イントロダクション
愛と感動の秀作が日本演劇界屈指の実力派キャストで帰ってくる!
ミュージカル『パレード』は20世紀初頭のアメリカで実際にあった冤罪事件を題材に夫婦の愛を描いた究極の人間ドラマ。脚本を手掛けたのは、『ドライビング・ミス・デイジー』など数多くの名作を手掛けたピューリッツァー賞受賞作家 アルフレッド・ウーリー。そして『ラスト・ファイヴ・イヤーズ』『マディソン郡の橋』など、ブロードウェイで最も注目されている気鋭のジェイソン・ロバート・ブラウンが作詞・作曲を手掛けた。複雑に絡み合った人間関係とそれぞれの思惑が描かれる精緻な脚本を、アメリカ南部のフォークソング的要素を盛り込んだ美しくメロディアスでありながら力強い楽曲でミュージカルでしか表現できない感動的な人間ドラマに仕上げ、1999年米演劇界最高峰のトニー賞で最優秀楽曲賞・最優秀脚本賞の2部門を受賞した。
2017年には読売演劇大賞 最優秀演出家賞受賞歴もある森 新太郎の手で日本初演。本作で初めてミュージカルを手掛け、その大胆な演出で観客に衝撃と感動を与えた。
そんな秀作ミュージカル『パレード』が2021年1月、日本演劇界屈指の実力派キャストと共に満を持して帰ってくる!
ストーリー
物語の舞台は、1913年アメリカ南部の中心、ジョージア州アトランタ。南北戦争終結から半世紀が過ぎても、南軍戦没者追悼記念日には、南軍の生き残りの老兵が誇り高い表情でパレードに参加し、南部の自由のために戦った男たちの誇りと南部の優位を歌いあげる。そんな土地で13歳の白人少女の強姦殺人事件が起こる。容疑者として逮捕されたのはニューヨークから来たユダヤ人のレオ・フランク。実直なユダヤ人で少女が働いていた鉛筆工場の工場長だった。彼は無実にも関わらず様々な思惑や権力により、犯人に仕立て上げられていく。そんな彼の無実を信じ、疑いを晴らすために動いたのは妻のルシールだけだった。白人、黒人、ユダヤ人、知事、検察、マスコミ、群衆・・・・それぞれの立場と思惑が交差する中、人種間の妬みが事態を思わぬ方向へと導いていく・・・・。
インタビュー
この時代にマッチした普遍的なテーマの作品。
社会の問題について考えるきっかけにしていただければ。
20世紀初頭のアメリカで実際にあった冤罪事件をテーマに、夫婦の愛を描いたミュージカル『パレード』。1999年に米演劇界最高峰のトニー賞で最優秀楽曲賞、最優秀脚本賞の2部門を受賞。
2017年、読売演劇大賞最優秀演出家賞受賞歴のある森新太郎の手で日本でも初演され、その大胆な演出は強い衝撃と大きな感動を与えました。今回は初演に続き、主人公石丸幹二演じるレオ・フランクの妻ルシールを演じる堀内敬子さんに、このミュージカルの見どころ、再演への思いなどを伺いました。
女優 堀内敬子さん
――2017年の初演に引き続いてですが、出演の依頼があったときはどう思われましたか?
もし再演があるなら3、4年後というお話があったので、またできるのかなという期待もありましたし、違う方が演じられるのは・・という思いもありました。年齢的には他の方が演じてもいい役ですし、他の方のルシールを観たいとも思いました。でも今回も私ができることになってとても嬉しいです。差別から起こる冤罪の実話をベースにした作品で、気軽に、明るく楽しいという感じではなく、突き詰めれば突き詰めるほどテーマが重く苦しいので、消耗はしますが、その分やりがいのある役だと思います。
――再演についての思いと意気込みを教えてください
再演ができるということは、作品がみなさまに認めていただけたということですからとても嬉しいですね。再演の決定は私個人だけではなく、前回出演したキャストもスタッフも、みんなにとって嬉しいことだと思います。ですから、意気込みというより、また気持も新たにという感じです。新しくキャストに入られる方もいらっしゃるので、また最初からつくることになると思いますし。
演出家の森さんが『パレード』初演の後に海外留学して勉強されたという事なので、海外のテイストの演出がどこまで入ってくるのか。どこかに活かされると思うので、そこはとても楽しみです。
そういう意味でも、新しく組み立て直した『パレード』は前回とは絶対に違いますね。今、世界的にもコロナ禍の真っ只中ですし、本当に舞台に立てる、お客さまを目の前にしてお芝居ができるということが、どれだけ貴重かというのは出演者みんなが身にしみて感じていると思います。
初演のときも森さんが「今日はこういう感じで行こう」とか、まるでスポーツチームの監督のように「きっと今日は緩むから、もうちょっと引き締めていこう」など毎日何かしらひと言かけてくださっていました。そのひと言でみんなが一丸となって、毎回、舞台を続けてきたので、今回もまた一丸となって新たな気持ちでできるのではないかと。前回もキャストのみなさんが本当に前向きに、森さんについていくという姿勢があったので、それはたぶん3年経っても変わらないと思います。ですから、いい空気でお稽古もできると思いますし、お稽古がとても楽しみです。
――森さんの演出はどういう感じだったのでしょうか?
