『平成中村座十月大歌舞伎・十一月大歌舞伎』のチケット情報

猿若町発祥180年記念
平成中村座 十月大歌舞伎
平成中村座 十一月大歌舞伎

イントロダクション
INTRODUCTION

「平成中村座」が4年ぶりの浅草で二ヵ月連続公演!
古典の名作から新作歌舞伎まで多彩な演目で魅了

2000年に誕生した「平成中村座」は、江戸時代の芝居小屋の雰囲気を体感できる、いわば時空を超えたエンタテインメント。日本国内はもちろん、アメリカやドイツ、ルーマニアなど世界各地の観客もトリコにしてきました。

その「平成中村座」が、4年ぶりに浅草に帰ってきます。180年前の江戸・中村座の初日と同じ10月5日に開幕するとあって、中村勘九郎は「すごいご縁を感じますね!」とコメント。また今回の公演では、「平成中村座」初の新作歌舞伎となる、宮藤官九郎作・演出の『唐茄子屋~不思議国之若旦那』がお披露目。浅草を舞台にした落語「唐茄子屋政談」をモチーフに、「不思議の国のアリス」の要素が散りばめられるという、かつてない人情喜劇が誕生しました。

出演者
CAST

  • 十月大歌舞伎
  • 十一月大歌舞伎
第一部

一、双蝶々曲輪日記
(ふたつちょうちょうくるわにっき)

濡髪長五郎・・・・・中村勘九郎
放駒長吉・・・・・中村 虎之介
山崎屋与五郎・・・・・坂東 新悟
藤屋吾妻・・・・・中村 七之助

河竹黙阿弥 作
二、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」

幡随院長兵衛・・・・・中村 獅童
水野十郎左衛門・・・・・中村 勘九郎
長兵衛女房お時・・・・・中村 七之助
伊予守源頼義・・・・・坂東 新悟
出尻清兵衛・・・・・中村 虎之介
倅長松・・・・・小川 陽喜
御台柏の前・・・・・中村 鶴松
坂田公平/近藤登之助・・・・・片岡 亀蔵
唐犬権兵衛・・・・・中村 扇雀

第二部

有吉佐和子 作
一、綾の鼓(あやのつづみ)

秋篠・・・・・中村 扇雀
華姫・・・・・中村 鶴松
三郎次・・・・・中村 虎之介

宮藤官九郎 作・演出
二、唐茄子屋(とうなすや)
不思議国之若旦那

若旦那徳三郎・・・・・中村 勘九郎
大工の熊・・・・・中村 獅童
傾城桜坂/お仲・・・・・中村 七之助
第二太夫/源六倅源助・・・・・坂東 新悟
眠 善治郎・・・・・中村 虎之介
若旦那(小)・・・・・中村 勘太郎
お仲倅イチ・・・・・中村 長三郎
丹生林/海苔屋のおたね・・・・・中村 鶴松
半公・・・・・澤村 國矢
山崎屋おりき・・・・・中村 歌女之丞
達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ・・・・・荒川 良々
番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ・・・・・片岡 亀蔵
大家源六・・・・・坂東 彌十郎
八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ・・・・・中村 扇雀

第一部

一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)

工藤祐経・・・・・中村 橋之助
曽我五郎・・・・・中村 福之助
曽我十郎・・・・・中村 歌之助
化粧坂少将・・・・・中村 鶴松
小林朝比奈・・・・・中村 虎之介
大磯の虎・・・・・坂東 新悟
鬼王新左衛門・・・・・中村 勘九郎

二、舞妓の花宴(しらびょうしのはなのえん)

白拍子和歌妙・・・・・中村 七之助

河竹黙阿弥 作
新皿屋舗月雨暈

三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

魚屋宗五郎・・・・・中村 勘九郎
召使おなぎ・・・・・坂東 新悟
磯部主計之助・・・・・中村 橋之助
小奴三吉・・・・・中村 歌之助
菊茶屋娘おしげ・・・・・中村 鶴松
菊茶屋女房おみつ・・・・・中村 歌女之丞
父太兵衛・・・・・片岡 亀蔵
女房おはま・・・・・中村 扇雀

