イントロ
introduction

慈善家の老姉妹が繰り広げるブラック・コメディの最高傑作!
久本雅美と藤原紀香が初タッグを組み、関西弁で上演!!

『毒薬と老嬢』はアメリカの劇作家、ジョセフ・ケッセルリングが1939年に発表した戯曲です。1941年にブロードウェイで初演、1942年からはウエストエンドで上演され、それぞれ3年を超えるロングランの大ヒットを記録。そして1944年には映画化もされた、傑作ブラック・コメディです。

老姉妹アビーとマーサが振る舞う“おいしいぼけ酒”によって巻き起こる想像を絶するストーリーと、安楽死や高齢化社会への風刺を含んだテーマは、初演から80年が経った現代でも色褪せることなく、世界各地で上演が重ねられています。

そんな人気作が、今回は台詞を関西弁にして生まれ変わります。2022年3月に新橋演舞場、4月に大阪松竹座、そして全国にて上演決定!錦織一清が演出を手がけ、ともに関西出身の久本雅美と藤原紀香がタッグを組んで老姉妹役を演じます。舞台初共演となる二人がどんな化学反応を起こすのか…?

『毒薬と老嬢』にどうぞご期待ください!

あらすじ
STORY

第二次世界大戦の火蓋が切って落とされた頃。
ニューヨーク・ブルックリンの閑静な住宅街に住んでいる、アビーとマーサのかわいらしい老姉妹。自分を本物の大統領と信じている、ちょっと頭のおかしい甥のテディと住んでいました。

二人は町で評判の慈善家でもあり、屋敷の前に「部屋を貸します」と書いた貼紙を出し、訪ねてくる身寄りの無いお年寄りに施しをしていると噂されています。

お年寄りへのおもてなしは手作りの“おいしいぼけ酒”。テディの弟で新聞記者のモーティマーも、そんな叔母たちが大好きです。しかし、応接間のチェストの中で、彼は見てはならない二人のヒミツを見てしまいます…。

果たして、この老姉妹のヒミツとは…!?

キャスト スタッフ
CAST/STAFF

【出演】

アビー:久本雅美
マーサ:藤原紀香
テディ:渋谷天笑
モーティマー:納谷健(劇団Patch)
エレーン:惣田紗莉渚
ジョナサン:室たつき
クライン:鈴木翔音(Studio Life)
プロフィー:我善導
ハーパー牧師:清水ひとみ
死体:甲坂真一郎
ウィザースプーン:川端槇二
アインシュタイン:丹羽貞仁
オハラ:嘉島典俊
ルーニー:笠原章

【作】ジョセフ・ケッセルリング
【訳 】黒田絵美子
【演出】錦織一清

インタビュー
INTERVIEW

  • 記者会見レポート
  • 取材会

スナック菓子のように、カジュアルな気分で観られる作品に。
こんな時代だからこそ届けたいブラック・コメディ!

久本雅美さん、藤原紀香さん
女優 藤原紀香さん(左)、女優・タレント 久本雅美さん(右)
舞台『毒薬と老嬢』は、アビーとマーサの老姉妹が繰り広げる衝撃のストーリーと、二人に振り回される登場人物たちをコミカルに描いた作品。ブラック・コメディの最高傑作と称される人気作です。
2年越しの上演が決まり、都内で行われた製作発表記者会見には、演出の錦織一清、W主演の久本雅美と藤原紀香が出席。関西弁と笑いが飛び交い、舞台上での丁々発止を充分に期待させる会見となりました。
── 錦織一清さん、久本雅美さん、藤原紀香さんより、ごあいさつをお願いします

錦織一清(以下、錦織) 本来なら2年前の10月に上演するはずでした。ほかにもできなかった作品がいろいろあり、その間ずっと、配信などで凌いできた中、この春に大きな劇場で『毒薬と老嬢』を上演できるというのは、夢のようです。久本さんと以前ご一緒した時は、本当にいろんなアイデアをいただきながら楽しくやらせてもらいました。藤原さんとは今回初めてのお仕事ですが、僕の方は一方的に存じ上げているので、すごく楽しみです。まだ数回しかお会いしていないので、今も隣に座っていると気恥ずかしいというか…。僕もまだまだ男だったんだと(笑)。昨年、(久本さんが所属する)WAHAHA本舗さんのお芝居を観させていただき、本当に笑わせてもらって、こういう時期だからこそ楽しいものを作るんだという励みになりました。この作品の中にある、ちょっとはみ出した倫理観のおもしろさを、僕らでいかに楽しく伝えられるかを目標に頑張りたいと思います。

