内海啓貴1st Musical Concert 〜My journey with you〜メインビジュアル

内海啓貴
1st Musical Concert
〜My journey with you〜

INTERVIEW

『テニスの王子様』、『アナスタシア』、『ロミオ&ジュリエット』など数々の話題作に出演し、ミュージカル俳優として活躍中の内海啓貴さん。2022年にはファンクラブを開設し、情報発信やライブ配信を行なって積極的にファンと交流。
そんな内海さんが、2024年夏にファーストミュージカルコンサート「My journey with you.」を開催することに!これまでのライブやイベントとは異なり、企画・制作からすべてに携わるという、大きな挑戦なのだそう。「初めてのことだらけで戸惑うこともあるけれど楽しい」と準備を進めている内海さんに、今の思いをお聞きしました。

〝今まで支えてくれた人たちへの感謝を込めた楽しいミュージカルコンサートにしたい〟

内海啓貴さん
内海啓貴さん
―― ファーストミュージカルコンサートをしようと思ったのはなぜですか?

フリーになったのをきっかけに、イチから自分でやってみたいと思ったんです。今の自分が一人でステージに立って、どういうパフォーマンスができるのかっていうのが自分自身もわからない。だからこそ、度胸試しじゃないですけど、挑戦してみたいっていう感じですね。今までは、自分は曲を覚えて、稽古をして、舞台に立つだけでしたが、今回はそれだけじゃない。会場を借りたり、スタッフさんを用意したり、全部やります。

―― フリーになってから決めたんですね!

この夏、作品と作品の間が1ヶ月空いていたので、その期間に単独コンサートをしてみようと思い、自分で企画しました。マネージャーと一緒になんとか形にしていこうとしている段階ですが、たくさんの方に助けていただいています。バンドメンバーやチラシスタッフ、舞台監督、スタイリスト、ポスターの写真を撮ってくださった役者の先輩…今までに関係を築いてきた方々が集まってくれています。今の自分があるのは、本当にいろいろな方に助けていただいたからだと感じています。すごく勉強になっているし、人とのつながりや縁に感謝する日々です。やることが多くて頭を悩ませることもあるんですけど、自分の中で「いい悩み」を持てているなと思っています。

―― 本番は8月13日ですよね。準備期間としては長いですか、短いですか?

とにかく初めてのことなので、準備期間が長いのか短いのかも全然わからなかったんですよ。今年の1月に決心して、とりあえず会場を押さえなきゃと思って2月に押さえて。「あと半年ある」と思っていたのに段々と焦ってきて、ここ1ヶ月で準備のスピードが上がりました。舞台の稽古中は忙しいのでなかなか準備を進められませんでしたが、それが一旦落ち着いて、『ロミオ&ジュリエット』の東京公演も終えて、やっと8月のコンサートのことを考えられるようになってきた感じです。

―― 席にドリンクホルダーがついていて、映画館のような会場ですよね。

そうなんですよ。お好きなドリンクを飲みながら、カジュアルな雰囲気の中で僕の歌声に酔いしれていただければいいなと(笑)。

―― そもそも、「ミュージカルコンサート」にしたのはなぜですか?

2020年に出演した『アナスタシア』というミュージカル作品が僕の転機になり、そこからいろいろなミュージカルに携わりながら、大先輩の方々のコンサートも見に行かせていただきました。そんな中で、ミュージカル本編ではもちろん役として歌うのであって、セリフが歌になっているんですけど、コンサートだと歌うのは役でもあり自分本人でもあるというのが、おもしろい表現だなと感じたからです。

内海啓貴さん
―― コンサートのタイトルが「My journey with you.」ですが、そこに込めた思いは?

今年フリーになって自分を見つめ直す時期があり、だからこそつけたタイトルです。ファンの皆さんをはじめ、今までの自分の旅路をともに歩んできてくれた方々に感謝を込めながら、役でもあり自分自身でもありというふたつの思いで曲を届けられたらいいなと。

―― 選曲について、現時点で考えているプランを教えてください。

これまでの作品で演じた役の曲を披露したり、「内海啓貴はこういうこともできるんだよ」っていうのを、未来に向けて発信するコンサートにしたいです。本当にギュッと凝縮したというか、「あれ!?もう終わっちゃったの?」と感じるくらい、集中力が途切れないような内容にしたいですね。

―― まだ決まっていないと思いますが、セットリストに必ず入れたい曲はありますか?

