ミュージカル「ジェイミー」のメインビジュアル

ミュージカル
ジェイミー

INTRODUCTION

英国BBCのドキュメンタリーに基づいた大ヒットミュージカル。
映画化もされ、世界中に生きる勇気と温かい幸せをくれた『ジェイミー』が4年ぶりに帰ってくる!!

ドラァグクイーンを夢見る高校生ジェイミーが、差別や偏見と闘いながらも自分らしく生きていく様を見て、周囲の価値観が変わっていく。最高にホットで感動的なサクセスストーリー!

英国の公共放送局、BBCで放送された、ドキュメンタリー番組を基に制作された『ジェイミー』。2017年、英国のシェフィールド劇場で開幕するや大ヒットを記録し、ニューヨーク・ブロードウェイと並ぶミュージカルの聖地、ロンドン・ウェストエンドへ進出。さらには英国最高峰の演劇賞であるローレンス・オリヴィエ賞に5部門でノミネートされ一大旋風を巻き起こした。21年にはAmazon Prime videoで映画版も世界配信され、英国アカデミー賞優秀英国映画賞ノミネート。その後も世界各地で上演され続け、大好評を博している。

21年の日本初演では、疾走感あるポップなメロディ、パッションとエネルギーに溢れたダンス等ミュージカルの魅力は十分に、ジェイミーと母マーガレットの絆、親友プリティとの友情、宿敵ディーンや父親、先生との確執、憧れのドラァグクイーンたちとの邂逅…そうした中でジェイミーが成長していく様が大きな感動を呼んだ。
初演でセンセーショナルな感動を届けた素晴らしいキャスト陣に加え、エネルギッシュで才能溢れる新キャストも合流し、待望の再演決定!!!

STORY

ジェイミーは、ドラァグクイーンになることを密かに夢見る高校生。

16歳の誕生日、母親マーガレットからプレゼントされたのはジェイミーがずっと欲しかった、ゴージャスな赤いハイヒールだった。
喜んだジェイミーは、親友のプリティに教室でこっそりとハイヒールを見せ、同級生ディーンからの辱めにも初め抵抗して言い負かす。その姿を見たプリティは、高校生活の最大のイベントであるプロムにハイヒールと共にドレスを着て出ることを提案する。
夢に向かって強く突き進む思いを抱いたジェイミーだが、学校や周囲の保護者たちは猛反対。
苦しむ息子をマーガレットは全力でサポートし、彼が自分のアイデンティティを自由に表現できるよう強く、愛情深く背中を押してくれる。
偏見や差別に苦しみながらも、母との絆に支えられ、自分自身を偽らずに本当の自分を表現し続けるジェイミーの姿は、次第に周囲の目を変えていく…

MOVIE

INTERVIEW

2021年に日本初演を果たし、大きな感動を呼んだミュージカル『ジェイミー』の再演が決定!
主人公は、密かにドラッグクィーンに憧れる高校生のジェイミー。偏見や差別に苦しみながらも、母親との絆に支えられ、偽りない自分を表現し続けることで、いつしか周囲の目までを変えていく…。そんな純粋でひたむきなジェイミーを今作で初めて演じる三浦宏規さん、前作に引き続きジェイミーを演じる髙橋颯さん、実は同じ26歳であるおふたりに話を聞きました。

三浦宏規さん、髙橋颯さん
(左から)三浦宏規さん、髙橋颯さん

颯くんの「揺らぎ」にジェイミーを感じます

――三浦さんは初めて、髙橋さんは2度目となるジェイミー役。本日の取材の前には制作発表(プレイベント)も開催されましたが、改めて出演が決まったときのお気持ちや、お互いの印象を教えてください。

三浦 大好きな作品なので、出演することができて本当に嬉しいです。颯くんとはビジュアル撮影のときに初めてお会いして、その後に今日のプレイベントに向けての稽古が一度あったのですが、何ていうかちょっとね、距離の詰めかたが異常なんですよね(笑)。

髙橋 あはは、異常(笑)。

三浦 異常なくらい詰めてきてくれる、それが僕は本当にありがいなと思っています。僕は意外と人見知りなところがあるので、もうこれが颯くんなのかジェイミーなのかはわからないのですが、とにかくどんどん距離を縮めてきてくれるのが本当に嬉しいですし、助かっています。

髙橋 僕はふだんグループ(ダンスボーカルユニット「WATWING」)を組んで活動しているのですが、もうメンバーだと思って接しているんです。再びジェイミーに取り組めることが嬉しいので、初心に帰ったつもりでたくさん勉強していきたいです。今回はダブルキャストが三浦宏規くんと言うことで…こんなせっかくの機会に遠慮して距離を置いていたらもったいないと思って。だから、「好き!」という気持ちでどんどん関わらせて頂こうと思っています。

