◆三谷幸喜コメント

ニール・サイモンを演出するのが本当に夢でした。大学生の時に初めてこのパルコ劇場でニール・サイモンの「おかしな二人」という作品を観て、「こういう芝居を書きたい」と思った事から今の僕があるので、今回はパルコ劇場さんとニール・サイモンに恩返しをしたいと思います。ニール・サイモンを手本にして台本を書き写したりしていた事もありました。本当に素敵な舞台で、毎回感動して、まるで自分が書いたみたいに一体化した感じです。
可能な限り台本通りにやろうと思っています。自然な台詞回しを生かしつつ、その上で笑える作品になるよう心掛けています。こんなに笑えるコメディだったのだと初めて気づかれる方もいるかと思いますが、もともと台本にあったものをすくい上げているのだと感じて頂きたいです。

今回は初めてご一緒する方も多いですが、ニール・サイモンを上演するにはこのキャストしかないと思えるくらい、空前絶後の最高の座組だと思います。
中谷さんは稽古場では意外にぼけまくっていまして、よく寝ているんです。僕の真ん前を大あくびで通ったり、自宅のリビングみたいに過ごしていたところが意外ですてきな人だなと思いました。松岡さんは、もっとチャラチャラした人かと思いきや、劇団民藝の俳優さんじゃないかというぐらい台本を読み込んでらっしゃるので、びっくりしました。