ファンクラブ内の生放送で、ファンの皆さんに何を歌ってほしいか投票をしてもらった時に、ミュージカル『アナスタシア』のソロ曲である「My Petersburg」が圧倒的に1位でした。それは期待に応えて歌いたいなと思っています。

―― その曲が圧倒的に1位だった理由は、ご自身では何だと思いますか?

僕にとってのターニングポイントでもある作品で、その現場に入ったからこそ意識が変わったんですよね。ミュージカル界の第一線で活躍している方々と一緒に芝居をして、歌を合わせて…という経験が、自分の価値観を変えてくれたというか。それと同時に、2020年(初演)と2023年(再演)の「My Petersburg」の音源を聞くと、全然違うんですよ。だからこそ、ファンの皆さんが僕の成長を見ることができる曲なんじゃないかなと思います。そして単純に、すごくいい曲です!

―― 今年の夏に歌う「My Petersburg」も、また違ったものになりそうですね。

そうですね、今までとはまた変わると思います。昨今のミュージカルは本当に幅広いジャンルの音楽があって、僕の引き出しも増えているはずなので。今やっている『ロミオ&ジュリエット』の曲はフレンチロックで、自分の中になかったグルーヴ感が芽生え始めたりとか。やっぱり、本番で得られるものってすごく大きくて、レッスンが1だとすると本番は10くらい、経験値が違います。多彩な作品をさせていただく中で、新たな自分を発見できたので、そういうものを余すことなく届けられたらいいなと思っています。

〝楽しみでもあり試練でもある今回のチャレンジ。内海啓貴の新たな一面をお見せします!〟

内海啓貴さん
―― ミュージカルコンサートなので、ダンスもありますか?

まだ打ち合わせの段階ですけど、タップダンスをお見せできたらいいなと。これまでの作品の中でダンサーさんに少し教えてもらったことはあるのですが、昨年の12月くらいから本格的に習い始めました。タップダンスはダンスの括りですが、パーカッションに近い感じがしてすごく好きなんです。楽器って、叩けたり音が出たりするとすごく楽しいし、自分もノッてくる。それと似ています。
「タップはどれだけ足の力を抜くか、リラックスした状態で音を鳴らすか」だそうです。「本番は緊張して力が入ってしまうと思うけど、それも楽しんで」と先生がおっしゃっていました。だから、これはチャレンジ企画という前提で、ファンの皆さんは優しい目で見てくださいね(笑)。

―― わりと緊張するタイプですか?

舞台初日はすごく緊張しますね。走っているのに舞台袖にたどり着けないとか、変な夢を見て汗だくで起きたりもしますが、逆にその方が本番で失敗しないというジンクスもあって。出番前に舞台袖で緊張した時は、大先輩の駒田一さんに教えてもらった対処法があります。「力を抜こう抜こうとしても緊張はほぐれないから、逆に力を入れてグッと固めろ」と。体をグッと固めた後は、自然にふわっと力が抜けるんですよ。効果テキメンです。

―― ステージ衣装のスタイリングは、実のお兄様が務めるとか。

そうなんです。僕はファッションのセンスがなくて、昔から兄の服を借りたりお古をもらったりしていましたし、スタイリストとして仕事をしている兄への信頼があります。だから今回、せっかくのファーストミュージカルコンサートなので、お願いしました。

―― 今日の撮影時の衣装もスタイリングしていただきましたね。

夏らしいシャツなどを準備してもらいました。僕が「こういう感じで」と言えばいつも揃えてくれるので、感謝しています。2歳違いなのですが、僕のことをよく知っているし体型も似ているので、何が似合うかがわかるんですよね。

―― コンサートは1日で2公演ですよね。普段の舞台とは違い出ずっぱりになるわけですが、その点はどのように感じていますか?

