舞台
メイジ・ザ・キャッツアイ

INTERVIEW インタビュー

舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』は、明治座での座長経験がある3人の女優をトリプル主演に迎え、明治座創業150周年の集大成作品として上演される。麗しい3姉妹を演じる藤原紀香さん、剛力彩芽さん、高島礼子さんに、今作とそれぞれの役の魅力、意気込みなどをお聞きした。

藤原紀香（以下、藤原）　明治という設定なので、明治時代の色や香りが入ってくるのかなと思いながら台本をワクワクと開きました。和太鼓や笛、さらにページをめくると津軽三味線も出てきて、すぐにその時代へ誘われました。警察、ポリスは、 羅卒（らそつ）であったり、「キス」ではなく「接吻」という言葉だったり、奥ゆかしい時代を感じさせてくれるものが散りばめられていて、お稽古でそれぞれの役者がさらに膨らませていくんだろうなと思うとますます楽しくなりました。歌、ダンス、ショー要素もあり、宙乗りもあり、明治座150年記念のお祭りにふさわしい盛りだくさんな内容で、本当にお客様に楽しんでいただける作品になるんじゃないかなと思います！

剛力彩芽（以下、剛力）　この台本が舞台上でどうなっていくのかまだ全然想像がつかないからこそ、純粋にワクワクしました！今思えば、最初はステージに立つ側というより客席で観る側のポジションで読んだ気がします。すごく華やかで楽しいだろうなというのが、シンプルに一番最初に感じたことです。原作では愛ちゃんは自分のことを「僕」と言うのですが、演出家の河原雅彦さんにお会いした時、「明治時代に僕って言うのかな？どうしようか。でも愛ちゃんといえば僕だからそのままでいこうか」と話をされていました。設定は明治時代でも、現代にやるからこそいろいろな要素がきっと含まれてくるんだろうなというのが本当に楽しみです。

高島礼子（以下、高島）　登場人物が多いので、正直、台本を1回読んだくらいでは人物設定などがよく理解できなかったんです。岩崎う大さんの脚本は、お笑いの要素があったり、人物の関係性のところで真剣な話もあったりと、今までやらせていただいた作品の中でもちょっと難しい。それを河原さんがどう演出されるのか…。今のところまったくわからないんですよ。ただ、明治時代とは言っても現代劇としてもおかしくない、決して古くさいものではないということは感じました。

藤原　衣装ミーティングも楽しかったですね。明治は、江戸の文化と、文明開花された鹿鳴館の文化もあるミックスな時代なので、和洋折衷なキャッツアイの戦闘服が登場しそうです。ポスターは、ボディスーツのようなものの上に和の羽織りものを着ていますね。最初は形が違ったのですが、撮影現場でアイデアを出し合いながら、ビジュアルが完成した感じでした。瞳は快活な性格で、実行役のアクション担当なので、戦闘服はパンツスタイルにこだわって作られています。舞台上で着る衣装はほかにもいろいろあると思いますが、3人姉妹の個性活かした素敵な衣装になると思いますし、ミクスチュアな文化のおしゃれを楽しめる明治時代の設定で良かった！

剛力　ほぼ見えていないんですけど、実は私もボディスーツ着ているんです。その上にお着物を着て、手袋や裾にレースなどを取り入れています。和と洋が折り混ざっている感じがすごく可愛くて、色も明るいので、本当にテンションが上がるなと思っています。ポスターのビジュアルのお衣装を舞台上でも着るのかまだわからないのですが、たぶん私はハイカラさんという感じの袴になるんじゃないかなと。いろんな衣装を着たいですし、早替えもしてみたいですね。楽しみにしています。

高島　現代のキャッツアイだとオレンジ（愛）、青（瞳）、紫（泪）ということで、今回の製作発表でもそのイメージの衣装を着ました。打ち合わせもせずそれぞれで用意したのですが、3人とも和テイストの柄でそろったのですごく気が合ってるなと。ただ、私はまだお衣装についてほぼ聞いていなくて、おそらく着物ということだけ…。ビジュアル撮影の時のお衣装を見て、劇中でも相当衣装にこだわるんじゃないかなと想像しています。

藤原　稽古などで疲れてくると、だんだんと姿勢が悪くなり肩が凝り、呼吸も浅くなってしまうので、マメにストレッチをして筋肉を伸ばすように意識しています。時間があれば、セリフを覚えたり頭の整理をしたいときに、椅子タイプの水素カプセルに入りに行く。その中で、かなり癒されます。

