WAHAHA本舗PRESENTS WAHAHA本舗40歳記念全体公演『シン・シンワハハ40』のメインビジュアル

WAHAHA本舗PRESENTS
WAHAHA本舗40歳記念全体公演
シン・シンワハハ40

メッセージ
MESSAGE

ワハハ本舗の全体公演。今回のタイトルは「シン・シンワハハ40」。
シン・シンワハハとは前回以上に新しくという意味。
「40」とは、7人足りない忠臣蔵(47士)ではない。アラビアンナイトに出てくる数字(アリババと40人の盗賊)でもない。東京ディズニーランドと同じ、アニバーサリー40の「40」である。ワハハ本舗も40周年になる。

最初は「3年は続けよう」が目標だった。それが40周年とは。

続けられたのは、観客はもちろん、関わってくれた方全員の応援があったからだ。
応援がなくては活動を続けられない。
今のワハハ本舗のイメージは大劇団だと思うが、実は今も40年前と同じ小劇場での活動をしている。

実際に今回の東京公演は、客席数300足らずの劇場で行う。
舞台も楽屋も小さいのに、出演者は今までにない数(多分50人を超える)になる。おまけに梅ちゃんは、いや、久本も柴田も客席で暴れると言っている。観客も出演者も天国になるのか、地獄になるのか。

全国公演の方は、東京公演での熱気をさらにパワーアップさせようと思っている。
演出アイデアはもうある。乞うご期待。

東京ディズニーランドが新しいアトラクションを増やしていくように、ワハハはより新しく、よりデタラメな、より攻撃的なエンターテイメントを目指す。それがワハハの40周年記念公演である。

皆様の熱い応援を期待する!

主宰・演出 喰始

ムービー
MOVIE

インタビュー
INTERVIEW

「より新しく、よりデタラメな、より攻撃的なエンターメントを目指す」とは、本公演のチラシ裏に寄せられた主宰・演出の喰 始(たべはじめ)からのメッセージ。
旗揚げから40年を迎えるWAHAHA本舗の記念全体公演「シン・シンワハハ40」について、久本雅美さん、梅垣義明さんに意気込みを聞きました。

久本雅美さん、梅垣義明さん
(左から)久本雅美さん、梅垣義明さん

原点に戻るつもりで小劇場からスタート

── コロナ禍による中断も乗り越え、劇団旗揚げ40周年を記念する「シン・シンワハハ40」の本公演が始まります。準備は進んでいますか。

久本 こうやってインタビューを受けると、「いよいよ始まったな」と感じますね(笑)。舞台の作り方としては、最初に主宰の喰 始(たべはじめ)が自分の構成案やアイディアをバーっと言って、私たちはそれが実際に形になるのかということを稽古で試していく。そうやって作り上げていきます。柴田(理恵)のひとりネタとして、昨年は「おしん」を講談風にやりましたが、今年はその「パート2」をやるっていうのは決まっています。私は今のところ喰さんに「バンクシーをやってみないか」って言われていて……やってみて無理だなと思ったら変わるかもしれませんが、そんなことを今は準備していますね。

梅垣 それから全体で決まっているのは、「親父合唱団」ですね。これも東京でやってから全国を回るのですが……一般の親父……お客さんですよ? を募集して、舞台で「第九」を合唱するというお客さん参加型のパートがあることは確定しているようです。

久本 うんうん、確定って言ってたね。

梅垣 最初は親父だけということだったんだけど、最終的には腹巻きをしていたりとか、“親父っぽい格好”をしていれば、女性もOKということになりました。

久本 舞台は構成も演出も全部喰さんが決めますから。直前に変更なんてこともたくさんありますよ。お客様の反応で「これやめようか」「ここ増やそうか」っていうのはちょこちょこあります。まず最初にダンスをバシッと見せて、そこからパフォーマンスに入るというのが、今までのワハハスタイルです。そしてこの梅ちゃんが大体トップバッター。梅ちゃんのネタっていうのはもう全部喰さんのアイディア。これはもう40年間ずっとそう。自分で考えたネタはないんだから(笑)。

梅垣 それは書かなくていいですよ(笑)。今回は40周年ということで、東京ではいつもより小さいシアターサンモールという劇場からスタートします。僕たちは小劇場出身ではあるけれど、だんだん大きな劇場でやるようになっていったので、40周年を機に原点に戻るという意味も込めています。地方の公演はまた大きな劇場になるのですが、最初の東京公演がシアターサンモールであることは、僕たちにとってもいつもと違う、新鮮な感じになるんじゃないかと思いますね。

久本 小劇場ならではのお客さんとの距離感は独特なので、みなさん楽しみにしてくれているんじゃないかなと思っています。

梅垣 コロナ禍では客席に入れなかったから。

久本 そうそう。舞台から客席に行けなかったから、梅垣くんは本っっ当につまらなかったですね(笑)。

梅垣 !!(ガタガタッとその場で転げる)

