舞台「チョコレートドーナツ」のチケット情報

PARCO劇場オープニング・シリーズ
「チョコレートドーナツ」

イントロダクション

舞台は1979年のウェスト・ハリウッド。
ゲイの男性が育児放棄された障がいを持つ子供を育てたという実話に着想を得て製作された映画「チョコレートドーナツ(原題:ANY DAY NOW)」は、社会的マイノリティが直面する問題を告発しつつ、愛と自由を求める人間の本質を描いています。
日本でも広く支持を得たこの映画を、世界で初めて、東山紀之主演、宮本亞門演出で舞台化します。

70年代のアメリカのヒットナンバーを散りばめた華やかなショーシーンと、緊迫の法廷ドラマを織り交ぜつつ、愛と希望、未来を求めて、苦闘する人間の姿を感動的に謳い上げるヒューマンドラマ「チョコレートドーナツ」。
宮本亞門がタクトを振る舞台世界初演に、どうぞご期待ください!

ストーリー

1979年、カリフォルニア。シンガーを夢見ながらもショーパブのダンサーとして生活の糧を得るルディ。
正義を求めながらも、ゲイであることを隠して生きる検察官のポール。母の愛情を受けずに育ったダウン症のある少年マルコ。街の片隅で3人は出会った。
マルコの母親が薬物所持で逮捕されるのをきっかけに、“いとこ”同士と偽り、生活環境の整っているポールの家で共に暮らし始める。まるで本当の両親のように、二人はマルコを愛し、大切に育てた。
3人で暮らし始めてしばらく経ったある日、ポールの上司に誘われたハロウィンパーティで、ポールとルディがゲイのカップルであることが周囲に知られてしまう。二人の関係を偽ったことが原因で、マルコは家庭局に連れて行かれ、ポールは仕事を解雇されてしまう。

絶望する二人。しかし、「今こそ、法律で世界を変えるチャンス」というルディの言葉を聞き、ポールは正義で世界を変えたい、と法を学んでいた頃の情熱を取り戻す。そして、差別と偏見で奪われたマルコを取り戻すために裁判に挑むことを決心するが・・・

インタビュー

映画「チョコレートドーナツ」を初めて舞台化!演出・宮本亞門さんインタビュー

ゲイの男性が育児放棄された障がいを持つ子どもを育てたという実話に着想を得て制作された映画『チョコレートドーナツ(原題:ANY DAY NOW)』(2012)が、宮本亞門さんの演出で、初めて舞台化されます。原作の映画に「大感動した」という宮本さんは、今回、どのような演出をされるのでしょうか。舞台への意気込みや、東山紀之さんや谷原章介さんらをキャスティングした理由などを聞きました。

宮本亞門さん
演出 宮本亞門さん
――今回、世界初の舞台化です。まずは意気込みをお願いします。

2015年に舞台化のお話をいただき、原作の監督と脚本を手掛けたトラヴィス・ファインさんとお会いしました。舞台化しようと大盛り上がりして、いよいよ実現します。純粋にうれしいです。
原作の映画は、大感動しました。でも、内容が内容なので、日本では大劇場ではなく小さな劇場で1館のみで上映がスタートでした。映画コメンテーターのLiLiCoさんが頑張ってくれて、少しは評判にはなりましたが。
米国でもメジャーなハリウッド映画ではないのだけれど、テーマが意義深いし、何よりアラン・カミングの演技が凄まじくて!彼の舞台やコンサートをいくつか見ていますが、この本気度は生半可でなく、すごくシビアだなと思いました。
ルディとポールという人が本当に愛しあい、障がいを持つマルコを自分の子どものように愛しく思って。けれど、法律という巨大な壁にぶつかって。それでもがく姿に感動して、あぁ、今も日本も何も変わっていないと思ったんです。同性婚も、アダプトすることも、法律的には正式に許されていないんです。今の社会をそのまま表している内容だなと思いました。