剛力　ピラティスを定期的にやってはいるんですけど、最近行けてなくて。食生活に関してはもともと野菜が好きなのでヘルシーなほうですが、ジュースも大好きです（笑）。あとは大好きな漫画をたくさん読んだりしてるので、あまり気にせず好きなことをして、ストレスをためないというのが大事かもしれないですね。

高島　そうですよね、ストレスをためないことって大切。私はとにかく笑います。何でもいいから笑っているうちに、本当におもしろくなってくる。あとはしっかり寝る。睡眠不足はよくないですから。ずいぶん長いこと何もしてこなかったので、最近は共演者の方にいろいろお聞きして情報を集めています。「私もこうなりたい」という理想があると頑張れるので、あきらめちゃいけないなと。「これ良かったよ」という情報を、紀香ちゃんにもこれから遠慮なく聞きますので！質問の嵐にしようかと思っています（笑）。

藤原　瞳は活発明朗で、ちょっとドジで、しっかり者で、負けず嫌い。私自身と少し似てるかも。羅卒（明治時代の警察のこと）である恋人のトシのプロポーズを待ち焦がれながらも、キャッツアイの使命もある…女心がいつも揺れ動いているところを表現していきたいですね。明治の設定ゆえ、原作よりもふたりの関係がもっと奥ゆかしくなっているので、そこもお客様に楽しんでいただければと。

剛力　愛ちゃんはボーイッシュなのですが、そこは割と似ているかなという気はします。私も小学生の頃に「僕」という一人称に憧れていましたし。ただ、頭の良さは全然違うので、そこをどう表現していこうかなみたいな（笑）。私は原作漫画をちゃんと読んでないので、まずはしっかり読んでみて、もともとの愛ちゃんというキャラクターがどういうものなのかを勉強した上で、今回の作品の中でどういう風に生きていくかをじっくり考えたいです。

高島　泪は「大人の魅力」とか「冷静沈着」と言われているんですけど、私自身は最近どんどん大人からUターンしちゃってるんですね。子どもっぽくなってしまったというか。大人の色気って、自分でどうこうできるものではなくて、人が判断することかなというところもありますし。冷静沈着ではなくて結構せっかちだし、天然ボケな面もあります。そういった意味では泪姉さんとはまったく違うから、逆に演じやすいと思っています。あとは演出の河原さんとは初めてなので、まだ手探りなんです。だから自分がこうしたいというのを固めるよりも、河原さんの世界の中できちんと動けるようになれたらいいかなと。

藤原　「CAT'S♥EYE」は初めて読んだ時から大好きな作品です。大人っぽくて、きれいなお姉さん達が素敵で、トシも可愛くて、アクションも軽快で、毎回連載をワクワクしながら読んでいた記憶があります。この仕事を始めた頃、映画で泪役を演じた経験があるのですが、「大人っぽく作ろう」と頑張っていた感がありますね。今回は次女・瞳役ということで、また1からお役を楽しみたいと。原作を読み直し、あらためて瞳のキャラクターをもう一度頭に叩き込む作業をしています。北条作品は本当にかっこよくて、家族愛や、素敵な色気や、ユーモアもあるので大好きです！

剛力　本当に、気づいたらもう知っている作品という感じです。どちらかというと音楽が印象に残っていて、歌ってたりしたなと。そしてやっぱり男性も女性も登場人物がセクシーなイメージがある作品ですね。漫画が好きなのでこれから全部読みあさろうと思います（笑）。どの世代にも知られている作品なので、すごいことだなと思いますし、だからこそ、舞台は舞台で良いねと言ってもらえるような、オリジナルストーリーだけどちゃんとキャッツアイだねと言ってもらえる作品にしたいです。

高島　北条作品は以前、ドラマ「エンジェル・ハート」をやらせていただきました。どの作品もそうですが、人気コミックの実写版というのはものすごいプレッシャーですよ。原作ファンの皆さんの中にあるイメージと合わなかったら…と気にしちゃって、髪型とか喋り方とかいろいろ考えてすごく緊張して演じた記憶があります。「CAT'S♥EYE」に関しても長く愛されている作品ですから、誰もがこのキャラクターをご存知ですよね。ただ、今回はオリジナルストーリーなので、演出の河原さんや脚本のう大さんの世界を生かしたいという気持ちと、キャッツアイファンのイメージを壊しすぎたくないという気持ちがあります。皆さんの期待を裏切らず、明治座150周年のファイナル公演らしく華やかにというのも含めて、頑張りたいと思っています。