第二部

宮藤官九郎 作・演出
二、唐茄子屋(とうなすや)
不思議国之若旦那

若旦那徳三郎・・・・・中村 勘九郎
傾城桜坂/お仲・・・・・中村 七之助
第二太夫/源六倅源助・・・・・坂東 新悟
大工の熊・・・・・中村 橋之助
半公・・・・・中村 福之助
眠 善治郎・・・・・中村 虎之介
若旦那(小)・・・・・中村 勘太郎
お仲倅イチ・・・・・中村 長三郎
丹生林/海苔屋のおたね・・・・・中村 鶴松
山崎屋おりき・・・・・中村 歌女之丞
達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ・・・・・荒川 良々
番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ・・・・・片岡 亀蔵
大家源六・・・・・坂東 彌十郎
八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ・・・・・中村 扇雀

二、乗合船恵方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)

萬歳・・・・・中村 扇雀
才造・・・・・中村 勘九郎
白酒売・・・・・中村 七之助
大工・・・・・中村 橋之助
若旦那・・・・・中村 虎之介
芸者・・・・・中村 鶴松
角兵衛獅子・・・・・中村 歌之助
角兵衛獅子・・・・・中村 福之助
女船頭・・・・・坂東 新悟
田舎侍・・・・・片岡 亀蔵
通人・・・・・坂東 彌十郎

インタビュー
INTERVIEW

「平成中村座 十月・十一月大歌舞伎」は、中村勘九郎、中村七之助、勘九郎の長男・勘太郎と次男・長三郎の中村屋が勢揃いし、中村獅童も出演。さらに、中村扇雀、坂東彌十郎、片岡亀蔵をはじめとしたおなじみの顔ぶれに加え、荒川良々の初出演も話題になっています。
「平成中村座」の立ち上げから携わり、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の北条時政役でも注目を集めている坂東彌十郎さんと、若手女方の注目株のひとりである坂東新悟さんに、本公演への意気込みや見どころなどを伺いました。

坂東彌十郎さん、坂東新悟さん
坂東新悟さん(左)、坂東彌十郎さん(右)
── 浅草では4年ぶりとなる「平成中村座」への意気込みを教えてください。

坂東彌十郎(以下、彌十郎) 浅草での「平成中村座」というのは、立ち上げから関わらせていただいたのでとても思い入れがあります。勘三郎さん(十八世中村勘三郎)は、お客様に本当に楽しんでいただける空間を目指していらしたので、勘九郎さんと七之助さんを中心にそれを作っていくことに協力できればと思います。

坂東新悟(以下、新悟) 僕としては4年よりももっと間が空いたような感覚です。勘九郎さん、七之助さんとご一緒させていただくのもすごく久しぶりです。今回の公演では、成長したところをお見せできるように、しっかり勤めたいと思っています。

坂東彌十郎さん
── 日本はもちろん世界でも愛される「平成中村座」の魅力は、どんなところでしょうか。

彌十郎 やっぱり「平成中村座」ならではの“空間”ですよね。靴を脱いで中に入った途端にタイムスリップしたように感じられますし、近代的な空間よりも尚一層、歌舞伎の世界に入り込みやすいのだと思います。

新悟 大きい劇場だとどうしても、歌舞伎を“鑑賞している”感覚になったり、敷居の高いイメージを受けたりすると思うのですが、「平成中村座」の場合はお客様との一体感があります。お客様の反応も含めて、一緒に作り上げる参加型のような空気感を味わえるのも大きな魅力じゃないかなと思います。

──新作歌舞伎『唐茄子屋~不思議国之若旦那』は、古典落語をベースに「不思議の国のアリス」の要素を加えているとか。頭の中に「?」マークとワクワク感が入り混じるのですが、どんな作品なのでしょうか。

彌十郎 お稽古が始まってまだ数日ですが、今おっしゃった通りです(笑)。古典落語と「不思議の国のアリス」…!だから早く観に来ていただいて、一緒にワクワクしていただきたいですね。

新悟 台本を読んだ限り、大筋は思った以上に落語に忠実でした。勿論宮藤さんならではの発想やセリフも詰まっていますが落語への愛も感じました。落語を元にして歌舞伎で上演されるようになった演目はたくさんありますし、他の「世話物」(江戸時代の町人の世相風俗を背景とした出来事を題材とする演目)の作品のように繰り返し上演される演目になったら面白いですよね。

坂東新悟さん
── お稽古場の雰囲気はどのような感じですか?