久本雅美(以下、久本) やっと、皆さんの前で舞台に立てる喜びと、感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございます。『毒薬と老嬢』は80年前に生まれた作品ですが、今のこの世の中でも生き生きと感じられるテーマだと思います。また、藤原紀香さんと初めてタッグを組ませていただきます。ちょっと心配なのが、どちらが藤原紀香なのかわからなくなるんじゃないかということですね(笑)。私たち両方とも関西人で、二人で喋る時は関西弁なんですね。今回のお芝居は台詞が関西弁ということで、どんな風になるのかワクワクしています。そして私は錦織さんの演出が大好きなんです!エンターテインメントとして“魅せる”お芝居を作る方なので、ご存知の方も多いこの作品を、錦織ワールドでどう作り上げるのか楽しみでいっぱいです。私も全力で楽しんで、お客様に喜んでいただけるよう頑張っていきたいと思います。以上、藤原紀香でございました!(笑)

藤原紀香(以下、藤原) 久本姉さんとともに務めさせていただくことがとてもうれしく、楽しみで仕方ありません。加えて、錦織さんとご一緒するのは初めてなのですが、とにかく稽古場に笑いが絶えないと聞いております。そして、前に前に、その人の魅力やおもしろさを引き出していく演出だということで、本当に稽古場が楽しみです。ブロードウェイをはじめ世界中で愛された物語が、関西弁で生まれ変わるということも本当に楽しみです。こんなご時世ですが、我々ができることは作品の思いを込めて、お客様に少しでも元気を届けること。そこに照準を合わせてやっていきますので、皆さまよろしくお願いします。

── 久本さんと藤原さん、お互いにどんな印象をお持ちですか?

久本 紀香さんの舞台を観させていただいたことがありますが、非常に華があり、美しくてチャーミングで、歌がうまいな〜と感動しました。私もその華をいただきながら、自分らしく輝きたいです。

藤原 久本さんといえばコメディのクイーン。人を笑わせること自体が難しいのに、今回はブラック・コメディで、皮肉やスパイシーな部分が入ってきます。久本さんの胸を借りるつもりで飛び込んで、稽古に邁進していきたいと思っています。めっちゃ楽しみです!姉さん大好きなので!

── 若々しいお二人が「老嬢」を演じるわけですが…

藤原 69、70歳くらいの設定で、腰があまり曲がっていないシャキッとしたおばあちゃんだと聞いています。それが演出でどうなるかは、錦織さんのみぞ知る…ですね。

錦織 あまり年齢設定を気にせずにやっていただいて、ご本人たちの魅力が出ればいいんじゃないかなと思っています。本読みもしていない段階なので何とも言えませんが…。今、お二人の掛け合いをうらやましく見ていました。僕も女優としてここに並んでいるなら、みんなで若草物語でもやりたかったなぁ(笑)。

── 久本さんと藤原さん、お二人の共通点は?

久本 共通点はわからないですけど、二人とも関西の女性であることは間違いないです。生まれ育ったところの雰囲気とか、考え方や感じ方は、お互いに理解できるものがあるんじゃないかと思っています。

藤原 姉さんは気風がよくて、一緒にいると空間がパーッと明るくなるような人。何でも明るく笑い飛ばせるところは、私も姉さんに似ています!

── これから始まる稽古で楽しみにしていることは?

藤原 台本以上の、稽古場で生まれるものが毎日たくさんあると思います。共演者の皆さんと紡ぎ合い、錦織さんに引き出していただき、おもしろいものを作ることに参加できるのが私はうれしいです。

久本 稽古の中でお互いに思いを伝え合いながら、錦織さんのもと、関西弁だからこういう味が出たんだねと思えるようなお芝居にしたいですね。ブラック・コメディなので、爆笑じゃなくてもちょっとクスッと笑えるような、丁々発止の掛け合いができたらいいなと思います。紀香さんこそ、気風がよくて男前なんですよ。時々、紀香じゃなくて「のりお」って呼んでしまうほど、すばらしく根性の座った方。だから二人で前を向いて、良いものを一緒に作っていきたいです。

── 台詞を関西弁にしたのはなぜですか?また、関西弁と標準語、どちらがやりやすいですか?

