ストーリー
パリ・オペラ座「ここには幽霊が住んでいる」
パリ・オペラ座の舞台裏では、こんな噂が囁かれている。次々とおこる不思議な出来事と相まって、噂はますます真実味を帯びるが、着任したばかりの支配人リシャードは、無頓着。古参のマダム・ジリーが幽霊にまつわる慣習を守るよう忠告しても、まったく取り合わない。
ミステリアスなメモ「事故か? それとも…」
その晩。無名のコーラスガール、クリスティーンが『ファウスト』の舞台で歌姫カルロッタの代役を務めることに、リシャードは不満を隠せない。一方、公演はメフィストフェレス役の事故死のために中断。これは事故なのか……?死体に添えられたメモは幽霊の介在を暗示する。
疑惑と嫉妬『ファウスト』での更なる悲劇
そして、幽霊からの突然の手紙がリシャードの元に。最高のボックス席の独占権とクリスティーンの起用を求める内容に、リシャードはクリスティーン自身が関わっていると疑い、彼女を解雇する。支配人の息子で彼女の恋人のラウルも、彼女の楽屋から聞こえた謎の男の声に嫉妬し、かばおうとしない。ところがそんなとき、カルロッタがどうしても歌えないと訴える。喉を痛めたと言うが、実は誰かに脅迫されている様子。舞台にはカルロッタが立ち、歌はクリスティーンが歌うという妥協案がとられることになる。だがその夜の『ファウスト』もまた、思わぬ大事故に見舞われるのだった。
愛するが故の悲劇 クリスティーンと謎の男
動揺するクリスティーンは、“謎の男”との不思議な体験をラウルに打ち明け、逃避行を約束する。しかし、物陰には“謎の男=ファントム”の影が……。恋の叶わぬことを知り、『ファウスト』のマルガレーテ役を演じることに。これで騒ぎは収まる、とリシャードが安堵する間もなく、今度は上演中の舞台からクリスティーンが消えた。彼女を救うため、謎めいたペルシャ人と共にオペラ座の地下に足を踏み入れたラウルたち一行を待ち受けるのは……。