イントロダクション
INTRODUCTION
今年で45年目! 今年の夏も、夢と冒険の溢れる、ネバーランドの世界へ!
榊原郁恵(榊はキヘンに神)の初代ピーター・パンが舞い降りたのは、1981年。 時を重ね、世代を超えて愛され続けてきたミュージカル『ピーター・パン』は、今年で、記念すべき45年目を迎えます。今年も日本中の子どもたち、そして大人たちに、夢と冒険の世界をお届けします。
いつまでも子どもでいたいピーター・パンと、ネバーランドの冒険で成長する子どもたちの、楽しくて、ちょっぴり切ない物語。美しい音楽、躍動感あふれるダンス、大迫力のアクション、そしてピーターが客席上空に飛んでくるビッグフライング!子どもから大人まで楽しめる『ピーター・パン』で、素敵な思い出を作りませんか?
ストーリー
STORY
ロンドンに住むダーリング夫妻の子どもたち、ウェンディ、ジョン、マイケルの部屋に、空を飛べる不思議な男の子が“あるもの”を取りに忍び込みます。その子の名前は、ピーター・パン。ピーターは3人の子どもたちを連れ、いつまでも子どもでいられる“ネバーランド”へ飛び立ちます。
ウェンディはネバーランドで出会った迷子たちの“お母さん”になり、タイガー・リリー率いるモリビト(森の住人たち)とも仲良くなりました。ウェンディたちは、みんなと楽しく愉快な時を過ごしながらも、いつしか我が家が恋しくなり、ロストボーイズも連れてロンドンの家に戻ることにします。 一方、フック船長率いるパイレーツはウェンディを自分たちの“お母さん”にしようと、捕まえてしまいます。それを知ったピーターは、ティンカーベルとともに海賊船へ向かい、リリーたちと協力して、フック船長やパイレーツとの激しい戦いの末、ウェンディを救います。
いよいよ、ロンドンに帰る時、ピーターとの最後の別れを惜しむウェンディたち。ウェンディは彼にお願いをします。「春の大掃除の季節にはきっと迎えにきてね。」と。時が経ち、約束を果たしにピーターがやってくるのですが…
キャスト&スタッフ
CAST&STAFF
【キャスト】
ピーター・パン:山﨑玲奈
フック船長:石井一孝
ウェンディ:山口乃々華
タイガー・リリー:七瀬恋彩
ダーリング夫人:実咲凜音
ロストボーイズ*:飯田汐音、小野寺夏音、梶 みなみ、 富田明里、宮島優心(ORβIT)
パイレーツ*:今村洋一、黒沼 亮、佐藤 大、七味まゆ味、 武井雷俊、馬場礼可
モリビト*:ASUKA、奥富夕渚、住 玲衣奈、髙中梨生、 堤 はんと、中川友里江、西垣秀隆、森田駿介
ジョン*(Wキャスト):白石ひまり/三浦あかり
マイケル*(Wキャスト):小林愛佳/柳生有咲
スウィング:三井夕萌、大賀辰次朗
*五十音順
【原作】 サー・J・M・バリによる作品を 元にしたミュージカル
【作詞】 キャロリン・リー
【作曲】 モリス(ムース)・チャーラップ
【翻訳・訳詞】 福田響志
【演出・振付】 長谷川 寧
インタビュー
INTERVIEW
今年45回目を迎える日本版ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』。11代目ピーター・パンとして、2023年より今作の主演を務めてきた山﨑玲奈さんが今年もピーター・パンを演じます。この1年も『翼の創世記』Genesis of Wings、『人と川と祈りと ~重信川伝説』数々のミュージカル作品に出演。5月には『ビートルジュース』に出演と、持ち前の歌唱力と表現力に磨きをかけてきた山﨑さんに、3度目となる本公演に向けての意気込みや作品への想いを聞きました。
山﨑玲奈さん
ピーター・パンが抱える孤独な内面まで表現したい
――ピーター・パンを演じるのは3回目となりますが、まずは今年の公演が決まったときのお気持ちから教えてください。
まずは3年連続で11代目のピーター・パンを演じさせていただけることが本当に嬉しく、光栄に思っています。演出は、1年目、2年目と同じ長谷川寧さんが手がけられますが、「3年目はさらに新しいことに挑戦していこう!」とお話ししています。私自身も1年、2年と経験を重ねることで自分自身をグレードアップさせつつ、さらにまだまだ『ピーター・パン』には新しい見方ができる部分があるのではないかと思い、原作を読み直しているところです。
――1年目、2年目と比べ、どのような違いが出てきそうでしょうか。
1年目は私がもともと持っていたピーター・パン像というものを追いかけました。と言ってもそれも長谷川寧さんの演出のもとでは、改めて考えさせられることはいろいろあったのですが、それでもみんなのヒーローであったり、カッコよかったりするピーター・パンを目指して取り組みました。またこのときは自分は女性なのに少年を演じる、というところに大きなハードルを感じていましたので、声の出し方や言い方、仕草などをたくさん研究しました。 2年目はそれらはある程度クリアしていきつつ、今度はフック船長との対立の仕方やロストボーイズたちとの掛け合いの中で、その関係性や気持ちの表現という部分をさらに工夫することが課題でした。同時に、ピーターのうちに秘めた孤独や悲しみ……そんな部分を追求したいと思っていたので、今年もそんな内面のさらに奥深くを探ることによって、別の何かにたどり着きたいと思っています。
――16歳からピーター・パン役に取り組んでいらっしゃいますが、ご自身にとってこの作品はどのような存在ですか。