錦織 関西弁はプロデューサーのアイデアですね。ちょっとしたジョークで多少キツいことを言っても、関西弁だと相殺する感じがして、賛同しました。関西弁は無形文化財だと僕は思っています。標準語では表現しきれないものがあったり、同じことを言っても関西弁だとおもしろくなったり。リズムが本当にいい言葉だと思うので、この作品にぴったりですよ。

久本 台本の流れからすると、本当は標準語の方がやりやすいと思いますね。私と紀香さんと甥っ子役の、いわゆる血縁関係メンバーだけが関西弁の台詞。だから、ほかの人の標準語に引っ張られないようにしなきゃとドキドキしています。ただ、関西弁ならこういう伝え方があるよねとか、こういうニュアンスの方がわかりやすいかねっていうのは関西出身同士わかり合えるので、その点ではやりやすいのかなと。

藤原 『毒薬と老嬢』の原作を読んだ時は標準語で頭に入ってきて、仮の台本をいただいた時は自分なりの関西弁に変換したので、普段より過程が多いんですね。でも関西弁の方が表現豊かになる感じがして、人の心に届けやすいかなと。そこはプラスになりますが、皆さんと稽古してみないと本当にわからないですね。こういう戯曲を関西弁でお届けできる機会というのはそうそうないので、それはすごく楽しみです。

── 久本さんと藤原さん、プライベートでの交流エピソードがあれば教えてください

藤原 以前、京都の祇園で姉さんとバッタリお会いしたんですね。結構離れたところから「のりお〜!」って声が聞こえて振り向いたら、姉さんが「私な、めっちゃ楽しみにしてるからな〜、絶対やで〜!」って叫んだんです。姉さんのマネージャーさん達が姉さんを羽交い締めにして、「まだ言ったらあきまへん!」って。その数日後に事務所から『毒薬と老嬢』の話を聞いて、あ、これやったんやと。そこから考えると3年越しに実現するので、私こそめっちゃ楽しみにしているんです。

久本 本当にあの時は失礼しました!紀香さんが旦那様の側で甲斐甲斐しく尽くしていらっしゃったのに、こっちは酔って「のりお〜」なんて叫んで…。紀香さんは本当にすばらしい奥さんであり、すばらしい女優さん。こうやって記者会見をやるとか、会うとなった時に必ずメッセージをくださり、常に思いを伝えてくれる。事細かく気づかってくれる人です。

── 錦織さん、二大女優の共演に対する期待と、演出の意気込みを教えてください

錦織 お二人を見ていると、昔の海外ドラマ『奥様は魔女』や『ルーシー・ショー』を思い出しますね。今作もそういう感じに作れたらと、期待感を持っています。この会見を通して、きっと楽しい作品になると確信しました!また、脚本を読んだ時に感じたテンポ感を大切にして、軽さに挑戦したいと思っています。メッセージ性がどうとかよりも、スナック菓子のようにカジュアルに観れる、そっちの方が大事かな。

「楽しかったな」「良い時間だったな」と思っていただくために
関西弁ネイティブの二人の良さを生かして、全力投球します!

WAHAHA本舗の設立メンバーとして長年活躍を続け、バラエティなどのテレビ番組でも見ない日はないほどの久本雅美。数々の映像作品で主演を務め、ミュージカルから喜劇までさまざまな舞台での活躍も光る藤原紀香。そんな二人が、ブロードウェイで3年半のロングランを記録するなど、ブラック・コメディの最高傑作と呼び声が高い『毒薬と老嬢』で初タッグを組みます。台詞が関西弁という今作で、慈善家の老姉妹に扮する久本さんと藤原さんに、作品や役に対して感じることや、お互いへの思いなどをお聞きしました。
久本雅美さん、藤原紀香さん
女優 藤原紀香さん(左)、女優・タレント 久本雅美さん(右)
── 姉妹役、老嬢役と聞いてどう思いましたか?

