喜劇 老後の資金がありませんのチケット情報

喜劇
老後の資金がありません

イントロ
introduction

34万部突破の大ベストセラー小説が
初の舞台化!
渡辺えり&高畑篤子がダブル主演で
舞台初共演!!

「老後の資金がありません」(中公文庫)は、2015年に刊行された垣谷美雨による小説です。老後の資金を巡り主人公が様々な問題に直面する物語は読者の共感を呼び、大ヒットを記録しました。今回はその小説が初の舞台化。コメディに定評のあるマギーが脚色・演出をつとめ、“老後の資金”という誰もが避けて通れない問題を題材にしながらも、大いに笑って泣いて共感できる喜劇作品を作り上げます。
ダブル主演となる渡辺えりと高畑淳子は、意外にも舞台では初共演。舞台や映画、ドラマなど多方面で活躍する実力派演劇人の、最強タッグが実現しました! さらに、“老後の資金”を巡って右往左往する人々には、若手からベテランまで豪華なキャストがそろい踏み。羽場裕一、長谷川稀世、多岐川華子、原嘉孝、一色采子、宇梶剛士、松本幸大(ジャニーズJr.)、明星真由美などが出演します。

2021年8月は新橋演舞場、9月は大阪松竹座で、この夏最も共感できる喜劇が開幕。『喜劇 老後の資金がありません』にご期待ください!

あらすじ
STORY

普通の主婦・後藤篤子(渡辺えり)は、家計に無頓着な夫の章(羽場裕一)、大人しく頼りない長女・さやか(多岐川華子)、優秀な息子・勇人(原嘉孝)と平凡な4人家族です。子育ても落ち着き、契約社員として働きながらコツコツと老後の資金を貯めていました。

篤子の月1回の楽しみは生花教室。教室の若い教師・城ヶ崎快斗(松本幸大)は皆の憧れの的で、生徒の関根文乃(明星真由美)も彼に夢中です。
その生花教室で一番仲の良い友達・神田サツキ(高畑淳子)との喫茶店でのおしゃべりはストレス解消の大切なひと時。サツキは夫・克也(宇梶剛士)と小さなベーカリーを営んでいました。

そんな中、次々と篤子の“老後の資金”が減っていく事態が起きます…。
長女・さやかの派手な結婚資金、舅・英明と姑・芳子(長谷川稀世)への仕送り資金、篤子の職場からの突然の解雇、さらには舅がなくなったことで義妹の櫻堂志々子(一色采子)に約束させられた葬式資金、夫の会社が倒産…。

一方サツキは、実は認知症の姑・竹乃の年金を当てにしていました。しかし姑は失踪しており、サツキは役所の家庭訪問の際、芳子に身代わりになってほしいと頼みます。これはもしかして年金詐欺になるのでは…!?

篤子とサツキ、ふたりの行く末は?果たして幸せな老後を過ごすことができるのか!?

私たち、「老後の資金がありません」!

キャスト スタッフ
CAST/STAFF

【原作】垣谷美雨 (中公文庫刊)
【脚色・演出】マギー

【出演】

渡辺えり 高畑淳子
羽場裕一 原 嘉孝 
松本幸太(ジャニーズJr.) 宇梶剛士
長谷川稀世 明星真由美 
多岐川華子 一色采子 ほか

インタビュー
INTERVIEW

  • 製作発表レポート
  • インタビュー

歌あり、踊りあり、笑いあり。
生活感あふれるエンターテインメントです!