久本 でも今回の梅ちゃんは、鼻から豆を飛ばしまくりますから!このネタはまだ本公演でやっていないことがわかりましたから。お客様は梅ちゃんから豆を飛ばされるんだけど、お客様には仕返しのチャンスもあるのだとか。喰さんにはそんなアイディアがあるみたいです(笑)。

梅垣 まだどんな形になるかは決まってないみたいですけど(笑)。

久本 いやもう、絶対そうしたいって言ってましたね(笑)。

「お客さんイジり」されやすい通路側の席から売れていく

久本雅美さん
── 昨年の「シン・ワハハ」公演は、コロナ禍を乗り越えての公演でしたが、久しぶりにワハハの舞台に立ってどんなことを思われましたか。

久本 待ってくれていたお客さまはもう、めちゃくちゃ喜んで下さいましたね(笑)。

梅垣 よく待っていてくれましたよね。僕は途中でオーディションで入った役者ですが、旗揚げから40年続いている劇団は本当に貴重だと思いますよ。コロナ禍でなくなってしまった劇団もある中、これだけお客様が支えてくださって、待っていてくださったというのは本当にありがたいことです。

久本 ワハハの舞台は、よく「お客さんイジり」をするのですが、83歳だったかな、ひとりでいらっしゃってるというおばあちゃんで。ワハハ本舗が好きで、もう何度も来てるんだって。

梅垣 自分が80歳になったとき、こんな劇団ひとりで観にくる元気があるかなって思いましたよね(笑)。

久本 それでね、そのおばあちゃんに「どこがそんなにいいの?」って聞いたら、「世間とずれているところ」って! もう素晴らしい答えだな、最大の褒め言葉だなって嬉しくなりました。世間には新しいこと、面白いことがもちろんたくさんあると思うんだけど、ワハハ本舗は、一貫して笑ってもらう為ならなんでもするというスタイル。下ネタもあり、ファンタジーもあり、グッとくるところがあって、独特の世界観がある。私たちがずっと好きで面白いと思って作っているワハハワールドを同じように好きでいてくれて、しかも今梅垣が言ったように、80歳を超えてもそれを見るためにひとりで来てくれれているなんて……もう感動しちゃいましたね。

梅垣 すごいよね。オレが客だったら、久本に客席でイジられるのは嫌なのに。

久本 私だって梅ちゃんにイジられたくないよ! でもさ、うちのお客さんは待ってるんだよね、イジられるのを。こうやって客席の間を歩いてお客さんを見ると、「カモン!」って顔した人がいっぱいいるもん(笑)。でも「カモン!」って顔してる人は大体外しますね。

梅垣 あはは!

久本 「カモン!」じゃない人をイジってます(笑)。なぜかそっちの方が面白くて。

梅垣 確かにね(笑)。それでも「カモン!」っていう人はみんな通路側の座席を買ってますよね。そこがイジられやすいって知ってるから。

久本 そうそう、これ新潟のイベンターさんが言ってたんだけど、ワハハのチケットを売る時、舞台の座席には通路側でイジられやすい「デンジャラスゾーン」と、あまりイジられない「セイフティゾーン」の座席を作って販売するんだって。そしたら「デンジャラスゾーン」の席から売れてるらしい(笑)。皆さんイジられるのを待ってる(笑)。私たちももう、「お客様も劇団員」と思ってやっているから、「首根っこつかんで離さない!」みたいな激しいイジりをしてしまうんだけど。

梅垣 それでもイジって欲しいって来るんだから、お客さんもエラいよね。それはもう、もちろん久本にも技術があるし、愛情があるし、人間力があるから。だからこそ成立するものではあるけれど。

久本 それは梅ちゃんもね!

── 今はYouTubeなどSNSもたくさんありますが、実際に同じ空間と時間を共有できる舞台を観に行くという体験は、特別なのでしょうね。

久本 それは絶対にありますね。劇場にしかない空気感というのは本当にありますから。とにかく生なので何が起こるかわからない、演者同士の掛け合いも、お客さんイジりも、必ずうまくいくとは限らない。だから、全力で楽しませたい、喜んでもらいたいと思ってやっているけど、毎回毎回緊張します。大変ですが、やっぱりその中に面白さがあるんですよね。それを味わってもらいたいと思っています。

自分が面白がらないと面白いものはできない

── 40年も愛されている劇団ですが、中にいるメンバーとして、改めてワハハ本舗のどんなところが魅力だと感じていますか。

梅垣 僕は途中からオーディションで入れてもらった人間ですが、多分他の劇団だったらこんなに続けてこられなかったと思います。喰さんが面白がってくれたり、「やりなさい」と言ってくれるからここまでやってこられたんだと思いますね。

久本 喰ちゃんもすごいよね。その人の個性を引き出したり生かしたり。

梅垣 引き出してもらってますよね。

久本 ほんと、梅ちゃんは一回もネタを考えたことがないのに(笑)。

梅垣 それ今日二回目(笑)!