久本雅美(以下、久本) 有名な戯曲なので、チャンスをいただけてうれしかったです。この役をやってみたいという女優さんは多いと思いますよ。老嬢だからどうというよりは、この役をどうやっておもしろがれるか、が大事ですね。

藤原紀香(以下、藤原) お話をいただいた時、『毒薬と老嬢』の映画を観ました。すると、色気のあるエレーン(老姉妹の甥っ子モーティマーの婚約者)が出てきたのでこの役かしらと思いましたら、老嬢の方でした(笑)。このお役は見せ所だなと思い、嬉しかったですね。以前、「熱海五郎一座」でお婆さんの格好で一瞬だけ登場したことはあるのですが、がっつりと老嬢役をするのは初めてで、どんな風に演じようかと今からワクワクしているんです!

── 姉妹役、老嬢役と聞いてどう思いましたか?

久本 でも錦織さん、あまり老嬢を意識していないよね?

藤原 (製作発表記者会見で)そうおっしゃっていましたね。

久本 慈善として人を殺めるという、そこのところをどれだけおもしろくできるかなと。私たちが演じる姉妹には一切悪気がなく、本当に人助けをしているだけなのです。妹役の紀香ちゃんは本当に人間としても女優さんとしても素敵な人。関西人という共通点もありますし。あの…、やっぱりね、私の周りでは反応が違いますね!どっちかっていうと藤原紀香を観に行くというか、楽しみにしてくれている方が多いです(笑)。そんな紀香ちゃんと一緒に、お稽古場でどういう風に作り上げていけるか楽しみです。

藤原 私もですよ。「姉さんとご一緒できるんや!」と飛び上がりましたもん♪

久本 もう「姉さん、姉さん」って、芸人やないって言うてるのに(笑)。

藤原 うふふ(笑)。見えないかもしれませんが、実は私は人見知りのところがあり、でも姉さんは初対面の時から壁も感じなくて、後輩に優しく、愛に溢れる素敵な方で!故郷は同じ関西、ということもあり、根底に流れているものが似ているなぁと勝手に感じさせていただいています。そして今回は錦織一清さん演出、個性豊かな技アリ!の共演者が揃われているので至極、楽しみなのです。

── 姉のアビーと妹のマーサ、それぞれどんな役柄ですか?

久本 姉のアビーはしっかり者ですが、普通の人とは価値観が違う。何が幸せなのかということに対して、アビーとマーサは同じ考えを持っています。姉妹仲が良く、お互い信頼し合っていると思います。自分たちの生き方は間違っていないと1mmも疑わず、悪意がなく、迷いもない。そういうところのおもしろみをどう出すのか突き詰めて、はっきりと見せていきたいですね。姉妹のおもしろいやり取りや行動を稽古の中で提案しながら、同じ考えだけど違いもあるという部分を表現できるように考えていこうと思います。

藤原 姉妹はいいところのお嬢さんで、地下室もある大きな屋敷に住み、普段から慈善家としていろいろなところに寄付をしたりしながら、何不自由なく幸せに暮らしています。自分たちはとてもまともだと思っているけれど、実は価値観が一般の方とはだいぶズレているところがある。それが事件を引き起こすわけなのですがとても面白い作品だと思いますね。台本に書かれていない行間の芝居を大切にしたいと思います。

── 関西弁での上演、そしてブラック・コメディ作品という点についてはどう感じていますか?
久本雅美さん

久本 関西弁だからこそのニュアンスだとか、独特な言い回しや間(ま)とか、そういうところを生かして、姉妹の間柄やおもしろい展開を見せていけたらと思いますね。

藤原 台詞の関西弁をいかに自分の表現に変換し、関西弁ならではの表現力を楽しみたいと思います。しかしながら、コメディは奥が深すぎて、ゴールが見えません。しかも今回はブラック・コメディ。自身にとって、かなりのチャレンジだなと思っています。姉さんはコメディの女王!胸をお貸しいただくつもりで飛び込んでいきたいですし、そこに化学反応が起これば最高だなあと。ハードル高そうですが。

久本 私もそう!緊張感ありますよ、コメディほど難しいものはないですから。それにしても関西弁って、悪人が使うイメージじゃないですか!?取り立て屋とか。いつもテレビに向かって「そんなやつばっかりちゃうわー!」って言うことあるもん。

