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「みんな我が子」 「みんな我が子」公演概要
「みんな我が子」公演概要
【 みんな我が子 制作記者会見レポート 】
出席:長塚京三さん、麻実れいさん、田島優成さん、朝海ひかるさん、柄本佑さん、ダニエル・カトナー氏(演出)

10月28日、有楽町・東京會舘にて、舞台『みんな我が子』の制作記者会見が行われました!
ご出席者は、長塚京三さん(ジョン・ケラー役)、麻実れいさん(ケイト・ケラー役)、田島優成さん(クリス・ケラー役)、
朝海ひかるさん(アン・ディーヴァー役)、柄本佑さん(ジョージ・ディーヴァー役)、そして演出のダニエル・カトナー氏です。

まず、ダニエル・カトナー氏のご挨拶から。カトナー氏は、33歳という若さながら、巨匠ハロルド・プリンスの演出助手、共同演出として8年のキャリアを持ち、プリンス氏の一番弟子の呼び声も高い新進気鋭の演出家です。本作が日本でのデビュー作となるカトナー氏に意気込みをお聞かせいただきました。

カトナー氏:「まず、いかに今、光栄な気持ちであるかをお伝えしたいと思います。日本でのデビューとなる本作に、まさにドリーム・チームといえるキャスト、スタッフを揃えていただいたことに感謝します。演出家としてこれ以上はないチームです。『みんな我が子』は皆様ご存知の通り、アメリカ現代演劇の名作です。稽古が始まってまだ二日ですが、本当にこの作品は、文化を超えたクロスカルチュアルな作品だと感じています。ギリシャ悲劇を模した大きな悲劇作品であることは間違いないのですが、この舞台をご覧になったときに、大きな、すばらしいサプライズを感じていただけるようにしたいと思います。ただ悲劇というだけではなく、コミカルな面、心温まる気持ちなど、多岐に富んだ面を感じていただければと思っています。」

続いて、物語の中心人物であるジョー・ケラーを演じる長塚京三さんのご挨拶です。

長塚京三さん:「アーサー・ミラーという作家のいくつかの戯曲の中の父親に、ずっと、ある思い入れがありました。この作品の父、ジョー・ケラー、それから、『セールスマンの死』の父、ウィリー・ローマン。19歳か20歳の頃、いつかこういうのをやるようになるのかな、と思っていたら、とうとうその日が来た。梅田芸術劇場と麻実れいさんから、一緒にやりませんか、と声をかけていただいたときに、迷わず手を挙げました。アーサー・ミラーは、すべてがその脚本の中に内包されている、並ぶもののない作家です。稽古が始まって二日間、本読みを行っているんですが、ダニエルがよい演出をしてくれるので、たくさん学ぶことがあります。このすばらしいカンパニーで、面白い、センセーショナルなことができると期待しています。どうか劇場に足をお運びください。」

長塚さん演じるジョー・ケラーの妻であるケイト・ケラーを演じるのは、麻実れいさんです。

麻実れいさん:「アーサー・ミラーのこの作品には、シンプルな中に、深さ、豊かさがたくさん詰まっています。私の演じるケイトは、従順な妻ではありますが、行方不明の息子の死を受け入れることができない。心の中には何層もの思いがあって、同時進行している。演じるのは大変難しいのですが、こんな素晴らしい課題をもらえたことに感謝しています。大きな夢であった長塚京三さんとの共演、演出家のダニエルのもとでアーサー・ミラーの世界を作り上げたいと思います。まだ稽古が始まったばかりで、一語一語確認しているような日々ですが、素敵な何かが先にみえるようなわくわく感があります。みんなで力を合わせてよい作品にしたいと思います。」

その二人の息子、クリス・ケラーを演じる田島優成さんです。

田島優成さん:「稽古が始まってまだ二日ですが、緊張や興奮、本番に向けてのプレッシャーで、食べられない、眠れない、という日々です。「名優ほど繊細である」という言葉があるのですが、長塚さん、麻実さんを見ていると、それをまのあたりにする思いです。読み合わせをすると、初めて一人で本を読んだときに思ったよりも、もっともっと深く、そんなにすごいところからこの感情はきているのだと感じる。それは、自分にとっても衝撃的です。演出家のダニエルは知性とユーモアを兼ね備えたカリスマ的存在です。この人と一緒にいれば大丈夫という気持ち以上に、きっと自分の良いところを引き出してくれる、と、わくわくしています。」
かつてケラー家の隣に住んでいて、クリスとは幼なじみのアン・ディーヴァーを演じる朝海ひかるさん。

