INTERVIEW
イギリスの大人気ミュージカルが日本初上陸!
自分らしく生きることに勇気をくれる作品です。
イギリスBBCで放送されたドキュメンタリーが原作で、2017年に本国でミュージカルとして開幕すると異例の大ヒットとなった『ジェイミー』。日本で初上演となることでも話題となっています。今回は主役のジェイミー・ニュー役をダブルキャストで演じる森崎ウィンさん、髙橋颯さんそれぞれに本作の見どころや意気込みを伺いました。
森崎ウィンさん
―― 本作に出演が決まった時の率直な感想を教えてください。また、俳優、歌手、舞台と幅広い分野でご活躍ですが、森崎さんの考えるミュージカルの魅力をお聞かせいただけますか?
森崎ウィン(以下、森崎) ミュージカルの仕事をやっていきたいと思っていたので、お話をいただいた時はとにかく嬉しかったです。
すべてが生でその日の仕上がりがその場で決まるというのがミュージカルの魅力だと思います。観に来ていただくお客さんと一緒に創るのもミュージカルならではですね。その場で歌ったり、踊ったりという僕の好きなものが詰まっている総合芸術です。その総合芸術を瞬時に表現していくことに演者としての成長も感じます。
―― 『ジェイミー』の見どころはどこでしょうか?
森崎 個性豊かな高校生たちが葛藤して自分を見つけていく、その先頭に立つのがジェイミーなんですよね。自分探しは何歳になってもしていくものだと思うので、自分のこれまでの経験を生かして演じることで僕自身の自分探しにもなるんじゃないかと楽しみです。
役を演じるというより、その役を生きることができる作品だと感じています。
キャストそれぞれの人柄や人生観を垣間見られるのがこの作品の見どころです。
―― メイクやファッションなど女性ものに触れることが多いと思いますが、ドラァグクイーンを演じるうえで何か意識していることはありますか?
森崎 女性ものということで意識しているわけではないんですが、ドラァグクイーンになりたい高校生の役ということで、ドラァグクイーンをどこで見ることができるかを調べているところです。性別という概念ではなく、自分を美しく見せたいという想いから来ていると思っているので、ドラァグクイーンになっていく自分を好きになるということにフォーカスしています。
―― 本作のシンボルともなっている真っ赤な16cmのハイヒールを履いて踊るシーンもあるということですが、履き慣れるために何かされていますか?
森崎 スクワットで脚を鍛えています(笑)このご時世なので、最後の公演まで幕が開けられるかわからないという不安もあります。今回の新型コロナウイルスを経て、1回1回の仕事の重みが変わりました。毎回の上演が最後だというつもりでやりきるためにしっかりと準備をしていきたいと思います。
―― 最後に本作を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
森崎 周りの目を気にしてしまったり、自分だけ違うという恐怖を感じたりと、自分の意見を言うのは良くないという風潮がある気がします。本来であればそこで自分が引く必要はなくて、その人の感性をリスペクトするべきだと思うんです。『ジェイミー』は自分らしく生きることに対して勇気をもらえる作品。ジェンダー問題を描いている部分もありますが、人として自分の意見を言う勇気を持っていいんだよとジェイミーが伝えてくれているように感じています。
このご時世にエンターテイメントができるということだけでもすごく喜ばしいことなので是非その一瞬一瞬をお客さんと一緒に創れたらいいなと思っています。
髙橋颯さん
―― 本作に出演が決まった時の率直な感想を教えてください。また、髙橋さんにとってミュージカルとはどういった存在ですか?
髙橋颯(以下、髙橋) イギリスの大ヒット作品であることやキャストの錚々たる顔ぶれ、一流のスタッフさんが勢揃いで最初はプレッシャーがありました。でも、作品を知るに連れて“等身大”な部分を感じたので、自分のありのままを出してジェイミー役をやり遂げようと思っています。それから、僕自身がもっと勉強したいと思っているのがミュージカルです。アイドル、歌手、俳優を経験してきて、僕が率先してミュージカルの魅力を伝えていく存在になりたいと思っています。ダンスをやりたい人も歌をやりたい人も俳優をやりたい人もミュージカルは絶対勉強になります。
―― 『ジェイミー』の見どころはどこでしょうか?
髙橋 とびきり楽しく愛にあふれ多様性を描いた作品ですが、自分と葛藤している場面など人間の弱い部分もみられるところです。
―― どのようにジェイミーを演じたいと思っていますか?
髙橋 ミュージカルへの出演は2回目なので、まずは求められているものをしっかり演じ切ろうと思っています。ジェイミーの葛藤や強さなどを丁寧に体現しつつ、作品の持つエネルギッシュさのようなものも稽古中から溢れていくと思いますので、エネルギーを引き上げるようにジェイミーを演じられるといいなと思います。また、高校生を演じるからこそ大人になる必要があるなと感じています。高校生の頃の幼稚だった自分を振り返って、それを受け入れて役に生かしたいですね。
―― 本作のシンボルともなっている真っ赤な16cmのハイヒールを履いて踊るシーンもあるということですが、履き慣れるために何かされていますか?
髙橋 女性ってこんなに高いヒールの靴を履いているんだと驚きました(笑)ドラァグクイーンを題材にした作品を観るなどして日々勉強しています。友人からハイヒールを履いているからこそ踊りやすいジャズやバレエのような動きもあると教えてもらい、レッスンを積んでいます。
―― メイクやファッションなど女性ものに触れることが多いと思いますが、何か意識していることはありますか?
髙橋 女性ファッションに興味が湧いてきました。以前、WATWINGというグループのライブでネイルをしたことがあったんですけど、その時気分が上がるなと感じました。今回のメインビジュアルの撮影の時もネイルしていただいたんですが、またネイルしたいなと思っています。ネイルってトキメキますよね(笑)最近はInstagramで女性ファッションやメイクをチェックすることが多くなりました。
―― 最後に本作を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
髙橋 僕が与えられる“等身大の自分”を全力で出していきます。ジェイミーを通して“自分らしさ”とは何か、エネルギーを少しでもお客様に届けられるよう一生懸命演じるので是非観に来ていただきたいです。
<衣裳協力>
森崎ウィン
JOHN SMEDLEY / TIMONE / UNDECORATED
髙橋颯
JOHN SMEDLEY / O.T.A / STIR