藤原 悪役が作りやすい言葉なんですよね(笑)。

久本 そういうことやんね。この作品ではそんな世間のイメージとは違う感じです。クスクスッて笑いながら、最後は「楽しかった」「おもしろかった」って言われる作品にしたいですよね。紀香ちゃんと私が持っているそれぞれの良さを、関西弁というネイティブなもので表現できたら、すごくイイ感じになるんじゃないかなと。錦織さんにお任せしつつ、こっちはこっちで提案もしながら創り上げたいと思っています。

藤原 錦織さん、実は、めっちゃおもしろい方ですね。

久本 錦織さん、おもしろいことが好きだから。稽古しながら、こういう笑い入れてとか、こうした方がおもしろいとか、どんどん出てきますよ。それに、まずは役者の好きなようにさせてくれる。せっかく紀香ちゃんと一緒にできるので、もう少しふざけへん?とか、こういう風にせぇへん?とか、たぶんお互いに言い合っていくと思います。私、稽古場での化学反応が大好きなんです。舞台っていうのは、そこがおもしろい。役者が声を出して動いた時に、いろいろなものが見えてくるということが、演出家にも私たちにもありますね。

藤原 そのお話を聞き、もうワクワク感が緊張感を超えました!

── お二人を見ていると、とてもチャーミングな姉妹になりそうです。お互いにチャーミングだと思うのはどんなところですか?

久本 紀香ちゃんはチャーミングの塊ですよ!容姿はもちろんですけど、気遣いが本当にすばらしい。一緒にワイワイやるのも楽しいです。ツーショット写真を撮る時に私をどんどん前に押して、自分の顔が小さく見えるようにする(笑)、このへんの可愛らしさ!遊び心や気さくなところ、笑いをわかっているところがあります。そういう、ちょっとすっとぼけた可愛さを、妹として舞台で出せたらいいんじゃないかなと思います。今、喋りながらマーサ像をイメージしていました。

藤原 嬉しいです!姉さんのこういうところが大好きで。かなりの大御所さんなのに気さくで温かい。あ、先程の二人の写真撮影でも「あんたもっと前に出なさいよ」って言ってくださるんです。でも、私、身長高いし大きいから姉さんを前に出す小競り合いが毎度で(笑)なんやかんやでほんまに面白いです。でも、私を前に出さんといてください(笑)

久本 ほら、こんなこと言うでしょ(笑)。

藤原 姉さんこそとてもチャーミングで、こんな言い方失礼かもしれないですが、可愛い女性だと思います!内面は器が大きくて、男前。この現場で、コメディの「コ」の字でもつかめるように、しっかりと勉強させていただき、その暁にはお客さまに喜んでいただける舞台を創りあげたいです!

── 公演数が多く期間も長いですが、体力や美しさを保つ秘訣は何ですか?

藤原 どのお仕事もそうなのですが、健康管理が大切だと思います。私は加湿と“発酵・温活ライフ”で健康をキープかな。あとは実家の母が育てて送ってくれる無農薬野菜も、元気の源です。

久本 紀香ちゃんはヘルシーの女王。体にいいものとかを私の1000倍は知っています。舞台はやはり気力と体力ですから、健康第一。睡眠不足にならないように、ノドを乾燥させないように、ケガをしないように…とかいろいろ。私はネックウォーマーをして、口呼吸を防ぐテープを貼って寝ています。冷たいものは控えて、体を冷やさないように常に気をつけたり。お酒も熱燗です(笑)。

── 「舞台」はどういう存在で、どんな思いを持っていますか?

久本 私は劇団員ですから、舞台が私の根本であり、自分自身を作り上げる場所だと思っています。私にとって骨格であることは間違いない。今までいろんな舞台に出させていただき、これからもいろんな舞台に立ちたいという思いでいっぱいです。テレビの世界も大好きですけど、年月を経て時代も変わっていく中で、ますます舞台に馳せる思いは強くなっています