垣谷美雨の人気小説を舞台化した『喜劇 老後の資金がありません』の製作発表記者会見が行われ、脚色・演出のマギーと、“老後の資金”問題に直面する平凡な主婦役でダブル主演をつとめる渡辺えり、高畑淳子が登壇。歌や踊りを交えながら、老後資金問題をコメディタッチで描くという本作の魅力や、それぞれの意気込みなどを語りました。
―― 本作への意気込みをお聞かせください。

マギー 原作がとてもおもしろくて、「老後の資金がない」という誰もが抱える問題を描いています。具体的な数字や身につまされるセリフもたくさん出てくるのですが、それを舞台化するにあたりどう脚色していこうかと考えました。「老後の資金がありません…」という内向きな独り言のセリフを、主演のおふたりが「老後の資金がありませ〜〜〜ん!」と明るく歌い上げることで、お客様に表現していければと思います。今回は歌や踊りや笑いで、生活感あふれる作品を作り上げたいです。僕自身が非常に楽しみにしています。

渡辺えり あの、本当に老後の資金がないんですね、私自身。コロナ禍で大赤字を出したりして。今66歳で、老後の資金をどうしようかなと思いながらこの芝居をやることが本当に興味深いし、楽しみです。ただ、老後の資金はないんですが、もっと必要なものがあるなとつくづく感じたこの1年でした。友情や愛情、家族の絆とか、そういった目に見えないものが大きいんだなと。資金がないだけでなく“何か足りないもの”がある。それをマギーさんが原作をおもしろく脚色し、表現していらっしゃると思います。今回は歌も踊りもあるので、夢のように明るく演じたいと思います。老後の資金がないんですから(笑)、暗くなっても仕方ない!こういう時代だからこそ、みんなが観たくなるような楽しい芝居を目指して、力を合わせて頑張っていきたいと思います。

高畑淳子 みなさんが全部言ってくださったので、私は何も言うことがなく…。稽古場でもこうやってのほほんとしていられるかなと呑気に考えています(笑)。えりさんはとにかくエネルギッシュな方。そして公演日程も私にとってはなかなかエネルギーが必要な感じで。こう見えて私は意外とか弱いので、千穐楽までしっかりと体力を保って演じ切り、みなさんに満足していただけるよう頑張りたいと思います。この時代に枯渇しているのは心の滋養だと思います。私自身もそうですが、心が不安なんですよね。先日、映画館の客席に座ってスクリーンを見た時点で大泣きしてしまって。その空間にいること自体に魂がふるえました。劇場には不思議な力があって、自分の中の何かを強くしてもらえる魔法のような場所だと思います。今回の作品も、お客様が何かを見出して帰っていただけるものになればと思います。

―― 渡辺さんと高畑さん、お互いにどんな俳優ですか?

渡辺えり 30年ぐらい前に酔っぱらいの男役を演じていて、すごい役者だと感じ、いつか共演したいと思っていました。ほかにも高畑さんのいろんな舞台を観ているんですが、全部違うというところが好きです。それぞれの役を演じる時に心根を変えていらっしゃる。セリフがなく黙っている時の表情がおもしろい。“役として感じる”ことができる稀有な役者さんのおひとりだと思います。

高畑淳子 20年か25年ぐらい前、パルコ劇場のあるお芝居でちょっとイケていない男性俳優がいたんですが、舞台を観たえりさんは楽屋に突撃してその俳優をつかまえて「あんた、あの役わかってる!?」って。すごいな〜この人は、と思いました。その場面が焼きついていて、その人と芝居をするのかと思うと…。

渡辺えり 若い頃ですよね?あの頃は、友達に対しては持ちつ持たれつで本当のことを言ってあげなくちゃいけないと思い込んでいたんですよ。当時はそれが正しいことだと思っていたんだけど、今やったらパワハラで訴えられちゃうから(笑)。やりませんよ!

高畑淳子 ものを作るということはそういう刺激あってのことで、自分で気がついてないことを教えてもらえるからこそ芝居ができていく。でも年齢や経験を重ねるにつれ、だんだんそういうところから遠ざかり、誰も言ってくれなくなる。だからこそ今回、えりさんと一緒に芝居ができ、作品を作れるのが楽しみです。

―― 「歌あり踊りあり」と聞いて渡辺さんと高畑さんはどのように感じましたか?また、マギーさんはその脚色・演出意図を教えてください。

渡辺えり 歌があることで、時間を飛べるというか。小説をそのまま脚色するとかなり長い芝居になりますが、時間経過を歌で解説することができる。そういった意味で気持ちをスッと切り替えることができると思います。踊りは、役の感情を端的に表現することができる。なので、歌と踊りは好きですね。

高畑淳子 えりさんのお話を聞いて、感動しちゃいました!私は歌と踊りが苦手です。ドレミファ「ソ〜」からファルセットになっちゃう。一人で歌うだけならいいんですけど、えりさんと一緒に歌うとなると…。えりさんはすごくお上手だから。でも頑張ります!

