舞台『ハムレット』メインビジュアル

舞台
ハムレット

Introduction

シェイクスピアの四大悲劇の一つであり、人間の苦悩を深く描いた傑作として愛されてきた『ハムレット』。

葛藤、狂気、そして裏切りが複雑に絡み合い、観る者の心に深く突き刺さる普遍的なテーマが凝縮されたこの作品に、2026年、新たな息吹が吹き込まれます。

若き王子ハムレットを演じるのは、新時代の歌舞伎俳優・市川染五郎。祖父・松本白鸚、父・松本幸四郎も演じてきたハムレット役で、ストレートプレイ初出演、初主演に挑みます。

リアルを追求し、過去と現在、生と死など相対する要素を繊細に表現する世界的な演出家 デヴィッド・ルヴォーの演出と多彩なキャストが紡ぐ、新たな『ハムレット』にご期待ください。

Story

デンマークの王子・ハムレットは、父王の急死、そして直後に母ガートルードが再婚し、叔父クローディアスが王位についたことに深く苦悩していた。

ある夜、ハムレットのもとに父の亡霊が現れる。自らの死はクローディアスによる毒殺だったと告げられたハムレットは、復讐を誓い、狂気を装いながら周囲の反応を探ることに。

疑心暗鬼にさいなまれ、恋人オフィーリアや友人との関係も複雑に絡み合っていく中、ハムレットは芝居を利用して叔父の罪を暴こうと試みるが、その行動は悲劇的な連鎖を引き起こし……。

Interview

シェイクスピアの「四大悲劇」のひとつであり、人間の苦悩を深く描いた傑作として愛されてきた『ハムレット』がこの度、デヴィッド・ルヴォー演出、市川染五郎主演の舞台作品として新たな息吹を吹き込まれます。ハムレットの恋人であるオフィーリア役の當真あみさん、母親のガートルード役の柚香光さんに作品への思いや、稽古を前に感じていることを伺いました。
當真あみさん、柚香光さん
(左から)當真あみさん、柚香光さん

舞台作品への初出演は「1日1回、思い出していた」

―― まずは、今作への出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

當真あみ(以下、當真) 私は今回が初めての舞台になります。実は、お話をいただいたのは1年半ほど前なのですが、それから今日まで、「1日1回は頭に思い浮かべる」というくらい、ずっと頭の中に「舞台をやるんだ」という想いがありました。ずっと緊張と楽しみが混ざり合った状態が続いていましたが、今日こうしてキャストの皆様と直接お会いしたことで、より「いよいよ始まるんだ」という実感が湧いています。
ハムレット役の市川染五郎さんにお会いしたのも今日が初めてですが、映像や舞台での染五郎さんは、一つの物事に深く集中されている姿がとても印象的でした。作品によってご自身を柔軟に変えていかれる、その姿が本当に素晴らしいなと。染五郎さんとは年齢も近いので、そこには少しだけ安心感を感じています。そんな方がそばにいてくださることは、私にとって本当に心強いですし、学ばせていただけることがたくさんあるだろうなとワクワクしています。また、他のキャストの皆様も素晴らしい経験をされている方ばかりなので、楽しみながら、良い舞台を作っていければと思っています。

柚香光(以下、柚香) 私はこれまで17年ほど、宝塚歌劇団でミュージカルやショーに取り組んでまいりました。今作で私は初のストレートプレイに挑戦するのですが、これは一つの夢でもありました。ただ、卒業して1年8か月という早い時期にまさか機会をいただけるとは思っておらず、お話を伺った時から今日まで、嬉しさのあまりずっとふわふわとした気持ちでおります。個人的なお話となりますが、私は卒業してからも不思議と「剣を振る役」が多くて(笑)。鬼になったり、王を目指す女子高生になったり……。でも今回は良い意味で背筋がピンと伸びるような新鮮な役、新たな取り組みになりますので、心を引き締めて、この新しい世界に飛び込みたいと思っています。

シェイクスピアには今の私たちの血肉になるものが詰まっている

當真あみさん

―― シェイクスピアや『ハムレット』という作品に対して、おふたりはどのようなイメージを持っていますか。

當真 最初は、歴史の積み重ねがある分、少し重くて難しいイメージを持っていました。でも、松岡和子さんが訳された台本を読んでみると、言葉がすっと入ってきて。今の私が読んでも心に刺さるというか、この時代にも通じる、今の私たちの血肉になり得るものがたくさん詰まっている。そう感じられたことで、遠い昔の物語ではなく、自分に近いものとして捉えることができました。

柚香 お芝居に関わる人間にとって、シェイクスピアは、学んでも学んでもゴールが遠い、難しいものという認識です。それでも、演劇に関わるすべての人が敬意を持ち、大切にしている作品だという印象がありますので、今回そのような作品に挑戦できることは、私にとって大きな意味があります。また、それが初のストレートプレイというのも緊張感がありますので、多くのことを学びながら、真摯に向かっていきたいと思っています。

