STORY
ある夏の浅草。
大学中退後、ふらふらと街を彷徨う、まだ何者でもない青年・北野武は、流れ着いたストリップ小屋・フランス座で働くことになる。
興行の責任者である深見千三郎師匠に弟子入りした武は、芸人仲間と苦楽を共にし、力強く生きるストリッパーや浅草の人々と交流しながら、芸の道で生きていく覚悟を決める。
しかし修行を続けるうちに、武は時代の変化に逆らえず苦境に立たされ、ある決断を余儀なくされる。
やがて、武が芸人として一世を風靡する一方、師匠の深見は…
原作はビートたけしの青春自伝
「浅草キッド」。
芸に生きる人々の心情を音楽劇として描く!
ビートたけしが芸人として一世を風靡し、映画監督として世界に名を轟かせるよりはるか昔の青春時代を描いた自伝小説「浅草キッド」。過去2度のドラマ化や、Netflixによる映画化も話題になりました。
今回、ビートたけし作詞・作曲による名曲「浅草キッド」にオリジナル楽曲を加え、福原充則の脚本・演出により音楽劇として初の舞台化が決定!舞台版では、ビートたけし自らが原点と語る、浅草・フランス座で下積み生活を過ごした青春時代が描かれます。芸人・ビートたけしの誕生と笑いにかけた芸人たちの生き様を表現した物語に、ぜひご期待ください。
ある夏の浅草。
大学中退後、ふらふらと街を彷徨う、まだ何者でもない青年・北野武は、流れ着いたストリップ小屋・フランス座で働くことになる。
興行の責任者である深見千三郎師匠に弟子入りした武は、芸人仲間と苦楽を共にし、力強く生きるストリッパーや浅草の人々と交流しながら、芸の道で生きていく覚悟を決める。
しかし修行を続けるうちに、武は時代の変化に逆らえず苦境に立たされ、ある決断を余儀なくされる。
やがて、武が芸人として一世を風靡する一方、師匠の深見は…
林 遣都
松下優也/今野浩喜/稲葉 友/
森永悠希/紺野まひる/あめくみちこ
山本耕史
ほか
【原作】
ビートたけし
【脚本・演出】
福原充則
【音楽・音楽監督】
益田トッシュ
音楽劇『浅草キッド』の上演に先立ち製作発表記者会見が行なわれ、演出の福原充則、そして主演の北野武役を務める林遣都や師匠・深見千三郎役の山本耕史をはじめとする豪華キャスト陣が登壇。
福原充則さんは「役者、楽曲、スタッフ、ひとつひとつのピースが想像以上に揃った。今後の稽古で、単にそのピースが合わさるだけでなく、魔法のようなケミストリーが起きると思う」と自信をのぞかせました。ここでは、林遣都さんが今感じていることや作品への意気込みなどをご紹介します。
北野武さん役がまさか自分に来るとは…と、とても驚きました。お話をいただいたのが2年以上前のことで、そのときはあまり実感がわかなかったのが正直な気持ちで、でも、演じるには相当な覚悟を持って挑まなければいけないと思いました。ただ、演出が福原さんで音楽劇ということを聞き、絶対おもしろい作品になると思いましたし、以前から、福原さんの作品に参加したいと思っていたので、嬉しかったです。
「浅草キッド」以外の音楽は益田トッシュさんがすべてオリジナルでつくってくださっています。今すぐにでも皆さんに聞いてほしいくらい本当にすばらしい曲です。キャストが揃って歌い踊る曲が1幕の終盤にあるのですが、それはお客様にも楽しんでもらえると思っているので、ぜひ一緒に盛り上がっていただきたいですね。
「世界の北野武」であるとともに、僕が小学生の頃にテレビで観ていたたけしさんは着ぐるみを着てハチャメチャなことをしているイメージ。こんなにも、日本で知らない人はいないくらいの方を演じさせていただく機会はそうそうないので、最初はプレッシャーも感じていました。
自信のあるジャンルではないので確かにプレッシャーはあります。でも、とても頼りになる共演者の方々や歌唱指導の益田トッポさん、トッシュさん、福原さんという強力な味方がいるので、皆さんからいろいろ教わりながら自分の中に落とし込んでいけたらと思っています。原作小説の登場人物はみんなシャイで、なかなか素直になれない人たち。そんな人たちの本音の部分を歌にして描きたいと、福原さんがおっしゃっていました。それを聞いて、役づくりの中のひとつとして、お芝居で歌にも向き合っていけると感じました。
舞台上で実際に音を出さなければいけないので、大変ではありますが、RON×Ⅱさんというタップダンス界のすごい方に教えていただいているので、心強いです。昨日、振り付けが上がってきて、それがまた凄くて。練習をしたのですが、脱水症状を起こしそうなほどの汗の量でハードだったのですが、みなさんにお見せできるように頑張ります。
山本さんは、男も憧れる男という印象。お会いできてうれしかったですし、これから師弟関係という役をつくっていくうえで迷いが一切なくなりました。稽古が始まり、コントや浅草のシーンを稽古されている姿を見ていて、青年・北野武として居場所を見つけたような感覚になったんです。劇中で武が師匠に向けて歌う曲があるのですが、耕史さんが演じる師匠を見てよりその歌のイメージが具体的になりましたし、迷いなく歌いきりたいという気持ちも強まりました。
1年ほど前に番組でお会いしました。この作品が決まっていましたが、「『浅草キッド』をやります」と言う勇気が出ず、その時はごあいさつ程度で、お話しはしていないです。
本作のために早い段階から時間を設けていただき、ボイストレーニングや歌の指導をしてくださったトッポさん。マンツーマンで教えていただき、僕の歌や声に関しては完全にトッポさんが師匠だと思っています。発声だけでなく、体のことや精神面も含めてイチから向き合ってくださり、この方に出会って歌を学べて幸せですし、とても感謝しています。
福原さんの脚本、トッシュさんの音楽、共演者の皆さんとの芝居、RON×Ⅱさん振り付けのタップダンス…。それらに対して自分が受けた感動を、観に来てくださるお客様にもしっかり届けたいと思っています。この作品はどんな方でも楽しめるような、ワクワクする舞台になると思うので、ぜひ劇場へ足をお運びいただけたら嬉しいです。
(取材・文/井上菜々子)
公演終了