彌十郎 宮藤官九郎さんの、本当にお芝居好きなんだなという雰囲気にあふれています。我々も自分の出ていない場面は観客として見ていますから。役者も宮藤さんもスタッフもみんな笑っていて、お芝居がおもしろいから、笑い声の絶えない稽古場です。

新悟 本当にみんなが楽しんでお芝居を作っています。ふざけているということではなくて、どうやったら作品がおもしろくなるのかと前向きに捉えながら作っていっているという印象です。ことに、宮藤さんが一番楽しそうにしていらっしゃる。本読みのときに誰よりも声を出して笑っていらっしゃったのが印象深いです。演出をつけてくださる方がそういう空気感を作ってくださるので、萎縮せず稽古に入っていきやすいのかなと思います。

── 彌十郎さんは大家の源六、新悟さんはその倅の源助とのことですが、役の魅力や役作りへの思いを教えてください。

彌十郎 たぶん、登場人物の中で憎まれ役は僕ひとりなのかな。でも、一手にそれを引き受けて、最後は笑いになる…という感じになるんじゃないかなと。自分の役については宮藤さんが何をしてほしいかというのをまず感じて、自分が何をやりたいかではなく、相談しながらやっていきたいと思います。

新悟 僕の出番のところはまだお稽古が始まっていないので、わからない面が多いのですが。台本を読んだ感じだと比較的、飛び道具的なお役に感じました。だからこそ、父も言ったように宮藤さんの求めているものをしっかり感じとって、役を全うできればと思います。

── 新作ならではのおもしろさや大変さはありますか?

彌十郎 やっぱり基礎から作っていくということですね。自分が想像したもので稽古場に入っても、周りの方や演出家の考えもあるので、現場へ行ってから作り上げる楽しみがあります。それがなかなか理解できないときは苦しみになるんですけども。今のところは、こういう風にやってみてもらえますかと言われて、あっそうですねとすぐ理解できるので楽しいです。このまま苦しいところが来なければいいんですが(笑)。

新悟 求められているものにどう対応できるかという瞬発力が大事になってくると思いますし、その瞬発力を発揮するためにいかに普段から歌舞伎のエッセンスを自分の中に取り込めているかが問われてくるので、そういう緊張感があります。今は、自分が出ていない場面でみなさんのお芝居を楽しく拝見している段階です。今回、勘太郎くん、長三郎くんとご一緒するのも4年ぶりです。二人とも成長目覚ましく、子供にとっての4年はとても大きいのだなと感じました。自分も負けられないなと刺激を受けています。

坂東新悟さん
── 新悟さんが十月大歌舞伎で出演される『角力場』と『極付幡隨長兵衛』について、意気込みをお願いします。

新悟 これまでに2度、吾妻役で中村座の『角力場』に出演しています。自分は女方なのですが、今回の与五郎はすごく演じてみたいと思っていたお役なので、それが叶ってすごくありがたいです。久しぶりの立役なので、また新たな一面をお見せしたいですね。『極付幡隨長兵衛』「公平法問諍」も以前、中村座で同じお役をさせていただきました。劇中劇で芝居小屋の場面なのですが、中村座の雰囲気と相まって、お客様にリアルに感じていただけると思います。

── 先ほど、成長したところを見せたいとおっしゃっていましたが、前回同じ役を演じたときから成長したと感じるところは?