久本 梅ちゃんはそれを自分のものにしているところがすごいところだよ。喰さんは、梅ちゃんにも柴田にも、私にもそうだけど、やっぱりひとりひとりがどうしたら面白く舞台に立てるか、お客様にアピールできるかのきっかけかをくれる。そこが一番の素晴らしさだと感じますね。私もときどき他の劇団やプロデュース公演の舞台に立たせてもらっていますが、そこでお芝居をするときも、ワハハで学んだことはすごく活かされるなと思っています。それはもう大感謝!

── 個性を引き出されるコツのようなものはあるのでしょうか。

久本 一番大事なのは、自分が何を面白がっているかってことを自分でつかむことだと思います。そうじゃないと、いくら「お前にはこれがいいよ」って言われても、操り人形みたいになってしまう。私たちだって、喰ちゃんがいくら面白いアイディアを持ってきても、自分が納得して、自分のものにしていかなかったら、心と体が一致していかない。そうなると面白いものはできないから、それはもう自分との戦いですよね。
前に私、フレディ・マーキュリーをやったことがあるんですけど、突然喰さんに「久本、フレディ・マーキュリーをやってほしい」って言われて。通し稽古のときにはまだ何も決まっていなかったけど、とにかく大声でイエーイ!とかオー!とか叫びながら階段から駆け下りたら「それ!」って言われて(笑)私もびっくりしたんだけど、そこから必死でどうしたら面白くなるかを考えて……最終的には自分でまとめていくんですよ。その作業が本当にしんどくて、毎回毎回なんでこんなに体に悪いことをやっているんだろうと思うけど、結局その作業や辛さも含めて、私はこういうことが本当に好きなんだと思いますね。

梅垣 演出家がいる、第三者がいるっていうのはありがたいことだよね。もちろん面倒臭いこともありますよ。「これ違う」って言われたら、「なんだよー」って思うこともありますが、それでも俯瞰で見てくれる存在がいるっていうのは僕にとっては大きいですね。漫才をやってる方たちとか、演出家がいない場合もあるじゃないですか。もちろんだからこそいいところもあるし、そこにプライドもある場合もあると思うんですけどね。

久本 そうね。ただ喰さんは、全部を言ってくれるわけじゃないんだよね。私が覚えているのは、最初にワハハ本舗を立ち上げたとき、喰始が「僕は台本を書きませんよ」って言ったこと。「これからの役者は作家性がないとダメだから」って。「ウソでしょ??」って思ったけれども、確かにそうでしたね。ワハハの場合は、稽古をしながら「このセリフなんかつまんないな」と感じたときに、「じゃあここにこんなセリフ足したいな、こういうギャグ入れちゃいたいな」っていうトライアルをみんながどんどん普通にやっちゃう。「こうやったらもっと面白くなる、もっと膨らませられるかも」って可能性を探ることに関してものすごく訓練されてきたから、外部の舞台の仕事をする際も、そういうのが自然に出てきてしまいますね。

梅垣 確かにも僕も外の舞台の仕事をするとき、「喰だったら、こういうのどう思うのかな」ってよく考えたりしますね。もちろんいただいたお芝居の世界観や、役としてのルールの中ではありますが、「ここからどう膨らませられるか、面白くできるか」をとことん考える姿勢は、ワハハで培われた、自分の財産だと思いますね。

うちの若手からの刺激はほとんどないです(笑)

梅垣義明さん
── テレビなど他のお仕事からの刺激や、劇団にいらっしゃる若い方から学ぶ、みたいなことはありますか。

久本 そうですね、うちに若手はそこまでたくさんはいませんが、それでもオーディションで入ってくる子たちは確かにいますね。そんな子たちは、昔の私たちのビデオを見てくれたり、すごく一生懸命に頑張っています。ただうちの劇団の若い子から刺激っていうのは……正直ほとんどないですね(笑)。

梅垣 あはは。

久本 ダンスはもう、すごく教えてもらってます。個人レッスンしてもらったり……なんなら、「久本さん担当です!」「柴田さん担当です!」って、私たちのパートを覚えて教えてくれて、サポートしてくれる係まで作ってくれたりして本当に感謝しています。
ただ、ネタ作りや、演じることに関しては、私たちは背中を見せる側なので。どんなにくだらないことでも、こんなに練習するんだよ、とか、こんなに悩むんだよ、みたいなことをしっかり見せていかなきゃと思っています。お客様に喜んでもらうには、どこまでも悩み、戦い続けなきゃいけない、そんなことを伝えなきゃと思うのは、親心かなと思っています。

