
平成中村座
十月大歌舞伎
演目
PROGRAM
第1部
山口 晃 作
寛徳山人 作
一、初帆上成駒宝船(ほあげていおうたからぶね)
橋彦・・・中村 橋之助
福彦・・・中村 福之助
歌彦・・・中村 歌之助
二、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
九段目 山科閑居
戸無瀬・・・中村 七之助
大星由良之助・・・中村 勘九郎
大星力弥・・・中村 歌之助
小浪・・・中村 鶴松
お石・・・中村 扇雀
加古川本蔵・・・中村 鴈治郎
河竹黙阿弥 作
三、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精
・・・中村 勘九郎
狂言師左近後に仔獅子の精
・・・中村 勘太郎
狂言師左近後に仔獅子の精
・・・中村 長三郎
法華の僧蓮念・・・市川 男寅
浄土の僧遍念・・・澤村 宗之助
第2部
四世鶴屋南北 作
一、御存鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)
幡随院長兵衛・・・中村 芝翫
白井権八・・・中村 勘太郎
二、助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)
花川戸助六・・・中村 勘九郎
三浦屋揚巻・・・中村 七之助
髭の意休・・・中村 芝翫
くわんぺら門兵衛・・・中村 橋之助
傾城浮橋・・・市川 男寅
朝顔仙平・・・中村 福之助
福山かつぎ・・・中村 長三郎
傾城胡蝶・・・中村 鶴松
三浦屋白玉・・・中村 芝のぶ
揚巻付番頭新造巻絹・・・中村 梅花
傾城八重衣・・・澤村 宗之助
母満江・・・
中村 歌女之丞(1日〜22日)
中村 扇雀(23日〜25日)
通人里暁・・・中村 鴈治郎
白酒売新兵衛・・・
中村 扇雀(1日〜22日)
片岡 仁左衛門(23日〜25日)
インタビュー
INTERVIEW
江戸庶民を熱狂させた芝居小屋での歌舞伎を復活させるべく十八世中村勘三郎さんが立ち上げた「平成中村座」が今年10月、幕開けの地である浅草に帰ってきます。4年ぶりとなる本公演ですが、中村勘九郎さんのご子息である中村勘太郎さん、中村長三郎さん兄弟に今回の舞台にかける意気込みや見どころを伺いました。

僕たちの故郷のような芝居小屋で歌舞伎の世界を堪能してください
勘太郎まず大きく動くことや下を見ないことといった基本的なことを教えてもらいました。獅子の長い毛を振るのは体力が必要なので体を鍛えることと毛を振る時に首ではなく腰を使うことも大切です。
長三郎兄(勘太郎さん)が9歳で初めて連獅子に出演する時に父が作った『連獅子五ヶ条』というものを最初に教わりました。初の連獅子は五ヶ条を見直しながら臨みましたが、稽古では指先まで美しく見せるという細かなことも意識するように言われました。
勘太郎「首を前に出さない」「大きく踊る」「手を丸く使う」「毛をきれいに見せる」「下を見ない」が基本となります。
勘太郎前回の連獅子から時間が経って久々に出演するので、基本的な動きを思い出しておかないといけないなと思いました。あと、平成中村座の舞台が少し小さいので、3人で踊る時に腕が当たらないようにしないといけないかなと考えていました。
長三郎決まった時は嬉しいという想いとともに、自分にはまだ少し早いかなという気持ちもあったんです。ですので、気を引き締めていこうと少し緊張しています。
勘太郎まずは体力作りですね。かつらも衣裳も重い中、大きな動きで踊らないといけないので頑張りましょう!
長三郎はい、頑張ります(笑)。
勘太郎親獅子に蹴り落とされるシーンのテンポの良い踊りが好きです。アドレナリンが出るというか気持ちが高揚していく感じがします。
長三郎僕は演目の冒頭です。お客様の拍手や声援を聞くと舞台に立っているんだという実感が湧いてきます。最初におじぎをするのですが、お客様に敬意を払って一生懸命やり切ろうという想いでいっぱいです。
勘太郎叔父(七之助さん)は舞台稽古の時に上げ幕から見てもらって、細かい動きのアドバイスをいただきます。父は一緒に舞台に上がる演目で私が一人で踊るところを客席や撮影したビデオを見て、指導をしてくれますね。父が厳しく教えてくれるおかげで今があるのでありがたいです。
勘太郎じじちゃま(十八世中村勘三郎さん)が権八役、吉右衛門のおじさま(二世中村吉右衛門さん)が長兵衛役の時のビデオを何回も観ています。家族での会話にこの時の鈴ヶ森の話がよく出てくるので、その話を聞くたび実際に見てみたかったと思います。いつかやりたいとずっと思っていた演目で、小さい頃によく立ち回りごっこをしていました。大好きな演目なので、決まった時はとても嬉しかったです。
勘太郎私は『仮名手本忠臣蔵(九段目)』ですね。忠臣蔵の通しでも八・九・十段目は飛ばされることが多く、あまり見ることができない演目となっています。とてもおもしろい話なので、見たいなと思っていました。
長三郎僕は『助六曲輪初花桜(すけろく くるわの はつざくら)』です。父が助六を初役で演じるということもありますが、仁左衛門のおじさま(片岡仁左衛門さん)が特別出演されることが驚きですし、とても楽しみですね。
勘太郎毎回のど飴をなめてから舞台に上がるんです。気持ちが落ち着くのとボイスケアができます。あとは、お清めの塩を自分に振りかけていますね。
長三郎僕も兄と同じことをしています。あと、指で手のひらに自分の名前か父の名前を書いて飲み込んでいます。じじちゃまの名前を書くこともありますね。
勘太郎えっ!そんなことしていたの?
長三郎うん。父がじじちゃまの名前を書いているということを知ってから僕もやるようになりました。これで一気にやる気が出ます。

勘太郎「平成中村座」は歌舞伎を初めて観る方でも楽しめる内容となっていると思います。しかも、今回は芝居小屋の場所が下町情緒あふれる浅草です。劇場に続く浅草寺の横道には長屋が数多く残っているので、周辺を散策してから会場に足を運んでいただければ江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚が楽しめると思います。
長三郎父も叔父も言っていたのですが、劇場そのものの雰囲気を含めて江戸歌舞伎の世界に浸るために作られているので、没入感がすごいんです。お客様との距離も近く、平成中村座ならではの仕掛けもあります。お客様の熱気が舞台上まで伝わってくるので一体感を感じるのではないでしょうか。一度観たら忘れられないはずなので、ぜひ観に来ていただきたいです。
(取材・文/白井由香里)
(撮影/藤本聡太)
公演情報
INFORMATION
- 公演名
- 平成中村座 十月大歌舞伎
- 会場
- 平成中村座
- 公演日程
- 2026年10月1日(木)~10月25日(日)
- 料金
- 《定価》
竹席(1・2階長椅子席):16,500円、
梅席(2階長椅子席):13,000円
《ご優待価格》
竹席(1・2階長椅子席):14,800円、
梅席(2階長椅子席):11,800円