全員が、本当に真摯に素直に森さんに従いました。みんなベテランなので、自分の意見もありましたが、基本的に森さんはそれを許さない(笑)反論しても一刀両断で。最初のうちはいろいろ意見を言ったこともありましたが、森さんは全然聞かないですね。
ミュージカルの達人ばかりが集まっていたし、私も達人のふりの気持ちでいて(笑)「森さんはミュージカルのことは知らないじゃない」というような気持ちでいたんです。だから「歌うとき正面向くでしょ」「盛り上げるときは絶対、手を開くよね」というように思っていたのに「それは一切なし」と全面否定。みんな「??」になりました。
なぜ全て否定だったかというと、おそらく「お芝居の根本をつくるために、ミュージカルにありがちな演出を止める」ということだったのかと思います。
たとえば「パーティ中にみんなが話してもいないのにワハハと笑ったり、手を叩くのは止めてください」と。ミュージカルはつくられた世界で、「ミュージカルとはこういうものだ」と、みんな頭が凝り固まっていたのが全部崩壊した感じでした。確かにミュージカルは一部オーバーアクション気味なところはありますが、そういうものだと思っていたのに、それを一気に崩されて、お芝居の根本から叩き直されたように思いました。
――『パレード』は、これまでのミュージカルとどこが違ったのでしょうか?
まず、今までのミュージカルの演じ方を全面否定されたにも関わらず、それをミュージカルの達人たちが真摯に向き合って行ったというところ。これは本当にすごいと思います。もし、誰か1人が「そんなのないよ」という風になると、やはりいい空気にならなかったのに、みんなが森さんの言うことを「あ、そうか」と聞いた。目からウロコのように「そうだよね、ミュージカルの変なところはあるよね」と、基本のお芝居をつくりあげたところが他のミュージカルとは違ったのかと思います。
それがまた作品的には非常に大事なところで、ミュージカルでありながら実際に起きた話を伝えるために、お芝居はとても肝要だったと思います。しかも、歌のナンバーだけで成立してしまうくらい歌がとても多いので、お芝居の部分はなくしてしまおうと思えばなくしてしまうことができる作品ですし。軽く扱えないテーマであることと、音楽で表現するミュージカルをうまく共存させた森さんのお芝居の演出が、よりリアルに、骨太に仕上げられたので、他のミュージカルとはまた違う、お客さまの心に突き刺さる作品になったと思います。
『パレード』の後は、ミュージカルに出られている俳優さんに会うと「森さんとお仕事をした方がいいよ」と話すようになったくらい、お芝居はやはり重要でした。ミュージカルは、歌や踊りになるとなにか違う世界に行ってしまうところがあるので、そこに軸をしっかり持たせることができたのは、演出家が森さんだったからだと思います。
――前回と変えたいなどのプランはおありですか?
特にないです。変えるつもりもないし、同じようにやっても同じようには、できないと思います。3年も経っていますしね。心情的にも役の捉え方でも特に大きく変わったつもりはないですが、やはり3年の月日を経ると、あのときの気持ちには戻れない。その後に映像のお仕事など違うこともしていますので、それらの経験がいいふうに出ればいいなと思います。とにかく森さんを信じればいいと思うので、変えてやろうという気持ちもありません。森さんを信頼して、ついていくしかない。そうすれば2021年の新しい『パレード』ができると思います。
――相手役の石丸さんとは長いおつきあいですね。わかり合えるところが多いのではないでしょうか?
確かに、石丸さんとは劇団四季の同期ですし、とても長いおつきあいです。彼は私に限らずみんなに対して、主役でありながら周りのことも気遣う方なので、舞台中もすごく気にしてくださって、すごいなと思います。
彼と私がお互いにどんな状態にあるかというのは、話さなくても2人ともよくわかるので、やはりずっと共演してやってきたよさはありますね。たとえば今日は体調が悪いなどもわかると思います。他の人よりわかりやすいですね。
でも石丸さんではなくても、ずっと共演していた方なら、やはりお互いのことはわかると思います。たとえばロングランになると、その作品に長い間入るので、本当に日々の変化というのはお互いに感じるものがあります。
お客さまはその日1回しか観ないわけですから、その日にどこまでいいものを出せるかという勝負になります。特にロングランでは波があってはいけないという思いがあるので、体調もコントロールして日々の公演を続けるのですが、かなり辛くて、追い詰められるような感じになります。いつも言うのですが、長い公演の間というのは「熱いお湯の中に肩まで入って、上からずっと蓋を押さえられている感じ」。そこから出たくなっても、出てしまうとお終いですね、辛いですけれど。それでもこのお仕事を辞めたいと思わないのは、いい作品がすごく多いからです。その作品に出たい気持ちと辛さを常に天秤にかけていますね。
――堀内さんは「憑依型女優」と言われていますが、役づくりの工夫など伺えますか?