新悟 え〜…、自分では何とも…(笑)。でも、“伊予守源頼義という人物を演じている役者”の役なので、昔の役者らしさ、その役らしさのようなものを感じていただけるように、勤めたいと思います。

── では、彌十郎さんから見ると、新悟さんの成長ぶりをどのように感じていますか?

彌十郎 さっき彼も言っていましたが、“らしさ”というのが役者としてはとても大事だと思うんです。役をいただいて、それらしく見える。役の空気をまとっているということ。その空気は、どの役をやっていても最近見えていると思います。空気の薄さ・濃さはその時々で違いますが。

── 十一月大歌舞伎の『寿曽我対面』と『魚屋宗五郎』についても、魅力や意気込みを教えてください。

新悟 『寿曽我対面』は歌舞伎らしさが詰まった演目です。お客様にはこの演目の華やかさや、形の美しさを楽しんでいただけたらと思います。臆することなく、若手らしく精一杯勤めたいですし、大磯の虎やお正月の新春浅草歌舞伎で一度演じさせていただいたので、堂々と見せられたらと思います。『魚屋宗五郎』の召使おなぎ役も、以前させていただきましたが、(尾上)菊之助のお兄さんに手取り足取り細かく教えていただいて、自分でも思い入れのあるお役です。話のきっかけとなるようなお役ですので、おなぎの話を聞いてお客様や宗五郎一家が情景を思い描けるようにお話に引き込んでいきたいです。

坂東彌十郎さん
── おふたりとも出演される『乗合船恵方萬歳』の見どころを教えてください。

彌十郎 江戸の人々の魅力が、小さい船にぎっしりと詰まっている、華やかな演目です。いろんな職種の人たちの動きや雰囲気を見てもらえたらと思います。

新悟 登場人物がずらりと勢揃いする演目なので、それぞれの役らしさを楽しんでいただきたいと思います。それを中村座で上演するということで、お客様もこの演目の雰囲気に入りやすいのではないかと思います。

── 歌舞伎ファンの皆さんはもちろん、大河ドラマをきっかけに本公演に興味を持たれた方も多いと思います。お客様にメッセージをお願いします。

彌十郎 はじめて歌舞伎をご覧になる方には、「平成中村座」はとってもおすすめだと思うんですよ。大きな格式張った劇場でもないので。なおかつ、今度の『唐茄子屋』 という演目は現代の方にもわかりやすくなっています。落語の世界の話ですし、あきらかに楽しんでいただけることは間違いない。大河ドラマを見て興味を持ってくださった方々には、十一月大歌舞伎の『寿曽我対面』という演目は、「鎌倉殿の13人」の中にある物語が入っていて、それを様式的に見せています。ストーリーは皆さんもうご存知なので、それを踏まえてご覧になるとおもしろいと思います。また、今回は荒川良々さんが出演されます。とてもいいエッセンスと力を添えてくださっているので、それも楽しみしていただきたいです。

新悟 中村座でしか味わえない、劇場一体となった空気感をぜひ堪能してください。もっと言えば、浅草の町についたときから、江戸時代にタイムスリップしたかのような空気感を味わっていただけると思います。芝居を観たあとは、実際に芝居に出てきた場所や出てきそうな場所が周辺にたくさんありますから、そういったところを散策するおもしろさもあると思います。お芝居だけじゃなくて、その日一日含めて楽しんでいただければ!

坂東彌十郎さん、坂東新悟さん

公演情報

十月大歌舞伎
公演名
『平成中村座 十月大歌舞伎』
会場
平成中村座
公演日程
2022年10月5日(水)~10月27日(木)
料金
竹席 14,500円⇛《優待価格》第一部 9,500円/第二部 13,500円
チケットお申込み

中村座の新型コロナウイルス感染症対策を必ずご確認の上ご来場ください。

十一月大歌舞伎
公演名
『平成中村座 十一月大歌舞伎』
会場
平成中村座
公演日程
2022年11月3日(木・祝)~11月27日(
料金
竹席 14,500円⇛《優待価格》竹席 13,500円/梅席 10,000円
チケットお申込み

中村座の新型コロナウイルス感染症対策を必ずご確認の上ご来場ください。