INTERVIEW
温かく、力強いメッセージが込められた作品。
個性豊かな12人でつくり上げることが楽しみです!
大作ミュージカルからストレートプレイ、テレビドラマまで数々の話題作に出演してきた浦井健治さん。CDリリースやライブツアーも行い、その歌声で多くのファンを魅了している。今作『カム フロム アウェイ』では、物語を紡ぐ12人のキャストのひとりとして、活躍が期待される。そんな浦井さんに、作品への思いや現在の心境などをお聞きした。
浦井健治さん
―― まずは、現段階で本作にどんな印象を持っているか教えてください。
まだ台本がないので、あらすじを知っているくらいなのですが、今の時代に生きる人々へのメッセージ性が強い作品だと思います。世界中が悲しみに包まれた事件が背景にあり、偶然同じ飛行機に乗り合わせただけの考え方も生い立ちも違う人々の間で、友情や愛が芽生えていく。いつでもリスタートできるし、いつでも友情や愛は新しく芽生えるという、希望の光のようなものをみんなで見出だしていく物語です。人との結びつきや生きるエネルギー、自分の人生をどう生きるかといったことがテーマになっていると感じました。
―― 今日(インタビュー実施日)はビジュアル撮影でキャスト陣が集結したそうですね。
本当にすばらしく、豪華なメンバーがそろいました!自分が若手のほうに入ってしまうほど、大先輩の皆さんがいらっしゃって。集合写真を撮った時も全員のエネルギーがすごかったです。このメンバーでできることの幸せを感じながら、12人それぞれの個性を活かして役をつくり上げることで、とても素敵な作品になるんじゃないかなという印象です。全員出ずっぱりの作品なのですが、それを成し遂げることで得られる大切な気づきもありそうです。
―― 共演が特に楽しみな方はいらっしゃいますか。
全員です!ひとりでも欠けたら成り立たない作品ですし。今までに共演したことがある人も、はじめましての方もいらっしゃいますが、ミュージカル界の中でともに歩んできた面々です。だからこそ共有しているというか、共鳴していることがある…。そういう、家族のようなメンバーだと感じています。諸先輩方が挑む姿を見ながら、自分を鼓舞して、とにかく挑戦するのみですね。
―― 本作では各キャストがそれぞれ複数の役を務めます。それに対して思うことや意気込みを教えてください。
以前出演した「SHAKESPEARE'S R&J」というストレートプレイが、複数の登場人物を演じる作品でした。情景や心情も含めて、ひとつひとつのシーンを全員でどう表現していくか…ということを追求した芝居だったので、それに近しい部分があるかもしれません。今回の『カム フロム アウェイ』も、みんなで作品を理解して、解釈を共有して、話し合いながらつくり上げていく時間が、かけがえのないものになると思います。そして、全員が全ての役を大切に思わないといけないなとも思っています。今作では「お互いありきで生きていく」という人々の姿が描かれていくのだろうなと。
―― お話をうかがっていると、12人のキャスト、そしてそれぞれが演じるすべての人が主役という感じが伝わってきます。
今日のビジュアル撮影にもそれが表れている気がします。個別で撮ってもいいわけですが、全員集合して。スタートからそこを大切にしているというのも、この12人を集めたプロデューサーの熱意を感じます。稽古が始まるのはまだかなり先なのですが、キャスト全員と、そして演出家とともに作品をつくるのが楽しみです。
―― 最後に、公演を楽しみにされているお客様にメッセージをお願いします。
9.11という悲劇的な事件の裏で起きていたできごとや、そこでたまたま生きることになった人々の思いを通じて、たくさんのことを感じられると思います。人は偶然や運命的なものがあって生かされているし、生きることはその連続だと思える作品でもあります。まだまだ落ちつかない、いろいろな脅威もある世の中で我々は生活しています。この作品に登場する人々がどうもがいて、どんな風に希望を持っていったのか。それがお客様に届いて、お客様の中で何かが芽生えたり動き出したりするきっかけになるんじゃないかな。温かく力強いメッセージが込められている作品だと思うので、ぜひ、劇場で楽しんでいただけたらうれしいです。