梅垣 一般的には「女性にお笑いは難しい」とかって言うやんね。でもワハハには久本や柴田みたいな素晴らしいお手本がいる。それでもまだまだ「言われたことをそのままやってるな」「納得しないまま表現しているから伝わらないな」と思う人はいますね。やっぱりさっき久本も言ったように、もらったアイディアを種に自分が面白いと思うものを作らないと。そういうことをやりたい人じゃないと、うちには来ないよね。

久本 若手にはしっかり育っていってほしいなと思います。全体を通してみんなの個性が輝いてこその舞台だと思っています。ひとりだけとか、一部だけがよくてもダメで、ちゃんとワハハの世界全部が面白くあって欲しい。
私たち含めてみんなもともとは不器用なんだけど、ひとりひとりの個性を活かすような舞台に仕上げていく。それで出来上がっていくワハハの世界が本当に好きなので。それが喜んでいただけるなら、こんな幸せなことはないんです。喜んでもらえるならなんでもやる! っていうのがマインドですから。

梅垣 世間から見ればね、相変わらず同じことやってるなとか、昭和のことやってるなと思われることがあるかもしれないけど、なにしろこっちは昭和の人ですからね。久本も今はもう「ヨロチクビー」はやってないかもしれないけど……。

久本 やってるよ! まだテレビでもやってるよ!

梅垣 そうなの!? これ、20代、30代のときにやっているのは普通かもしれないけど、これ70とか80になってもやっていたら、ものすごくカッコいいからね。とにかく、そんな自分たちに馴染む笑いやエンターテインメントを、僕もずっと続けていきたいと思っていますね。

寝るギリギリの瞬間まで一緒にいようとしてくる

── ワハハ本舗の人気の秘密は、メンバーの仲の良さにもありますね。

久本 そうですね。お客様は私たちの「アットホーム感」がなんか好きみたいですね。

梅垣 そうではあるんですけど……人間ってひとりになりたい時間もありますよね。僕たちは地方にツアーに行って、一緒に舞台に立って食事に行って。そのあとはホテルでちょっとひとり、寝る前にホッとしたいときがあるじゃないですか。それなのに、この人たち寝るまで一緒にいようとするんですよ!!

久本 こいつがね、みんなでワイワイしているときも、スッと抜けていなくなるんですよ。腹立つでしょ(笑)。だからね、これ普通は絶対にダメですよ? でももう馴染みのホテルで、信頼関係もあって、それでフロントでみんなで「梅垣に会いたいんで、キーください」って言うと、出してくれるんです(笑)。

梅垣 いやいや、普通出さないでしょ(笑)。

久本 それでみんなで部屋のドアをガチャって開けて入ったら、梅ちゃんはバスローブ姿で外に向かって、こうやってコーヒーなんて飲んで……。みんなで「何やってんだー!」って(笑)。

梅垣 もう、そんな瞬間、誰でもあるでしょ(笑)。

久本 そんなことをまだやってるんですよ(笑)。

梅垣 最近はさすがに減ったけど、舞台終わった後もみんな、毎晩毎晩、よく呑んでるなと思いますよ。今回のツアーはどんなことになるのか……。

久本 ワハハ本舗「シン・ワハハ40」、楽しみにしていてくださーい!

(取材・文/小川聖子)
(撮影/森浩司)

キャスト&スタッフ
CAST&STAFF

【構成・演出】
喰 始

【出演者】

柴田理恵、久本雅美、佐藤正宏、梅垣義明、すずまさ、大久保ノブオ、タマ伸也、トニー淳、正源敬三、我膳導、村本准也、噛家坊、哀原友則、吉川元祥、兵頭有紀、星川桂、矢原加奈子、犬吠埼にゃん、鈴木千琴、石原奈津美、あうら卵、杉田のぞみ、新美たま希

菅原鷹志、岡田勝、シェフ米山、鏡蘭丸、古閑はづ、合志優花、福澤奈菜、今村友香梨

ほか

公演情報
EVENT

公演名
WAHAHA本舗PRESENTS WAHAHA本舗40歳記念全体公演『シン・シンワハハ40』
会場
【東京】シアターサンモール
上演期間
2024年9月28日(土)~10月6日(日)
料金
全席指定 一般:9,800円→
《ご優待価格》昼公演:9,315円/夜公演:8,280円
公演名
WAHAHA本舗PRESENTS WAHAHA本舗40歳記念全体公演『シン・シンワハハ40』
会場
【兵庫】神戸国際会館こくさいホール
上演期間
2024年10月20日(日)
料金
全席指定 S席:8,800円→
《ご優待価格》S席:8300円