――稽古もご一緒されたと言うことですが、もともと持っていたイメージから変わったところはありますか。
三浦宏規さん

三浦 そうですね、颯くんが過去に出ている作品の映像を見て、「こんな感じの人かな」と想像していたイメージといい意味で全然違いました。グループ活動もされていると聞いていたこともあって、なんとなくもうちょっとクールというか、キザな感じ?そんなタイプかと思っていたのですが、全然違っていました。とにかく柔らかくて、温かくて、愛情深い。ちょっと頼りなく見えるところも、それも愛らしさだし、自分に自信があるのかないのかわからない、そんな「揺らぎ」があるのも魅力で、そこがジェイミーっぽいというか。だから彼の作るジェイミーに惹かれるんだろうなと思っています…まだ全然知らないんですけどね(笑)。

髙橋 そんなふうに見てくれていたなんて、嬉しいです。僕はもう、宏規くんの年齢なんかは考えないようにしようと思っていて…。

三浦 いや、考えたところで同い年だけど(笑)。

髙橋 そうなんだけど(笑)。宏規くんは…言葉にすると安っぽくなってしまいそうですが、頼れるお兄さんにも見えるし、可愛い弟にも見える、不思議な魅力を持っている人です。まとまっているのかなと思えば、すごく砕けているところもありますし…。あとはアイディアがすごくたくさんある人。一緒に稽古しているときに、それをすごく感じました。「ああしたい、こうしてみたい」というのがどんどん出てきて、常に色々なことを思い描いているのだろうな、というのを感じましたし、それを隣で見られる瞬間は本当に幸せだなって。

三浦 「ああしたい、こうしたい」は僕、すぐ言っちゃうからね。わがままなんです(笑)。

髙橋 そんな宏規くんを見て楽しみたいし、学びたいし。動きかたから違うので、もうすでに一ファンになりつつあります!

三浦 今日のプレイベントで同じステージに立てたのは本当に楽しかったんだけど、実はこれが最初で最後の共演かもしれないよね。もちろん、宣伝イベントやトークショーなどはあるかもしれませんが、公演はWキャストなので舞台上で一緒にということはないので、ものすごく新鮮でした。どんな感じでやろうかという話もして…「鏡というか、本当にもう一人の自分だと思って」みたいなことを話し合ったよね。

髙橋 そうそう、相方というより双子という感じでって。

三浦 面白い感じでできたんじゃないかと思います。

完璧でない人間らしさがジェイミーの魅力

髙橋颯さん
――おふたりはジェイミーという人間をどんな人だと捉えていますか。

三浦 ジェイミーは強い子だと思います。クラスでいじめられたり、お父さんにひどいことを言われても、それでも自分の思いを貫く力を持っていて、臆さずに進んでいけるというのは、ものすごい強さだと思います。彼が持っている自信は、もちろんジェイミーの大きな魅力ではありますが、物語の終盤でジェイミーがプリティに言う、「自分は本当は弱くて、醜いから」という言葉には、ジェイミーが今までどれだけ深く傷ついてきたかが詰まっているんですよね。それを聞くと、それまでの自信はすべて、その深い傷を隠すためだったとわかります。弱くて醜い自分が嫌いで、だからこそずっと強がってきたのがジェイミー。全然完璧な人間じゃなくて、クラスで人気者になれば調子に乗っちゃったりもする、人間らしさがあるのがジェイミーで、だからこそとても愛せる主人公だなと思っています。

髙橋 ジェイミーは4年前にも演じていますが、共感する部分がたくさんあります。僕にもやりたいことがすごくたくさんありますが、実際にそれらを実現するための一歩って、実はなかなか踏み出せなかったりします。劇中で躊躇しているジェイミーを見れば、僕も「もったいないよ!やりなよ!」と背中を押したくなりますから、やっぱり人生は「挑戦してなんぼ」ですよね。挑戦してもしなくても、人生では必ずどこかで壁にはぶつかるものだから、ひたすら信じて突き進めばいいじゃないかと思います。あとは自分のまわり中全部、愛してしまえばいいなって…。

三浦 すでに実践してるよな、それ!一昨日くらいからの稽古場でも「もう〜、みんな好き!」って。そんなこと稽古場で言う人、初めて見ました(笑)。

髙橋 あはは(笑)。実はこれ、前回の反省でもあって…。前回はジェイミーがいじめられている、みたいな雰囲気をつくってしまって、作品の理解が足りなかったかもしれない、実はもう一段階深く行けたかもしれないと思っていて。

三浦 ジェイミーがいじめられているところを描きすぎたってこと?

髙橋 そう。この作品はハッピーエンドだし、ジェイミーのエネルギーが周りに伝播していって、最後には敵対していたディーンですら暖かい愛で包み込むような、そんな人でありたいなと思っているんです。だから途中、迷惑かけちゃうところはもどかしいですが、謝るところは謝って、大切なものを見失わずに演じていきたいなって。

三浦 僕は映像でしか見られていませんが、ジェイミーがいじめられてしまう脆さとか、弱さとか、それが魅力だったけどね。自信のなさがジェイミーだと思って見ていたので、映像でも魅力的に映りましたよ。なんだろう、みんながみんな自信家じゃないですものね。僕なんかはもう、絵に描いたような自信家なんですけど(笑)。映像で見たジェイミーの自信のなさが、颯くん自身から出ているものか、ジェイミーから出ているものかはわからないのですが、そこがとても見えてきたとき、「頑張れ!」と背中を押したくなったので、4年前はそれはそれで正解だったんじゃないかと思います。でも、今回はまた違うアプローチで演じようとされているのも、ジェイミーを一度体験している彼だからこそだと思いますし…って、ごちゃごちゃしゃべっていますけど、僕はまだ1回もやってなくてすみません(笑)。