藤原紀香さん

藤原 初めて舞台に立ったのは20年ほど前でしたが、舞台に立った時に自身に突きつけられたことがたくさんありました。衣装を着ているのに、360度全ての方向から自身が裸で見られているのではないかという感覚で...。ひとりで舞台に立っていると。心臓が口から出てくるのではないかと思うほどで、編集もストップも無くとめどなく進んでいき、ひとつ台詞を間違えれば全ての空気が台無しになるようなとんでもない場所なんだここはと、愕然としました。相当な覚悟とスキルがないと舞台ではすぐに見抜かれてしまうし、自己メンテナンス能力も最大に必要で、初めは恐ろしい場所でしかなかったです。
その中で、共演者の皆さんと芝居を紡いでそこに化学反応が起きたとき、お客様の拍手や笑顔を賜ったり、その一期一会のお客様との空気を感じることができたとき、全ての苦労が報われて幸せな気持ちになったり。本当に舞台に立っていてよかったと思えます。日々猛省で、これでよかったなんて思う日はないけれど、やはり舞台への特別な思いがありますね。
特にコロナ禍を経験してお客様の有り難みをより一層感じました。こんなご時世でも劇場に足を運んでくださる方には感謝でしかありません。劇場は、目に見えない何かが生まれる空間。一期一会のご縁は宝物だと感じています。

── 稽古で行き詰まったり悩んだりしたら、どう切り替えますか?

久本 そんなん、しょっちゅうですよ!毎回、行き詰まったり悩んだりします。舞台では、稽古でやってきたことが正解か不正解か、目の当たりにできるわけです。稽古の段階でも試行錯誤しますし、日々お客様の反応が違うので、台詞の言い方を変えてみたりすることも。お客様が私たちを作ってくれるというのが、舞台のおもしろみです。何でこんなに体に悪いことしているんだろうと思いますが(笑)、でも正解がないからこそ好きなんですねぇ!だから切り替えというよりは…、自分自身のやっていることが皆さんの笑顔につながるように、「喜んでもらいたい」「元気になってもらいたい」という点に集中するのみです。

藤原 本当に私も同じです。「よし、できた!」と思うことなんて稽古の時には全く無くて。悩んで悩んで、なかなか解決できないこともたくさん。稽古場では笑いが起きても本番ではお客様に笑ってもらえなかったり。逆に、姉さんがおっしゃるように幕が開いてからお客様に助けられることもあったり。一喜一憂しながらでも前に進んで行こうと思います。

── 最後に、お客様にメッセージをお願いします。

久本 錦織さんが「スナック菓子のように気軽に楽しんでもらえたら」と、すごくいい表現をされていて、本当にその通りだと思います。舞台にはいろんな意味があって、テーマがあって、伝えたいことがあるんですけども、基本的には“娯楽”だと思っています。コメディと名のつく作品ですから、男女問わず、年齢問わず、既婚未婚問わず、気軽に楽しく観てもらえたらいいなと思っています。

藤原 この作品は「安楽死」や「高齢化社会」がテーマになっていますが、(『毒薬と老嬢』の戯曲が作られてから)80年経った今も、時代のテーマは同じなのだなと感じています。人の価値観がそれぞれ違う難しいテーマだからこそ、“笑い”が必要で、そのさじ加減は稽古場で錦織さんがまとめてくださるのだと思います。ご覧になった方が最後に、何を感じてくださるか、私も楽しみです。ただひとつ言えることはやはり、こんな時代だからこそ、楽しく笑ってもらえるそんな舞台にしたいです。

久本 せっかくお時間いただいて、足を運んでいただいて、お金を払っていただくわけですから、「楽しかったな」「良い時間だったな」と思っていただかないと。そのために、私たちも全力投球します!

公演情報
EVENT

会場
【東京】新橋演舞場
対象公演日程

2022年3月16日(水)~2022年3月20日(

3月 16日
(水)
17日
(木)
18日
(金)
19日
20日
11:30
16:00

※3/18(金)16:00回の終演後、アフタートークイベントあり
【出演】錦織一清、久本雅美、藤原紀香

公演日程
2022年3月16日(水)~3月20日(日)
料金
定価 1等席:12,000円/2等席:8,500円/3階A席 4,500円
<ご優待価格>
1等席 売店利用券(1,000円分)付:9,800円
2等席:6,500円
3階A席:3,600円
備考
  • 本公演のチケット購入代金のお支払いにはビューカードのみご利用いただけます。
  • お1人様4枚まで
  • 4歳以上有料
  • 表示されている公演日・席種のみの受付となります。
  • 1度お申込みいただいた公演の追加申込みはできませんのであらかじめご了承ください。
  • 予定枚数終了次第、受付終了となります。
  • この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
  • ご観劇前に松竹ホームページの感染症対策についての記載を必ずご確認の上、ご来場下さいますようお願い申し上げます。
公式HP
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202203_dokuyaku_tokyo/

公演終了

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