マギー 心象風景、自分の中の独り言のようなものを舞台上でモノローグとして語ると、とても暗く内向きになります。それを歌と踊りにすることで本当に明るく、時にはばかばかしくさえ感じるように伝えられたらいいなと思い、そういう脚色・演出にしています。それをえりさんがここまでわかってくださっているので、すごく安心しました。そして高畑さんの歌が楽しみです。たぶん「ソ」より上の音も出てきますよ(笑)。

―― 渡辺さんと高畑さん、それぞれの役柄について教えてください。

渡辺えり 私が演じる篤子は「普通の主婦」という設定ですが、普通の主婦が何をしでかすかわからない世の中ですし、何が普通なのか捉えきれない部分があります。理屈っぽく言えば「普通」ってないと思うんですけど。派遣の契約社員として働いていて、夫はきちんとした会社に勤めていて、娘の結婚式や舅の葬式で急に出ていくお金が増える。誰もが経験するようなことの中で、節約したいと思うけど、夫は見栄っ張りで。私だったら「え!何それ!」ってなるんだけど、篤子は娘や夫のために自分が我慢していく。きっとこれが普通の、一般的な日本人の主婦。私自身はそんな男社会を何とかしたいと頑張ってきたんですが、そうなっていかないわけです。女性が自分の考えを発言したり、自分が思う魚に家計をやっていくのが本当に難しいんだなと再確認させられるような作品の中の、「普通の主婦」です。今の世の中を風刺していきながら、現代日本が抱えている問題みたいなものを笑いながら表面化していくような脚色になっているので、そこはおもしろくみんなで作っていけるんじゃないかと思います。私は、目立たない人、地味な普通の主婦になります!

高畑淳子 私はとっても節約家のサツキという役で、美容院なんか1回も行ったことない、髪の毛は自分で切っちゃうような人。だけど、「節約はサバイバルであり、ケチではない」と思っている。夫婦でパン屋さんを営んでいるんですけど、近くに大きなチェーン店ができたりして、時代の波にのまれていく。基本たくましそうな人に見えますが、実は「そういう自分でありたかった」という節があって、そこに私は胸打たれました。えりさん演じる篤子と一緒にいる時は、なりたい自分になっていたかったんだという、胸にしみるような役だと思います。

―― コロナ禍で劇場に立つこと、そして劇場に迎え入れることについて、思いをお聞かせください。

マギー この作品の原作が書かれたのは2018年。僕が脚色に着手したのは2019年。だからコロナ禍と呼ばれる前に書いているんですね。ですから、現代の話ではあるんですけど、世界観としてはコロナ禍前の世界を描くつもりです。コロナ禍の今は、やっぱり閉塞感のある世の中じゃないですか。その中で上演するからには、マスクをしていても、マスクの内側でゲラゲラと開放感を持って笑っていただいて、そのままの気持ちで劇場の外に出てもらうというのが、今回の作品で我々がお客様に届けるべきことかなと思っています。

渡辺えり ぜひ大笑いしていただいて、泣いていただきたいと思います。自分がやっぱり孤独でつらいんですね、毎日。人と会えないし、オンライン会議ではマスクで意思疎通がうまくできなくて落ち込むし。そんな状況で生の演劇を観ると、本当に救われますね。私も友達がやっている芝居を観に行って、劇場の中にいる時だけはほっとするし、落ちつくというか。ここが自分の居場所だなととても穏やかな気持ちになります。この芝居を観てくださったお客様が、私と同じような気持ちで、ほっとしたり大笑いできるような芝居にしたいと思います。これから稽古をすることで、自分自身の精神も救われるという気がしています。とにかく、思い切り演じさせていただいて、お客様に笑顔になってほしいと思います。

