新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」のチケット情報

新作歌舞伎
「風の谷のナウシカ」

宮崎駿 原作 漫画「風の谷のナウシカ」全7巻を昼の部、夜の部通しで完全上演決定!

宮崎駿が昭和57(1982)年に雑誌「アニメージュ」にて連載を開始し、足かけ13年をかけて完結した大作漫画「風の谷のナウシカ」。昭和59(1984)年には宮崎駿自身の監督で連載途中に映画化され、現在に至るまで日本のみならず世界中で愛され続けてきました。

国民的人気を博している「風の谷のナウシカ」が、令和元年12月新橋演舞場にて新作歌舞伎として登場します。

脚本は丹羽圭子と戸部和久、演出はG2。出演は、主人公ナウシカに尾上菊之助、トルメキアの皇女クシャナに中村七之助をはじめとする魅力あふれる俳優がそろいました。

壮大な物語の全てを歌舞伎としてご覧いただき、日本演劇史に新たな1ページを刻む令和元年話題の舞台。どうぞご期待ください。

ものがたり

巨大な産業文明は火の7日間と呼ばれる戦争によって滅び、大地のほとんどは巨大な蟲が生き、有毒な瘴気を発する菌類の森、腐海に覆われた。それでも人間同士の争いは止むことがなく、トルメキア王国と土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国の2大国が対立している。

「風の谷」は風を操る民が住む辺境の小国で、トルメキアとは古い盟約を結んでいる。ナウシカは族長の娘で、人々が恐れる腐海に親しみ、蟲を愛し、心を通わせ、腐海が生じた謎を解き明かしたいと思っている。

あるとき、風の谷と同じく、盟約を結んでいる小国ぺジテで、火の7日間で世界を焼き尽くした兵器「巨神兵」を復活させる力を秘めた秘石が発見された。トルメキアは秘石を手にするためぺジテを滅ぼし、さらに土鬼(ドルク)との戦争を始める。

偶然、秘石を手にしたナウシカは盟約を守り出陣すると、愚かな戦争や、腐海や蟲の起こす困難に立ち向かい、黄昏ゆく世界に希望の光を灯すため、歩み続ける。

スタッフ & 配役

  • 原作 漫画「風の谷のナウシカ」:宮崎駿
  • 脚本:丹羽圭子、戸部和久
  • 演出:G2

【配役】

  • ナウシカ:尾上菊之助
  • クシャナ:中村七之助
  • ユパ:尾上松也
  • セルム/墓の主の精:中村歌昇
  • ミラルパ/ナムリス:坂東巳之助
  • アスベル/オーマの精:尾上右近
  • 道化:中村種之助
  • ケチャ:中村米吉
  • 第三皇子/神官:中村吉之丞
  • ミト/トルメキアの将軍:市村橘太郎
  • 上人:嵐橘三郎
  • クロトワ:片岡亀蔵
  • ジル:河原崎権十郎
  • 城ババ:市村萬次郎
  • チャルカ:中村錦之助
  • マニ族僧正:中村又五郎
  • ヴ王:中村歌六

インタビュー

物語の壮大なスケールと独自の世界観を
描きあげた舞台にしたいと思います

構想以来5年余りの歳月をかけて、本年12月に上演される新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。原作者 宮崎駿氏の快諾を得て以来、数多の準備を重ねてきた今回の舞台について、ナウシカを演じる尾上菊之助さんに、ナウシカへの特別な思い、新作歌舞伎の舞台にかける意気込みなどを伺いました。

尾上菊之助さん
歌舞伎俳優 尾上菊之助
―― 『風の谷のナウシカ』という壮大な物語に携わる、率直なお気持ちをお聞かせください

“クールジャパン”としてアニメは日本を語るうえで不可欠であり、その中でも映画版の『風の谷のナウシカ』はまさに日本を代表するアニメ映画です。私もファンの一人として、その作品の世界観を大事にしつつ、日本の古典芸能である歌舞伎との融合に携われたことを、嬉しく思っています。
宮崎監督にご了承いただいたときは本当に興奮しました。また、それと同時に世界観を大事しないといけないという使命と責任感もあり、今はその両方を実感しています。

尾上菊之助さん
―― 『風の谷のナウシカ』を歌舞伎にしたいと思われたのはどんなところでしょうか

歌舞伎にしたいと思ったのは、ナウシカのテーマ性と壮大さです。
私が初めてナウシカを知ったのはアニメ映画でしたが、その後、原作本が7巻あることを知りました。実際、映画では7巻の内の1巻から2巻の部分のみを描いていますが、宮崎監督はずっと漫画を描き続けられ、10年以上かけて完成されています。
原作を全て読むと、アニメにはない、より深い世界が描かれており、また実際にはもっと内容も複雑で。その深遠な世界観と難しさゆえに、どんどん惹かれていきました。
この物語は、今の文明が滅んで千年後の未来から現代を照らしていると思います。環境、エネルギー、資源、核、それから遺伝子操作など、現在、問題が噴出している要素がたくさんあります。宮崎監督がこのナウシカを描かれたのは1980年代で、当時の日本は経済が豊かになり「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれた時代ですが、宮崎監督ご自身「このままでいいのかという思いで、当時ナウシカを描いた」とおっしゃっていたとか。その当時、日本はバブルに突入していく時期でしたから、今のように環境問題などに対して特に予見していなかったわけですが、宮崎監督はディストピアな視点でこのナウシカを描かれています。今の日本を見ると、宮崎監督の当時描かれた世界観に時代が追いついてしまったように思います。
歌舞伎の演目でも、古典として残っているのは時を超えた普遍性があるものです。そしてナウシカにも普遍性のあるテーマが描かれていると思っています。
それから『仮名手本忠臣蔵』『義経千本桜』などの全幕を上演する通し狂言は、壮大な話を一日かけて演じます。『風の谷のナウシカ』の壮大なスケールも、一日の通しとして歌舞伎舞台化するのに良いのではないかと考えました。

