第九コンサート チケット情報
交響曲第9番 ニ短調 作品125(こうきょうきょくだい9ばん ニたんちょう さくひん125、ドイツ語: Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125)は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1824年に作曲した独唱と合唱を伴う交響曲。ベートーヴェンの9番目にして最後の交響曲である。 ベートーヴェン自身は特定のタイトルを付さなかったが、通称として「合唱」や「合唱付き」と呼ばれることが多い。また、日本においては古くから「第九(だいく)」の略称で広く親しまれており、とりわけ12月の年末に全国各地で盛んに演奏される文化は、日本の冬の風物詩として定着している。 第4楽章の後半は、4人の独唱および混声合唱を伴って演奏される。歌詞にはフリードリヒ・シラーの詩『歓喜に寄す』が用いられており、その主旋律(主題)は『歓喜の歌』としても世界中で親しまれている。原曲の歌詞はドイツ語であるが、今日では世界各国の言語に翻訳され、それぞれの訳詞で歌われる機会も多い。 ベートーヴェンがシラーの『歓喜に寄す』に深く傾倒し、これに曲をつけようと試みた歴史は、本作の作曲から30年以上遡る若きボン時代から始まっていたとされる。青年期に勃発したフランス革命の精神「自由・平等・友愛」に強い共感を寄せていたベートーヴェンにとって、階級や国境を越えて「すべての人間は兄弟になる」と謳うシラーの普遍的なメッセージは、まさに自らの芸術が生涯をかけて追求すべき究極の理想そのものであった。本作の第4楽章において、ベートーヴェンはシラーの長大な詩をそのまま用いるのではなく、自身の思想に合わせてテキストを厳選し、さらに詩の冒頭には「おお友よ、このような音ではない! もっと心地よい、歓喜に満ちた歌を歌おうではないか」という自作の導入句(バリトン独唱によって歌われる)を付け加えた。 多くの音楽批評家や音楽学者によってベートーヴェンの最高傑作と位置付けられるだけでなく、西洋音楽史上最も優れた作品の一つに数えられている。また、その高いメッセージ性から政治的・国際的なシンボルとしても機能しており、第4楽章の「歓喜」の主題は、欧州評議会および欧州連合(EU)において共同体の統一性を象徴する「欧州の歌」として採択されているほか、過去にはコソボ共和国の暫定国歌やローデシアの国歌としても使用されていた。 本作が後世の音楽界に与えた影響は大きく、西洋音楽の形式に変革をもたらした。当時、平均して30分から40分程度であった交響曲の演奏時間を60分前後にまで拡大し、さらに4管編成に近い大規模な管弦楽法を提示したことは、後のシューマン、ブラームス、ブルックナー、マーラーといったロマン派の作曲家たちにとって、超えるべき巨大な「第九の呪縛(交響曲第9番を作曲した後に急逝するというジンクス)」を生んだ。さらにこの演奏時間の長さは、20世紀後半のデジタルテクノロジーの歴史にも影響を与えた。1980年代にソニーとフィリップスがコンパクトディスク(CD)の共通規格を策定する際、当時のソニー副社長であった大賀典雄や指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンらの「ベートーヴェンの第九が1枚に収まる収録時間にすべきだ」という進言により、それまで検討されていた直径11.5センチ(約60分収録)から、現在の直径12センチ(最高74分収録)へと仕様が変更されたという逸話が知られている。 2001年には、ドイツのベルリン国立図書館に所蔵されている本作の自筆譜(スコア)資料が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶(旧・ユネスコ記憶遺産)」に音楽作品として初めて登録された。さらに、1824年の初演時および初版の版刻に用いられた世界最高峰の価値を持つ筆写スコアが、2003年にロンドンのオークションハウス「サザビーズ」で競売にかけられた際には、競売カタログ等で「人類最高の芸術作品」として紹介され、当時の最高落札額を記録して大きな話題を呼んだ。
2026年08月05日(水) 10:31UTC 現在での最新版を取得
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