イントロダクション
2025年夏、舞台に
鬼太郎たちが帰ってくる!
「ゲゲゲの鬼太郎」は、1965年の週刊少年マガジンの連載に始まり、漫画、アニメ、映画、小説、ドラマ、ゲームなど、半世紀以上に亘り多くの人に愛され続けてきた作品です。
登場する妖怪たちの多くは日本古来より伝承された存在で、作者である水木しげるが新たな解釈やデザインのアレンジを加えたことで妖怪そのものが広く周知されるようになり、日本の妖怪伝承において大きな影響を与えた作品とも言われています。
2022年には舞台『ゲゲゲの鬼太郎』が上演され、2023年には映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が大ヒットを記録し話題となりました。
水木しげる没後10年にあたる節目の2025年夏、舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』として完全新作となって帰ってきます!
今作で鬼太郎たちが立ち向かうのは、世界征服を目論む西洋妖怪の吸血鬼軍団。鬼太郎たちと吸血鬼軍団の戦いが今、始まる!
どうぞご期待ください!
ムービー
インタビュー

舞台の鬼太郎は原作より青年に近いイメージです
前回は中止の回があったことで悔しい思いが残りましたので、再び上演できることが本当に嬉しいです。しかも、今回は再演ではなくて新作。初演時からのメンバーとともに、新キャストとの取り組みも、今から楽しみにしています。
鬼太郎は妖怪と人間の間にいる幽霊族なのですが、どちらに対しても中立の立場を守ろうとしている人。優しいけれど、ときには非情なところもあるというか、シビアに公平な判断を下すところが僕はとても好きですね。役作りについては、初演時に掘り下げたことで、「自分なりの鬼太郎像」というものがだいぶ掴めたのではないかと思っています。原作の鬼太郎はやや少年ぽいのですが、舞台の鬼太郎はもう少し青年に近いイメージ。実は最初はもう少し少年ぽくやってみようと思ったのですが、僕が演じるとなると、見た目や身長からして絶対に違和感があるなと思いまして…。結局あまり子どもっぽくしすぎず、かといってあまり大人にもなりすぎないバランスを自分の中で探りながら演じました。妖怪にも人間にも中立、年齢は重ねていても、少年ぽさもある…みたいな感じですね。今作でも、独特のテンションや怪しげな雰囲気など、鬼太郎らしさは出していきたいと思っています。
ファンだった大塚明夫さんとの稽古場が今から楽しみ!

まず、ねずみ男役が大塚明夫さんなんです!大塚さんは声優としてたくさんのキャラクターを演じていらっしゃいますが、僕は黒ひげ(『ONE PIECE』のマーシャル・D・ティーチ)やスネーク(『メタルギア』シリーズのソリッド・スネーク)の大ファンでしたし、大塚さんが出演されたゲームも色々とやっていて好きだったので、今から稽古場が楽しみです。あの声で名前を呼んでいただけたら嬉しいなと思っています(笑)。
そうですね。植ちゃんは同じ会社ですし、廣野くんもよく僕がやる作品に出てくれるという間柄、信頼関係のある仲なので、これはもうお互いに「やるべきことをやるだけだね」という感じです。あとはせっかくこんなバチバチに動けるメンバーでやるなら、僕たちが得意としている殺陣なども見せられたらいいね、という話はしています。
まず浅野さんは「どうしたらこんなにずっと美しさを保てるんだろう」と言うくらい美しいです(笑)。しかも見た目だけではなく、僕が言うのもおこがましいですが、舞台への姿勢や佇まいも素晴らしくて…。芸能界に長らくいらっしゃる方ですが、僕たち若手のこともずっと気にかけてくださって。前回公演のときは、カーテンコールのとき僕が最後にはけるまで必ず舞台袖で待っていてくださるんですよ。先に楽屋に戻ってくださっていいのに、「主演だからね」と立ててくださったことはとても嬉しかったですし、そんなお人柄だから長らく輝いていらっしゃるんだなと思いました。上坂さんは、もともと声優として活躍していらっしゃって、前回が初舞台、初アクションということでした。動くことにあまり慣れていないからと、色々な方に殺陣のやり方やポージングについて質問されていて、懸命に努力されていた姿が印象的でした。とても一生懸命でしたので、今作でもまたパワーアップした上坂さんが見られるのではないかと思います!
実は堤さんの舞台演出を受けるのは初めてで…。鬼太郎のキャラクターに関しては、もちろん堤さんが言ってくださることを第一にしつつ、自分からもフィードバックして話し合いながら進めていけたらと楽しみにしています。
日本で長く愛されている作品、舞台ならではの面白さを届けたい