宮本亞門さん
――舞台化にあたっての構想を教えてください。

映画は、見終わった後にもいろいろと考えてしまうような、「救いはないのだろうか?」と思ってしまうような、痛みと重さがありましたが、今回は舞台版として、ショーパブのダンスをより多く盛り込むなどして、エンターテインメントの要素を入れています。
僕が映画の中で特に好きなシーンは、ルディとポールが、まるで両親のように、マルコのためにおもちゃを買ってきてあげたり、オルゴールを置いたりするシーン。偏見なく、男だから女だから、ダウン症がある子だからない子だからと一切関係なく、二人がドキドキしながら、マルコを思っている姿に、きゅっと心が熱くなったんです。舞台ではそういうシーンも大切にしたいなと思います。

――今回は、シンガーを夢見ながら、ショーパブの口パク・ダンサーとして日銭を稼ぐルディ役を東山紀之さんが演じられます。キャスティングの理由を教えてください。

東山さんは『さらば我が愛 覇王別姫』や『サド侯爵夫人』で女形や女性をやられていることもあって、セクシャルマイノリティーの役を挑戦済みだから抵抗はないと思ったこと。
それに、東山さんはとても責任感があって、真面目な方だと思います。また、本当は「ダイブしたい」、「ジャンプして違う自分を演じてみたい」という気持ちが奥底でおありだと思うんです。その気持ちがあるから、この役を受諾していただけたのかと。
だからその意気込みたるや。本物でしょう。映画の中でルディを演じたアラン・カミングの演技を見たら、普通だと怖いんじゃないかと、思うので。
ルディは、おかしいことはおかしい、変なことは変とだと思うと、忖度などせず、実行にうつせる純粋さと体当たり的な行動力がある人です。だから本気で社会と戦い続け、悩み、そして歌う。きっと東山さんの人生でもこんな役はなかったと思いますよ。役者冥利に尽きるし、役者として存分に楽しんでいただけると思います。

――ゲイであることを隠して生きる検察官のポール役を演じる谷原章介さんに関しては。

谷原さんは本当に真面目な方で、優しくて、理知的な方。ポールもそういうところがあると思います。
ポールは、LGBTQの「Q(クエスチョニング)」で、自分の性的なものをカミングアウトができずに、どうしたらいいか迷っているときに、ルディに出会ったことで、彼の心の旅が始まる。舞台ではそこをうまく表現できればと思っています。特にポールが変化して行き、感情を表に出していく裁判のシーンは、見ものですね。

――少年マルコに関してはどうですか。

LOVE JUNX(※ダウン症のある方のためのエンターテインメント集団)の舞台は、素晴らしかったですし、オーディションでも、ダウン症がある子たちは、本当にストレートに感情をドンとぶつけていて、プロ顔負けの本気の演技でした。
この作品は、全員が安全地帯にいてはだめで、エッヂが立たないと演じられない。生半可なものでは、観客に「ばれてしまう」。少年マルコ役の2人は、そのことに気づかせてくれました。
僕もダウン症のある方と初めて稽古するので、過程でいろいろなことを感じるでしょうし、その感じたことをいい形で舞台の中で生かせればなと思っております。

宮本亞門さん
――いつも以上に熱い稽古場になりそうですね!

なりますね、きっと。
やはり原作の映画が凄すぎたからね。分かりやすい、ウェルメイドな作品ではないし、そもそもそこを目指していない。壮絶で、生の人間があぶり出していきたいです。

――この作品を通じての亞門さん自身が訴えたいことや伝えたいメッセージはありますか?