舞台の経験がものすごく多いわけではありませんが、その中でも『ピーター・パン』の舞台と稽古は一番大変です。もちろん他の舞台でも大変なことはたくさんありますが、『ピーター・パン』には大変なことがたくさん詰まっていて…。歌にしても、私は高音のほうが得意なのですが、ピーター・パンは少年ということで低い音域の音が多く、そこには毎回苦労していますし、先ほどもお話した男の子としての動き、さらに他のキャストの方々との掛け合い、そしてフライングやアクションもあります。フライングでは、本当に飛んでいるように見せるにはどんな飛び方がベストなのかを研究するのですが、せっかく方法を見つけても、自分の体が追いつかないこともありました。アクションは初の挑戦でしたが、アクション・パルクールのHAYATEさんと共に、前回のフック船長役だった小野田龍之介さんには稽古後まで手伝っていただいたりして、本当に時間と苦労をかけて作り上げました。今思い出してもたくさんの思い出が蘇ります。 それから、私はミュージカルは歌って踊ってお芝居をすれば届くものだと思っていたのですが、この作品で長谷川寧さんに出会い、そんな思いこみをすべて「1から見直していく、考え直していく」というものの見方や捉え方を教えていただきました。これを癖づけるのはものすごく大変なのですが、とても発見が多く、楽しい時間でもあります。「自分が全く意識していなかったことに気づかされる」というのも、この作品ならではの体験だと思っています。
台本から感じたものを自分は表現できているか
――のびのびとした歌声やエネルギーいっぱいの山﨑さんのピーターを楽しみにしているお客様がたくさんいますが、ミュージカルのためにされていることや、ルーティンなどがあれば教えてください。
私は台本を読むのが好きなんです。だから、稽古期間中は毎日台本を読んで、そのときに伝わってくる情景や雰囲気、感情を強く意識するようにしています。そして、稽古ではそこで感じたものを表現したいと思っているのですが、それがきちんとできたかどうか、台本を読みながらそれを思い返すことをルーティンにしています。台本を読むときは、自分の役とは関係なく作品の世界を感じたり、考えたりするのですが、実際に稽古に出てみると、「(自分の解釈や考え方は)少し違ったかも」ということはよくあります。特に演出家さんはみなさん独自の世界をお持ちなので、新しい解釈や発見に驚くことも多いですね。ただ、同時に自分が感じたファーストインプレッションみたいなものも大切にしていきたいと思っています。
――今年はキャストも一新されますが、それによってどんな変化が起こると思いますか。
ネバーランドに新しい要素が持ち込まれるということなので、そこで起こる“化学反応”を楽しんで、自分もさらに新しい挑戦をしていきたいです。1年目のウェンディは岡部麟さんでしたが、そのときは岡部さんさんがもうとっても可愛らしくてキュンキュンするというか、こちらも自然に小学生の男の子みたいな気持ちになっていました。2年目は鈴木梨央さんでしたが、そのときはまた全然違う、可愛いけれど強さもあるウェンディで「(ピーターとして)自分が下の立場になってはいけない、負けてはいけないという気持ちが強くなって、掛け合いも勝負のような気持ちで挑んでいた印象です。今年は山口乃々華さんで、先ほど初めてお会いしたのですが、とっても可愛らしくて素敵な方で、「どんなウェンディになるのかな?」とワクワクしています。 フック船長は、1、2年目は小野田龍之介さんで、それはもう、ものすごい強いフック船長、圧倒的なオーラで立ちはだかってくる相手でしたので、私も「絶対に負けられない!」という強い気持ちで臨みました。そのフック船長を、今年は石井一孝さんが演じられます。初めてお会いしたときはとっても優しくて話しやすい方だったのでどんな感じになるのだろう、と不思議な気持ちがしました。ポスターのビジュアル撮影のときに、フック船長の姿になられている姿も見たのですが、小野田さんとはまた全然違う雰囲気で、さらに楽しみになりました。
世代によって感想が変わるのが『ピーター・パン』の面白さ
――過去のお客さまの反応で印象的だったものはありますか。
舞台には父母や祖父母、地方の親戚も見にきてくれるのですが、世代によって感想や意見が違うところがとても面白いと思っています。従兄弟たちは「ヒーローに見えた!」「フック船長との戦いは応援したくなった!」などと言ってくれるので、さらにみんなに応援してもらえる存在になっていきたいと思います。一方、父や母は親の目線から見るので、ピーターの苦しさもわかってくれて……。私自身、大人の目線に近いところでピーターを演じていますが、ピーター本人は自分の苦しみをわかっていないところがあるので、それを表現していくのはとても難しいなと感じています。
――課題がたくさんありますね。リフレッシュ方法などはありますか。
「結構疲れたな、今日しんどかったな」という日はゲームをしています。戦う系のゲームで、たくさん敵を倒してストレス解消しています!
――最後に、お客様にメッセージをお願いします。
『ピーター・パン』は私自身、幼い頃から親しんできた作品ですが、作品をよく知れば知るほど「大人向け」であると感じています。ピーターを演じるのはもちろん楽しいのですが、中身を知れば知るほど、彼が抱える孤独や苦しみが見えてきて、切なくなってしまうんです。演じながら、「なんでここで行かないの!」や「なんで言えないの!」というはがゆい瞬間が何度もあるのですが、ピーターより大人であるはずの、18歳の私にもまだまだわからないピーターの孤独や内面に抱えたものというのがきっとあると思います。私自身もまだ探っている最中なので、みなさまもぜひ劇場に足を運んで、ピーターのことを見守っていただけたらと思います。
(取材・文/小川聖子) (撮影/森浩司)
公演情報
TICKET
公演名
青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』
会場
【東京】東京国際フォーラム ホールC
上演期間
2025年7月28日(月)~8月6日(水)
料金
ご優待価格で好評販売中!
チケットお申込み