私は似ていないモノマネをしているんです(笑)。役柄によってモデルをつくる場合とつくらない場合とがありますが。モデルをつくる場合は、自分が知っている誰か、あるいは電車で見かけた人などですね。
実は高校時代、ダンスの先生から、いつも電車に乗ったら前の人の洋服を見て、一瞬で覚えて、下を向いてその人が何色の洋服を着ていたか、メガネをしていたか想像しろと言われていました。そこで毎日言われたとおりに、電車の中で覚えて下を向いて合っているか確認して。この人は家に帰ったら家族がいるのか、夫婦でどんな話をするか、子どもにどんな態度をとるのか、観察した後に想像を巡らせる訓練をやっていました。そこから得た感覚で、誰かモデルをつくる。いろいろな人を組み合わせる場合もありますが、そのモノマネをしています。モノマネなので完璧にはできないですから、少ししか似ていませんが、テイストは採り入れていますね。ただ、その役をやっている間、24時間ずっとその人でいるわけではなく、1度その役のキャラクターをつくってしまうと、いざ演じるときには、高いところからそこにポンとジャンプして飛び込む感じです。
役づくりの方法は、自分からつくり込んでいく人、自分の実体験から役柄に近づく人などいろいろだと思いますが、私の場合はポンと入るので、まったく違う人になってしまう。だから自分に近い、自分らしくと言われたり、当て書きされるといちばん困ります。つくられたものの方が演じやすいです。
――最後に、この作品の見どころと、公演を楽しみにされているお客さまへのメッセージをお願いします。
『パレード』は実話で、今のこの時代にマッチしたとても普遍的なテーマの作品です。みなさまの考えるきっかけにもなると思いますし、差別については日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、やはり世界的に考えていかないといけないことだと思うので。そういう意味では、とても考えさせられる作品です。
また、新型コロナウィルスが流行して、未だに劇場に足を運ぶことがとても怖い状況もあります。私自身もとても怖いときがありますし、みなさまも大変だと思いますが、私たちはいろいろな対策を取ってやらさせていただきます。
私たちはいい舞台をつくることが仕事ですし、本当にお客さまの前でお芝居ができるというのがとても貴重な時代になってしまったので、やるからには一層みんなでいいものをつくろうという気持ちになるでしょう。感染しないように気をつけながら、命を護りながら頑張りたいと思います。
【ワンピース】Ventriloquist(ヴェントリロクイスト)/ドレスアンレーヴ
@ventriloquist_designer @dressunreve
【ピアス】253Bijoux(253ビジュー)/ドレスアンレーヴ
@253_Bijoux @dressunreve
【靴】スタイリスト私物
ヘアメイク:多絵/スタイリスト:梶原寛子
キャスト&スタッフ
【キャスト】
石丸幹二、堀内敬子、武田真治、坂元健児、福井貴一、今井清隆、石川 禅、岡本健一
安崎 求、未来優希、内藤大希、宮川 浩、秋園美緒、飯野めぐみ、フランク莉奈
石井雅登、白石拓也、渡辺崇人、森山大輔、水野貴以、横岡沙季、吉田萌美
【作】アルフレッド・ウーリー
【作詞・作曲】ジェイソン・ロバート・ブラウン
【共同構想及びブロードウェイ版演出】ハロルド・プリンス
【演出】森 新太郎
公演情報
- 公演名
- ミュージカル「パレード」
- 対象公演日程
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2021年1月16日(土)~2021年1月23日(土)
※横スクロールで公演日程が確認できます。
- 会場
- 【東京】東京芸術劇場 プレイハウス
- 料金
- 全席指定:定価13,500円(税込)
⇒ ご優待価格 平日10,000円(税込)/ 土日11,400円(税込)
- 備考
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- 本公演のチケット購入代金のお支払いにはVisa付エポスカード(プリペイド含む)のみご利用いただけます。
- お1人様1公演につき1申込のみとなりますので、予めご了承下さい。
- 表示されている公演日・席種のみの受付となります。
- 未就学児入場不可
- ご来場の前に感染症対策の大切なご案内をご一読お願い申し上げます。
- 本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
- 1度お申込みいただいた公演の追加申込みはできませんのであらかじめご了承ください。
- この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
- チケットお申込み
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- 公式HP
- https://horipro-stage.jp/stage/parade2021/