高畑淳子 今回特に、ご高齢の方の観劇のお申し込みがとても多いんです。「ずっと家にいるのが苦しくてね、今回はお芝居行こうと思うの」と。何というか、心が干からびている感じがするのかもしれませんね。舞台も人生もいろんなことがありますし、思わぬことにぶち当たってしまうのが生きているということです。えりさんはお芝居が大好きで劇場にいるとほっこりするというのもすごくわかりますし、私もこの世界が好きで、小説や映画や舞台が心を強くしてくれる存在です。だから、こういう演劇ババアになってきたというところがあります。お客様にもそうなっていただけると信じて、心を込めて演じたいです。この職種は不要不急ではないと信じております。

ふたりの素の部分や空気感も舞台に乗せてお客様みんなが楽しめる作品にしたい!

垣谷美雨原作、マギー脚色・演出の『喜劇 老後の資金がありません』は、現代に生きる誰もが共感できて、笑って泣ける作品。リアルな生活感に歌や踊りも盛り込んだ、エネルギッシュな舞台から目が離せなくなるはず!
主婦の後藤篤子を演じる渡辺えりさんと、篤子の友人神田サツキを演じる高畑淳子さんにとっても、“老後の資金”は身近な問題のよう。そんなおふたりが考える老後や節約術から、作品の見どころまで幅広くお聞きしました。
女優 渡辺えりさん
女優 高畑淳子さん
―― 原作小説「老後の資金がありません」に描かれている内容や、2019年に話題になった「老後資金2000万円問題」など日本の現状についてどう感じますか?

渡辺えり(以下、渡辺) 2000万円問題が話題になった当時、そんな金額を蓄えている演劇人は周りに誰もいなかったんですよ、私も含めて。だからもうみんな焦って、飲み会ではその話題で持ち切りでした。「一般の人はみんな2000万円の貯金があるものなの!?」って。まずそれが驚きだったのと、「2000万円では足りない、老後の暮らしは無理だ」という声もあった。どういう計算をして、どうしていけばいいのかすごく悩んだ覚えがあります。そのあとコロナが始まって、どんどんマイナスになっていく。そんな時に『喜劇 老後の資金がありません』という芝居をすることになり、重い責任を感じています(笑)。老後の資金がなくても、暮らせるようなアイデアを考えていくという方向に、私自身はもっていきたいなと思っています。

高畑淳子(以下、高畑) 私はものすごく用心深いので、意外と貯め込むタイプなんですよ。でもお金がたくさんあっても、例えば1億円あったとしても、悲しいことはやってくる。お金ではなく心の持ちようというか、自分の根っこが太くないと、自分が老け込んでいくとか死を迎えるとか、そういうことになかなか耐えられないと思うんですよね。同じお金でも人それぞれで価値が違ったり暮らし方が違ったりします。そこのところを、本作で味わっていただきたいと思います。

渡辺 私、家を持っていれば老後の暮らしは大丈夫だと思っていたんです。でも、マンションの管理費は毎月かかるし、介護施設に入ったとしても月々お金が必要だし、パソコンやスマホがないと今は生きていけないじゃないですか。そうすると年金だけじゃ全然足りないし、働けなくなったらお金は出て行く一方。死ぬまでにあと何年って逆算していくと恐怖に近いものを感じますね、お金に関しては。だからそういうことを考えないで演劇を観たいって気持ちになっちゃう。芝居に逃げたい(笑)。

―― おふたりにとって「幸せな老後」とは?