―― オフィーリアとガートルード、おふたりが演じる役に対する印象を教えてください。

當真 どう演じるかはまだまだこれからですが、今の時点の印象では、オフィーリアはとても「真っ直ぐな人」なのかなと思っています。その真っ直ぐさゆえに、最後には壊れてしまう……。でも、彼女がただ「かわいそうな人」に見えるのか、それともこの時代を自分なりに生き抜こうとした「強い人」に見えるのか。それは私の演じ方や解釈次第で全く変わると思いますので、稽古場でいろいろなパターンを探りながら、彼女の芯にあるものを形にしていきたいです。

柚香 ガートルードはこの400年の間、世界中でさまざまな解釈がなされてきた、本当に「謎が多い人」です。悪女として描かれることもあれば、何も知らない無垢な女性として描かれることもある。彼女が何を見て、何を思ってその言葉を発したのか。ハムレットやクローディアスとの関係性一つで、伝わり方も全く変わってしまいます。その奥深さに今はとても惹かれていますね。実年齢よりも一回り以上年上の母親役を演じることも私には大きな挑戦ですが、皆様に「柚香のガートルードでよかった」と思っていただけるよう、丁寧に作っていきたいです。

その場で生まれるものを大切に良い作品を作っていきたい

柚香光さん

―― お二人は今日がほぼ初対面とのことですが、お互いの印象はいかがですか。

當真 私が柚香さんに一番最初にお会いしたのは宣伝ビジュアルの撮影の時だったのですが、その時から「あ、とてもお優しい方だ」と感じて、ホッとしました。にこやかに声をかけてくださって、そのおかげで今日という日も緊張しすぎずに迎えることができました。役としては複雑な関係になりますが、柚香さんのような素敵な方がいてくださることが、私にとって大きな安心感になっています。

柚香 あみさんは、本当に「清らかな水」を連想させるような方です。ハムレットを演じる主演の染五郎さんも「向こうが透けて見えるような透明感」とおっしゃっていましたが、実際にお会いすると、本当にその通りで(笑)。まさにオフィーリアそのものだと思いました。ただ、これから時間を共にするうちに、私の「変なやつ」な部分がバレて嫌われてしまわないか、そこが心配です(笑)。

當真 私のほうこそ、「実はこんな人だったんだ」って思われてしまうかもしれません(笑)。

―― (笑)。演出のデヴィッド・ルヴォーさんについては、どのような印象ですか。

當真 ルヴォーさんはとても優しい方で、「みんなの意見を聞きたい」と、こちらの考えを柔軟に受け入れてくださる器の大きさを感じました。今は不安よりも、ルヴォーさんと一緒にどんな世界を作っていけるのか、楽しみな気持ちの方が大きいです。

柚香 ルヴォーさんは「その場で生まれるもの」をとても大切にされる方だと伺っています。最初に頭で「これはこうだ」と決めつけて壁を作るのではなく、稽古場で皆さんと掛け合い、刺激し合って育まれる「生々しいお芝居」を大切にしたいです。今回は、歌舞伎、映像、宝塚、そして演劇界のベテランの方々と、全く異なるバックグラウンドを持つ皆さんが集まります。その出会いで生まれるものこそが、この舞台の大きなエネルギーになるのではないかと思っています。

―― 最後に、この作品を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。

柚香 初めてのストレートプレイ、共演者の皆様のパワーをいただきながら、私自身も柔軟に、そして誠実に作品と向き合っていきたいです。舞台は日々変わっていくもの。その時その瞬間にしか生まれないみずみずしさや輝きを、ぜひ劇場で体感していただけたらと思います。

當真 私には初めての舞台作品です。以前ドラマで共演した上白石萌音さんの舞台を見に行ったときに少しご相談させていただいたところ、「緊張もすると思うけれど、その空気も含めて楽しいから、ガチガチに固まらず、自分の中でいろんなことを柔軟に取り込んで楽しめたらいいんじゃないかな」とアドバイスいただきました。初めての場所なので、どうしても構えてしまいそうになるのですが、萌音さんの言葉を胸に、できるだけ柔らかい自分でいたいなと思っています。また、舞台に対して難しいイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品はどなたが見ても面白い、そして自分の人生のヒントになるような言葉がきっと見つかる作品だと思います。何か一つでも大切なものを持ち帰っていただけるよう、精一杯頑張ります。

取材・文/小川聖子
撮影/山本春花

Cast&Staff

CAST

ハムレット
市川染五郎

オフィーリア
當真あみ

レアティーズ
石川凌雅

ホレイショー
横山賀三

ポローニアス
梶原善

ガートルード
柚香光

クローディアス
石黒賢

クローディアス
吉田ウーロン太

ギルデンスターン
竹森千人

浅野彰一 石原由宇 川原田樹 近藤隼 佐々木優樹 常住富大 
伯鞘麗名 前東美菜子 水口早香 森内翔大

オンステージスウィング
栗原功平 佐々木誠

MUSICIANS

Conductor/Keyboard
江草啓太

Drums
堀越彰

Percussion
渡辺庸介

STAFF

【作】
ウィリアム・シェイクスピア

【演出】
デヴィッド・ルヴォー

【翻訳】
松岡和子

Information

公演名
舞台『ハムレット』
会場
【東京】日生劇場
上演期間
2026年5月9日(土)~5月30日(土)
料金
【定価】S席 14,000円→
《ご優待価格》S席 9,800円