―― 具体的に言葉、時代感、衣裳はどういったものになるのでしょうか

言葉遣いは新作歌舞伎を作る時にはいつも考えますが、もちろん初めてのお客様に聞き取りやすい、わかりやすいように平易な言葉は選んでいこうと思います。多少古典の言葉も活かしつつ、そのあたりのバランスも見ながら考えていきたいです。
また、時代、衣裳についてもナウシカの世界観を損なわないよう、一見して「ナウシカ」とお客様にわかっていただけるようにしていこうと考えています。
ただ、ナウシカ、クシャナの衣裳に関しては漫画に準じていく予定ですが、他の土鬼(ドルク)、トルメキア、蟲使いの人々などは、例えば日本の雅楽の衣裳や、沖縄の紅型染めなど、特色のある色を使いつつ、キャラクターを分けてお客様にわかりやすいようにするつもりです。

―― ナウシカは少女の役柄ですが、どのように演じようと思われますか

歌舞伎で若衆や可憐な少女の役を演じる場合、実年齢に近い俳優が演じるのと、経験値を積んだテクニックや見せ方がわかった俳優が演じるのとでは、共におもしろさがあると思います。歌舞伎での古典の蓄積が、ナウシカを演じるうえで大きな手がかりになると思っています。
「風の谷のナウシカ」は、可憐な少女だったナウシカの成長物語だと思っています。腐海の謎解きから始まり、戦いがあり、トルメキア、土鬼の人と関わっていくうえで、地球という星と人間との関わりを考えるようになる。最初は腐海という限られた場所から始まり、最後には地球全体のことを考えるところまで成長します。
ナウシカを通したこの物語の世界観、そしてナウシカの成長の過程をぜひ見ていただきたいと思っています。

尾上菊之助さん
―― 今回の新作歌舞伎に対して、宮崎駿さんからは何かご要望がありましたか

「『風の谷のナウシカ』という題名さえ変えなければ、どのようにやっていただいても構いません」とおっしゃっていたと伺いました。これは逆にすごいプレッシャーになりまして、改めて、ナウシカの世界観を大事にしないといけないという思いになりましたし、宮崎監督が情熱をかけて全編を描かれた重みを大事に、今回の舞台を作りたいと思います。

―― クシャナ役の中村七之助さんとは、どのようにお話しされていらっしゃいますか

前回、出演をお願いした『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』の時も、七之助さんからはいろいろな意見やアドバイスをいただきました。お陰さまで素晴らしい場面を作り上げることができ、七之助さんの力は大きかったです。しかも、今回はクシャナという非常に重要な人物ですので、ぜひ今回も七之助さんと新作歌舞伎の創作を考えたいとお願いしました。

―― ジブリ関連作品は外国でも関心が高いので、今回は外国の方も見に来られると思うのですが、どういうところを見てもらいたいですか。また初めて歌舞伎をご覧になる方に対して楽しみ方を伺えますか

2020年の東京オリンピック開催で海外の方がたくさんいらっしゃるので、日本の文化を知ってもらういい機会ですし、オリンピックの決定をきっかけに日本の古典芸能である歌舞伎と日本のクールジャパンを象徴するアニメーションの2つの要素を融合できないかなと考えたのが5年前でした。海外にもジブリ作品、ナウシカファンの方がいらっしゃるので、ジブリのアニメーションを入口に、歌舞伎を知っていただき、日本の方にも日本の古典芸能を知るきっかけにしていただけたらと思っています。
古典の歌舞伎に対して「敷居が高いと思っていたが、いざ劇場に足を運んで歌舞伎を見てみると、意外にすんなり楽しめた」という感想を多くいただいています。ある程度のあらすじを予め知っておいていただけたら、後は劇場に足を運んでくださるだけで、楽しんでいただける自信はあります。そこまで完成させたいと思っていますので、ぜひ楽しみに劇場へいらしてください。

―― どうもありがとうございました

公演情報

公演名
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」
対象公演日程

2019年12月14日()~12月24日(火)

※横スクロールで全公演日程が確認できます。

12月 14日
15日
16日
(月)
18日
(水)
19日
(木)
20日
(金)
21日
22日
23日
(月)
24日
(火)
昼の部
(11:00)
夜の部
(16:30)
昼夜
セット
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※昼の部・夜の部 通し上演

会場
【東京】新橋演舞場
料金
1等席
・昼の部(前編/11:00開演):ご優待価格16,000円(税込)
・夜の部(前編/16:30開演):ご優待価格16,000円(税込)
・昼夜セット[お弁当(昼の部のみ)付]:ご優待価格32,000円(税込)
備考
  • ※本公演のチケット購入代金のお支払いにはビューカードのみご利用いただけます。
  • ※3歳以下のお子様はご入場いただけません。なお、満4歳よりお一人様につき1枚切符が必要です
  • ※お1人様4枚まで
  • ※表示されている公演日・席種のみの受付となります。
  • ※3歳以下のお子様はご入場いただけません。なお、満4歳よりお一人様につき1枚切符が必要です
  • ※1度お申込みいただいた公演の追加申込みはできませんのであらかじめご了承ください。
  • ※この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
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公演終了

公式HP
https://www.nausicaa-kabuki.com

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