渡辺 なんかもう、私には幸せな老後はないなと思う。ドキュメンタリー番組で、100歳を超える人がたくさん暮らしている中国の農村を見たことがあるんですけど、あれが幸せな老後のイメージ。ご長寿の人が毎日芝刈りに行って元気に働いていたり、お正月には都会へ出た子や孫、玄孫までみんなが集まって楽しそうに笑っていたり。あ〜、幸せそうだなぁと。自分では無理そうだから、そういうドキュメンタリーを見るしかないわね(笑)。ちょっと怖いのは、老後に“演劇おばさん”なんてあだ名で呼ばれて、なけなしのお金で小劇場に通って、最後は客席で死んでる…みたいな気がしちゃう。大好きな劇場で死ねるのは本望かもしれないけど、つまんない芝居だったら嫌だわ(笑)。自分の思う幸せな老後とは縁遠いかもしれないけど、自分のやりたいことをやって死んでいきたいと思いますね。

高畑 私はもう老後というか、自分がおばあさんになったんだなって最近思うんですよ。自分の写真やテレビ番組のオンエアなどを見て、もうちょっとキレイだと思っていたんですけど(笑)、あ、老いたんだって痛感します。でもそれはね、いいと思っているんです。なぜかっていうと、66歳になってもこうしてお芝居に呼んでもらって、稽古場に行けるわけじゃないですか。そんな幸せが自分に訪れるなんて思っていなかったんです。若い頃はキレイで体力も視力もあったけど仕事がまったくなくて、なぜかちょっとずつ朽ち果ててきた時にお仕事をいただけるようになった。だから今、ものすごく楽しいんです。例えば2年後くらいに死んだとしても、悔いはないです!これから年をとるほど仕事は少なくなっていくし、大きな役はできないかもしれないけど、“ちゃんと生きてきたおばあさん”になって、仕事を続けられたらいいなと思います。

―― 劇中のサツキは節約家ですが、おふたりにとって「これだけは節約できない!」ものや、実践している節約術があれば教えてください。

渡辺 映画や演劇のチケット代ですかね、節約できないのは。でも今チケットが高くなりすぎちゃって。歌舞伎なんて昼の部も夜の部も全部観たら、数万円しちゃう。友達や知り合いの舞台を観に行くことも多いので、観劇だけでひと月15万円くらいかかります。何も観に行かなかったら節約できるけど、やっぱりそれはできませんね。小さな節約はいろいろ考えていますよ。例えば有料のビニル袋を使わずに新聞紙でくるんでみたり、安いサバ缶を夕食にしたり。

高畑 若い頃は本当に貧乏だったので、今も節約をあまり苦しいと思ったことはなくて。スーパーマーケットへ行くと値引き品を買いますし、お腹が強いので結構古いものを食べても平気ですし(笑)。仕事でお弁当をもらったら持って帰って冷凍して、あとで食べることもあります。節約できないものといえば、母の老人ホーム代と自宅のローンですかね…。それが大変といえば大変。そういえば家庭用防犯サービスも用心深くあれこれつけていたんですが、今は要所だけにして安くしてもらいました。今日のお洋服は、布を買ってきて自分で縫って作ったんですよ♪そういうことも好きなんです。

渡辺 さすが劇団員ですね!劇団育ちの人って辛抱強い!

―― 舞台では初共演となるおふたりですが、いろいろお話をしてみて、あらためてお互いにどんなキャッチコピーをつけますか?

渡辺 ひとことで語れない、どうなるかわからないおもしろさ、…そんなことを良い意味で表す短い言葉ってないですかね?
高畑さんは全部の役が違うように見えるところが好きなんですよ。何をやっても自分に引き寄せて同じように見えてしまう人もいると思いますが、高畑さんはそうじゃない。そこが魅力だと思っているんですが、それを表す短い言葉、気の効いた言葉って何かないかな…。考え中!

高畑 うーん…、えりさんは「知的なトラクター」って感じですかね。やはりものを書く方だな、作家なんだなって、今日実感しました。それでいて「私は普通の人よ」って見せる力を持っておられます。えりさんは搭載エンジンがターボだと思います!

渡辺 (高畑さんのキャッチコピーを思いついて)「ボーダーレスな存在感」っていうのどう?境がないっていう感じ。

―― おふたりのほかにも豪華な出演者がそろいましたが、縁の深い方や共演が楽しみな方はいらっしゃいますか?