いや〜、もう楽しみですね!自分に課した挑戦なので、喉が枯れないように、体力が持つように準備をしないと。仮に1時間半で15曲歌うとしたら、2公演だから30曲。リハーサルも入れたら1日で大体40曲歌うわけです。それに対応できるようにしないといけませんが、それもまた試練でもあり楽しみな部分でもあります。ただ、楽しみすぎちゃうと、声のポジションが定まらなくなったりするので、楽しみながらも冷静でいられる自分が必要ですね。

―― 喉や体のケアはどんなことをされているんですか?

寝室の湿度は必ず55〜65%にしています。喉の調子が良くない時は、口にテープを貼って鼻呼吸をキープして寝ることも。たぶん僕だけじゃなく、「ミュージカル俳優あるある」だと思うんですけど、朝起きたらハミングで喉の調子をチェックするのがルーティーンです。朝イチの喉の感じで、ウォーミングアップの仕方を変えたりします。喉の調子が悪い時は、揚げ物や豚骨ラーメンを食べて、物理的に油で膜を作ったりもします。毎日コンディションは違うので、必ずしもいいコンディションの時ばかりではありません。それでも、安定して歌や芝居を届けられることが大事だなと思います。

内海啓貴さん
―― 今後の自分自身に期待していること、こんな風になりたいという役者像があれば教えてください。

見に来てくださるお客様に、いろいろ想像させられる役者でありたいと思っています。僕が役を演じるにあたりテーマにしているのが、「余白を作る」ことなんです。稽古場では一旦、「僕はこういう役です!」というのを強く出して、そこから引き算してシンプルにして、お客様にその役を想像させる余白を残したい。だからこそ今回のコンサート「My journey with you.」でも、音楽を通して内海啓貴自身の余白を見せて、「こういう役が似合うかも」「あれをやってみたらいいかも」と思っていただけるようにしたいですね。
100人のお客様に見てもらったとして、全員が僕のことを好きになるなんてあり得ないですよね。もちろん自分を推してくれるのはとても嬉しいですけど、「好みのタイプではないけどいい役者だよね」「この人が出演していると安心するよね」と言われるのも嬉しい。好きな野球で例えると、三振かホームランかじゃなく、アベレージ高く打つバッターのような存在を目指しています。

―― 次の作品の稽古、本番、コンサートの準備など多くのことを同時進行されていますが、全部こなすために工夫していることはありますか?

う〜ん…、やっぱり一つずつやっていくしかないですよね。僕の場合は追い込まれた方ができるというか、追い込まれて強くなるタイプなので、やればできると思って取り組んでいます。いろいろ重なりすぎて大変だった時に、ふとテレビから聞こえてきたのが「焦ろうがビビろうが時間は等しく過ぎていく。落ち着いて、お客さんが褒めてくれるところを想像しろ」という言葉。その通りだなと思いました。例えばオーディションなら受かった姿であったり、ソロライブだったら皆さんの拍手だったりを想像しながら取り組んだ方が、未来が明るくなるなって。

―― 最後に、ファンの方やミュージカルコンサートを見にきてくださる方にメッセージをお願いします。

僕を応援してくださっている方には、本当に歌で感謝の気持ちを届けられたらいいなと思います。普段の舞台では役として芝居や歌をお見せしているので、自分自身として舞台に立ってお客様と交流するのはなかなかないことです。僕自身もそれを楽しみにしていますし、皆さんにも気軽に楽しんでいただけたらいいなと思います。僕のファンではないけれどちょっと気になっているという方もぜひ、足を運んでみてください。内海啓貴の今までにない面が見られると思いますし、新しい発見ができると思います。

(取材・文:井上菜々子)

CAST

内海啓貴

YUKACHANBAND
violin:樋口菜穂美
guitar:飯塚直斗
bass:中山拓哉
drums:湯川裕太
pianoforte:YUKA

INFORMATION

公演名
内海啓貴1st Musical Concert〜My journey with you〜
会場
【東京】music&theater I'M A SHOW
上演期間
2024年8月13日(火)
1st 14:30開演/2nd 18:30開演
料金
全席指定 一般:8,500円
受付終了