisa付エポスカード(プリペイド含む)のみご利用いただけます。
  • ※予定枚数終了次第、受付終了となります。
  • ※この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
  • ※お1人様4枚まで
  • ※表示されている公演日・席種のみの受付となります。
  • ※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
  • ※1度お申込みいただいた公演の追加申込みはできませんのであらかじめご了承ください。
  • ※この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
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公演終了

公式HP
https://horipro-stage.jp/stage/nejimaki2020/

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