髙橋 あはは(笑)。そうですね、「こうでなきゃいけない」とは決めずに、全部正解、全部ジェイミーだと受け止めて、信じてやっていきたいです。

三浦 そうですよね、正解はない作品だと思いますし、役というものも、「こうでなきゃいけない」というのは限りなく少ないんじゃないかと思います。颯くんと(ダブルキャストだった森崎)ウィンくんも全然違ったわけだし。

髙橋 ああ、そうかもしれないですね。

三浦 映像でどっちも見て全然違ったし、どちらもすごく勉強になりました。

ジェイミーの限りないエネルギーでみなさんに勇気を届けたい

――ジェイミーはドラッグクイーンに憧れている少年、衣装にはハイヒールもあります。髙橋さんは2回目となりますが、何かアドバイスや心構えなどがありますか。
三浦宏規さん、髙橋颯さん

髙橋 それが…実は僕は過去に脚を痛めてしまったことがあって…そこからはずっとケアを続けています。ごめんなさい、ポジティブなことを言えなくて。

三浦 ええっ。それはめちゃめちゃ大変だったね。僕も気をつけます…。

髙橋 宏規くんは姿勢もいいので、見習いたいです。

三浦 いえいえ、僕はどちらかと言ったら姿勢は悪いほうなので、ひたすら意識するようにしているだけで…。でも最近は筋トレが趣味ですね。

髙橋 言ってたね。ダンベルで腰、痛めたんでしょ(笑)。

三浦 そうそう、ダンベル買っちゃって(笑)。

髙橋 腰椎は動かしちゃダメ。うちはメンバーも1回、腰やってるから、詳しいですよ。

三浦 そうだ、僕も腰はすでに2回、別作品で痛めてるんだった。だからそうですね、うん、ちょっと筋トレのやり方は間違えていたところがあったので、これからは気をつけながら頑張りたいと思います(笑)。

――最後に改めて、お客様にメッセージをお願いします。

髙橋 ハッピーで、不思議なエネルギーがある作品です。やりたくてもできないことがある人のバックグラウンドに、大きな社会問題だけでなく、家庭環境があったり、学校でのことがあったりすることを思うと胸がとても痛くなります。それら全部ひっくるめて抱擁してあげたいですし、ジェイミーという役を通して背中を見せ、限りないエネルギーをお渡しできたらと思っています。

三浦 『ジェイミー』は、現代の話だし、LGBTQとは何なのかとか、ドラッグクイーンとは何なのか、そんなことが理解できる作品になっているかと思います。ストーリーとして心に刺さる部分がものすごくたくさんあるのですが、そんなところを抜きにしても、楽曲もダンスもとても明るく楽しく、エンターテインメントとしてものすごく楽しんでいただける、ハッピーな作品です。きっと勇気をもらえると思いますので、たくさんの方々に観劇していただけたら。中でも僕は、ジェイミーたちと同世代である、ティーンの子たちに見てもらえたら嬉しいなと思います。

(取材・文/小川聖子)
(撮影/森 浩司)

CAST&STAFF

【出演】

ジェイミー・ニュー:
三浦宏規/髙橋颯(WATWING)(Wキャスト)

マーガレット・ニュー:安蘭けい

プリティ:唯月ふうか/遥海(Wキャスト)

ディーン・パクストン:神里優希/吉高志音

ベックス:小向なる

サイード:里中将道

ファティマ:澤田真里愛

ミッキー:東間一貴

サイ:星野勇太

リーバイ:MAOTO

ベッカ:元榮菜摘

ヴィッキー:リコ(HUNNY BEE)

※五十音順

ライカ・バージン:泉見洋平

トレイ・ソフィスティケイ:渡辺大輔

ミス・ヘッジ:かなで(3時のヒロイン)

ミス・ヘッジ(女性役U/S):栗山絵美

ジェイミーの父/サンドラ:岸 祐二

レイ:保坂知寿

ヒューゴ/ロコ・シャネル:石川 禅

※ミス・ヘッジ役のかなで(3時のヒロイン)が出演しない回がございます。
該当回はアンダースタディの栗山絵美がミス・ヘッジ役で出演いたします。

【音楽】
ダン・ギレスピー・セルズ

【作】
トム・マックレー

【日本版演出・振付】
ジェフリー・ペイジ

【翻訳・訳詞】
福田響志

EVENT

公演名
ミュージカル『ジェイミー』
上演期間
2025年7月9日(水)~7月27日(日)
会場
東京建物 Brillia HALL
料金
ご優待価格で好評販売中
公演名
ミュージカル『ジェイミー』
上演期間
2025年8月9日(土)~8月10日(日)
会場
愛知県芸術劇場 大ホール
料金
ご優待価格で好評販売中