朝海ひかるさん:「この作品に出演できると聞いたときは、舞い上がるような気持ちでいっぱいでした。稽古が始まって、少しずつひもといていくのが、夢のような一日一日、夢のような時間です。どういう形でみなさんの前に現れるのか、光に向かって走っているような気持ちでいます。アンは、この物語を転換させる鍵を握っている存在。それを考えずに、アンとして生きることができればと思っています。また、憧れの麻実れいさんとの共演も本当に夢のようですが、その気持ちは封印して、同じ役者として立てるように、自分自身を高めていきたいです。」

そして、アンの兄であるジョージ・ディーヴァーを演じる柄本佑さん。

柄本佑さん:「素晴らしい共演者の方々と一緒に仕事をするのが楽しみです。ダニエルさんが、英語を話される演出家じゃないですか。(会場笑) 僕は英語がわからないので、ダニエルさんが熱意をこめて演出している、その身振り手振りを見ながら、通訳の方が訳される日本語を聞くという作業に、これから慣れていくのかなと。この作品は、シンプルな中にも時代の気色悪さというか、そういうものを感じます。また、海外の戯曲ならではの、わからないことがあるのですが、そのわからないことを大切にしながら台詞を言えるようになればいいなと思います。」

それぞれのご挨拶があったあとは、質疑応答となりました。
まず演出家のダニエル・カトナー氏に、「今カトナー氏が感じるブロードウェイとは?」という質問。

カトナー氏「ブロードウェイはこの10年で、大きく変化しました。これは経済的な影響も大きい。ブロードウェイは多くの才能が世界から集まり、世界中に散っていく場所です。ブロードウェイでもシカゴから来た芝居、ミネアポリスからの芝居、いろんなものを見ることができる。アメリカ中、世界中のベスト・オブ・ベストが見られる場所であることは間違いありません。」

続いて、「ハロルド・プリンスに受けた影響は?また、ほかにも影響を受けた方はいますか?」との質問が。
カトナー氏:「プリンス氏の仕事ぶりは、疑う余地もなく自分の中に大きく根付いています。すべてのアーティストは、自分にとってのアーティストという存在を持っていたい。それでも彼を師として仰ぐのは、彼の準備のメソッド、何年も前から準備に向かうという姿勢です。『みんな我が子』では何年もというわけにはいかないが、事前に稽古場の外でいかに作業をするか、ということも彼から教わりました。それは自分のクリエイティブ・プロセスにとってもとても大切なことです。また、その他に影響を受けた人としては、やはりスーザン・ストローマンが挙げられます。スリルを感じる、エキサイトできる振付家です。みなさん、尊敬を集めるからには理由がある。ほかに、ドナ・マーフィなども素晴らしい方です。」

本読みを始められて、言葉の壁については?
カトナー氏:「初の本読みのときに、とても安堵しました。この壇上にいらっしゃるキャストは、一度目から複雑な感情を的確に出してきたのです。予想では、最初の二週間はテキストと首っぴきで、本読みのみになるのではないかと覚悟していたら、二日目にはもう、台本から目を離してキャストの演技や感情の動きに飛び込んでいけている。素晴らしいスタートがきれたと思います。」

長塚京三さんには、「アーサー・ミラーの父親像に魅かれるのはなぜでしょうか?」
長塚京三さん:「その人物を非常に好きだと思うのです。自分の才覚だけを頼りに、独立独歩で、洗練されていなくて、あちこちでぶつかって、そして、大きな悲劇的な終わり方をしてしまう。いつかこういう役をやるために、これまで役者をやってきたような気がしないでもない。じゃあ、自分がこれまで何をやってきたのか、というものが見えてしまうという緊張はありますが。 ポスター撮影のときダニエルと最初に会ったのですが、二人に共通することとして、お互いの父親が似たようなタイプだったということがあります。高等教育は受けずに職人気質というか、ごく早いうちに家を出て、自分で小さいながらも事業を起こし、失敗をしたり。そういう父親が、僕は大好きなんです。魅力的な反面、ある種の限界もある。そういう人たちへのレクイエムといいますか。『みんな我が子』というタイトル、僕はこのタイトルを聞いただけでほとんど感動してしまったんです。大切に演じたいですね。」


演出家、出演者のそれぞれの作品への思いはまだ稽古を始めて二日目とは思えないほどに深く、またカンパニーとしてもしっくりとなじんでいらっしゃる様子でした。
「みんな我が子」12月2日初日です。お楽しみに!
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