なんでしょう…「妖怪」は日本独自の概念ですよね。もちろん海外にも似ている存在はいますが、僕たち日本人にとって身近に感じられる不思議な存在といえば、やっぱり妖怪なのだと思います。前回の舞台のとき、僕のまわりにも「実は『水木しげる妖怪図鑑』を持っているんだよね」とか「実は前から鬼太郎が好きだったんだよね」という友達が結構いたんですよ。高校時代や大学の友達で、ふだん舞台を見る習慣のないような人まで連絡をくれて…。そんなとき、「ああ、水木作品は日本人の間にこんなに根付いているんだ」「めちゃくちゃ愛されているんだ」ということを改めて感じました。
僕が思う鬼太郎作品の一番の魅力は、人間の醜いところをリアルに描いているところです。水木先生の作品はしばしば「人間はダメだ、醜いんだ」ということが描かれているのですが、僕はそこが好きですね。もちろん人間には光の部分もありますが、同時に闇の部分もあると思います。「妖怪もの」というと、妖怪が悪さをする、妖怪がいけない、という描かれ方をされることもありますが、妖怪だけが悪いわけではありません。「妖怪も人間も、どちらも自分のエゴで動いているんだ」という鬼太郎の世界観が僕は好きですし、この舞台でもそこはしっかり伝えていきたいと思っています。
昔からねずみ男は好きですね。問題児だし、ムカっとくるところもありますが、彼がいるから物語が展開していく、彩られていく部分がたくさんありますよね。あとは鬼太郎や、ちょっとマスコットっぽいところでキジムナーも好きです。時代が変われば妖怪も変わって、起こる事件も変わる、社会風刺が効いているところも多くの人に愛されている理由だと思います。
『ゲゲゲの鬼太郎』は国民全員が知っているくらい有名な作品ですし、近年は映画の公開などもあり、ますます注目度が上がっている実感もあります。だからこそ、鬼太郎を演じることには嬉しさと共にプレッシャーも強く感じます。今作では僕のウィッグも新調され、ちゃんちゃんこもより派手になるなど、内容だけでなく、色々な面で前作よりもグレードアップされています。関わるスタッフがみんな上を目指しているのが嬉しいですし、だからこそ、良いものに仕上がると思っています。
舞台の素晴らしさは、お客さんと同じ人間がその場で演じていること。僕たちだけではなくお客さんも一緒に空気を作りながら、「今ここで起こっていること」として作品の世界を共有できるところが素晴らしいと思っています。鬼太郎の舞台は、怖いところもあり、笑いもあり、ピリッとするところもありと、本当に五感で楽しんでいただけるようなもの。ぜひのびのびとリラックスして、舞台を楽しんでいただけたらと思っています。
(取材・文/小川聖子)
(撮影/中村麻子)
キャスト&スタッフ
【出演】
荒牧慶彦 大塚明夫 上坂すみれ
植田圭輔 廣野凌大
美弥るりか
浅野ゆう子
野沢雅子(声の出演) 島田敏(声の出演) 山口勝平(声の出演)
長友光弘(響) 砂川脩弥
白井美貴 浅野琳 大城麗生 中土井俊允
矢吹百花 山田隼人 渡邉陸
【原作】
水木しげる
【脚本・演出】
堤泰之
公演情報
- 公演名
- 舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』
- 会場
- 【東京】明治座
- 上演日
- 2025年8月2日(土)~8月16日(土)
- 料金
- S席(1・2階席正面):平日13,000円→
《ご優待価格》
S席(1・2階席正面)当日引換券:11,000円