このコロナ禍で、いろいろなことが浮き彫りになったと思います。人って何のために今生きてるんだろうとか、本当に人は愛しあえるのだろうかとか、考えたし、結局人と人は愛し合いたいし、認めあいたいんだと思う人たちも増えたと思います。
でも一方で、断絶も増えました。二極化とまでは言わなくても、あらゆる場面で国も政治も分断して、差別や偏見も出ている。だからこそ、僕は愛にあふれたものをちゃんと舞台として出すことで、今後も我々が忘れてはいけないこと、我々に必要なことを感じていただきたい。まさに、このコロナ禍に本作が上演されることに意義があると思います。
でも、この作品の軸は、あくまで人と人の、愛の話。同性、異性を超え、愛を求め合う人が結ばれる事を願っている作品です。今回は、エンターテインメントの色あいも含めながら、楽しく作品を見ていただき、真の愛情の姿を感じていただきたいと思います。

宮本亞門さん
――コロナ禍でエンターテインメントの力が試されるということですね。

今はミュージカル『生きる』(10月9日〜日生劇場)の演出をやらせてもらって感じるのが、コロナの“おかげ”で、キャストもスタッフも皆さんが、自分のやっている仕事について、初心に戻り、益々本気になってきていると感じます。
今まで本気でなかったという意味ではなく、どう生きるか、何を大事にしたいかという思いが作品の中に入ってくるんです。観客の皆さんもただ劇場に楽しみに来るだけではなくて、このコロナ禍にわざわざ劇場にいらっしゃるわけだから、「感じたい」という強い思いもあると思いますし。
観客のみなさんが楽しみながらも、その心の奥深くまで震えるように。いい意味で反応しあえる体感を大切にしたいですね。

――最後に観劇を楽しみにしていらっしゃるお客様にメッセージをお願いします!

この時期だからこそ見てほしい舞台です。
コロナ禍に劇場へ行くことを敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、僕たちは、生の劇場でしか出せないものを目指して、作品を作り上げます。コロナ禍で愛を体感していただきたいし、この名作の世界初演を味わっていただきたいと思います。

――ありがとうございました。

キャスト&スタッフ

【出演】

東山紀之
谷原章介
堀部圭亮 八十田勇一 妃海風 まりゑ
大西多摩恵 下総源太朗 エミ・エレオノーラ 矢野デイビット
高橋永/丹下開登(ダブルキャスト)
穴沢裕介 佐々木崇 高木勇次朗 シュート・チェン 米澤拓真
モロ師岡 高畑淳子

【原作】
トラヴィス・ファイン/ジョージ・アーサー・ブルーム
(トラヴィス・ファイン監督映画「チョコレートドーナツ(原題:ANY DAY NOW)」より

【翻案・脚本】谷賢一 【訳詞】及川眠子 【演出】宮本亞門

公演情報

公演名
PARCO劇場オープニング・シリーズ「チョコレートドーナツ」
対象公演日程

2020年12月7日(月)~2020年12月29日(火)

※横スクロールで公演日程が確認できます。

12月 7日
(月)
9日
(水)
10日
(木)
12日
13日
15日
(火)
16日
(水)
18日
(金)
19日
20日
23日
(水)
25日
(金)
26日
27日
28日
(月)
29日
(火)
12:00
13:00
14:00
17:00
18:00
会場
【東京】PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)
料金
全席指定:定価13,000円(税込) 
⇒ ご優待価格 11,700円(税込)
備考
  • 本公演のチケット購入代金のお支払いにはVisa付エポスカード(プリペイド含む)のみご利用いただけます。
  • 1申し込みにつき2枚まで
  • 表示されている公演日・席種のみの受付となります。
  • 1度お申込みいただいた公演の追加申込みはできませんのであらかじめご了承ください。
  • この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
  • 未就学児の入場はご遠慮ください。
  • 本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
  • 公演中止など、主催者がやむを得ないと判断する場合以外の払い戻しはいたしません。
  • 本公演のチケット購入時に登録の氏名・緊急連絡先は、万が一来場者から感染者が発生した場合など必要に応じて保健所等の公的機関へ提供させていただく場合がございます。予めご了承くださいませ。
  • PARCO劇場の感染症拡大予防に対する取り組みとお客様へのお願いにつきましては、公演直前(11月30日(月)頃)に改めて掲載いたしますので、ご確認の上ご来場くださいませ。
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公演中止

公式HP
https://stage.parco.jp/program/choco

お問い合わせ

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  • パルコステージ 03-3477-5858(時間短縮営業中)
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