渡辺 宇梶くんとは古いつきあいですね。彼が21歳の時、オーディションを受けに来たのが最初の出会いでした。
歌と踊りが得意だというので信じて合格にしたら、実はどっちもできなかった(笑)。はじめは相手役の女優さんに「下手すぎる」と言われるほどでしたが、毎日居残り稽古をしたらだんだんよくなってきて。その思い出が印象深く残っています。誠実でまじめに役に向き合う人なので、その後も「劇団3◯◯(げきだんさんじゅうまる)」によく出てもらいました。今回は高畑さん演じるサツキの夫役ということで楽しみです。篤子の夫役の羽場くんは劇団「夢の遊眠社」だった方で、よく知っています。彼の奥さんはうちの劇団員だったので結婚式で余興をやったことも。明星さんは以前に『喜劇 有頂天団地』で共演し、一色さんとは松竹の舞台でご一緒しました。ほかのみなさんは初めてです。

高畑 明星さんとはテレビドラマ「3年B組 金八先生」でご一緒していました。舞台を拝見したこともあり、とてもおもしろい女優さんという印象です。氣志團のマネージャーもされていたことがあり、不思議な経歴をお持ちですよね。宇梶さんは、加藤健一さんの『リチャード3世』の稽古場を見に行った時のことが印象深いです。演劇界の高身長イケメンがぶわっと並んでいたんですが、その中でもひと際キレイな人が宇梶さんでした。今回は夫婦役ということで、とてもうれしいです。あとは長谷川稀世さん。演舞場でも何度も拝見していますがとてもキレがよくて、今作の役柄(篤子の姑・芳子)もおもしろいので楽しみにしています。

―― 作品や役のおもしろさ、見どころを教えてください。

渡辺 ストーリーは決まっていますが、毎回新鮮にというか、先がわからないように演じたいですね。今回の役は自分にない部分がすごく多くて、篤子は周りから縛られているところもある人。私はバッと破裂するような火山みたいなところも持っているのですが、篤子にはそれがなくてゆっくり動いていく感じがします。それをリアルに演じるのは、私にとって難しい点でもあり挑戦でもあります。共演者のみなさんの演技を見て、そのリアクションで篤子を作っていけたらいいなと思っています。高畑さんの役のサツキに対して、篤子は自分とは対照的な人柄だと思って憧れていて、ずいぶん救いになっている設定です。今日、高畑さんとお話しする中で実際にそういう風に感じることができたので、そのまま役として演じさせていただきたいなと思いました。自分が思い込んでいた相手が本当は違う面を持っているところを、セリフでの説明なく演じるところが芝居の見どころですし、突然歌ったり踊ったりするシュールな部分もお客様が楽しめるところだと思います。

高畑 お客様から見たら、えりさんと私は年齢も同じですし、イメージも似ているところがあると思うんです。そのふたりが同時に食べられる本作は、すごくおいしいメニューなのでは(笑)。脚本に描かれた役柄を大切にしながらも、こうやっていろんな話をする中で出てくるえりさんと私の素の部分や、ふたりの空気感がこのまま舞台に乗ったら、みなさんに楽しんでもらえるんじゃないかと今日あらためて感じられました。そうなるといいなと思っています。

公演情報
EVENT

会場
【東京】新橋演舞場
対象公演日程

2021年8月14日()~2021年8月25日(水)

8月 14日
16日
(月)
18日
(水)
21日
22日
23日
(月)
25日
(水)
11:30
16:30
料金
1等席 売店利用券(1,000円分)付:昼の部 8,900円/夜の部 7,900円
2等席:6,300円
3階A席:3,500円
備考
  • 本公演のチケット購入代金のお支払いにはビューカードのみご利用いただけます。
  • お1人様4枚まで
  • 4歳以上有料
  • 表示されている公演日・席種のみの受付となります。
  • 1度お申込みいただいた公演の追加申込みはできませんのであらかじめご了承ください。
  • 予定枚数終了次第、受付終了となります。
  • この優待販売は、必ずしも良席を保証するものではございません。
  • ご観劇前に松竹ホームページの感染症対策についての記載を必ずご確認の上、ご来場下さいますようお願い申し上げます。

公演終了

お問い合わせ
INQUIRY